“県内最悪”の汚名返上なるか「自転車盗」など多発箇所のワーストランキング公表へ 滋賀県草津市が犯罪抑止へ新施策

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草津市が作成したポスター草津市が作成したポスター

 警察が犯罪の発生を確認した「犯罪認知件数」を人口比率でみると、滋賀県内では草津市が最も多い。こうした現状を何とか打開しようと、草津市が異例の防犯対策に乗り出した。警察から犯罪情報の提供を受けて万引や自転車盗が多発している箇所の「ワーストランキング」を公表し、犯罪抑止に結びつけようという試みだ。これらの犯罪が多発している施設などの主体的な防犯活動を促すねらい。自治体が犯罪多発ポイントを公表し、防犯対策に取り組むのは珍しいという。公表は来年春以降を検討しているが、3月からこのデータを活用した防犯指導を始めた。

(産経新聞大津支局 加藤園子)


 草津市危機管理課によると、草津市は平成14年、人口1万人当たりの犯罪認知件数が349件と滋賀県内でワースト1になった。この数値は、都道府県単位で全国最悪だった大阪府を抜き、注目を浴びてしまったという。

 以降、地域と連携してパトロールや防犯カメラの設置などを進め、同年で4100件だった犯罪認知件数を16年に2609件、18年に2297件、20年には2009件と半数程度まで減少させた。

 ただ、15年以降ワースト1を免れていた人口比の認知件数は、18~22年で再び滋賀県内最悪になった。23年は2位だったが、昨年も1万人当たり188件と、再び1位となった。

 「とくに草津市では認知された犯罪のうち、自転車盗と万引の占める比率が高い」と危機管理課はいう。昨年の滋賀県内統計では全犯罪に占める比率が自転車盗24%、万引9%なのに対し、草津市ではそれぞれ35%、11%と、2つを合わせると5割近くになる。犯罪認知件数の多さや、犯罪に占める自転車盗や万引の多さは、草津市が県内の中でも若年層の多い地域であることが理由に挙げられるという。

 危機管理課は「これらの犯罪は『ゲートウエイ犯罪』と呼ばれ、より悪質な犯罪への入り口となるため、未成年者にとっては早期の対策が求められる」と警戒する。

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 犯罪多発箇所のワーストランキング公表は、草津市と草津署が昨年9月、犯罪情報の共有と相互連携に関する合意書を締結したことで、実現することになった。

 公表するランキングは、自転車盗と万引の発生日時、発生場所、施設名などの情報提供を草津署から受け、半年か1年単位で作成する。来年3月をめどに草津市のウェブサイト上でワースト10位の施設名や発生件数などを明示する。また、ワースト20位程度の施設に対しては、市職員と草津署員が指導を行う。

 この取り組みの準備や周知のため、平成23年のデータをもとにランキングを作成した。「まだ公表しませんが、今月からワースト20位にランクインした商業施設やマンションなどを訪れ、今後この種のデータを公表する方針であることを伝えた。同時に啓発するチラシやのぼりを配布しています」と危機管理課はいう。犯罪多発施設に対し、自主的に防犯活動に取り組むよう呼びかけている。

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 自転車盗ワーストランキング公表の試みは、千葉県警や愛知県警などの取り組みがモデルになる。千葉県警では23年2月から公表を始めたところ、千葉県内の自転車盗が半期で前年の同期に比べて1400件減った。名前が挙がった施設はポスターを掲示したり警備員の巡回を増やしたりと自主的に防犯対策を進めたという。

 危機管理課は「警察の取り組みを参考にしましたが、自治体主導で取り組むのは全国でも珍しいそうで、万引のランキング公表は全国で初めてです」と説明する。そして、「これまでは駅前などで啓発活動を行ってきましたが、やはり犯罪多発箇所である施設の協力なしには限界があります。ランクインした施設が『汚名返上』のつもりで自主的に対策し、住みよい草津になっていってほしい」と期待をかけている。

(MSN産経ニュースwestより)

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