バイクインプレッション2020OCLV800採用でブラッシュアップ トレック「マドンSLR」

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 トレックのエアロロード「マドンSLR」がブラッシュアップを果たし、2021年モデルとして登場した。大きなトピックはメインに使用されているカーボン素材がOCLV800に変更になったこと。軽量化を果たしたレーシングバイクを実走レビューする。

走りに磨きがかかったトレック「マドンSLR」 Photo: Masami SATOU

 オールラウンダーとして数々のビッグレースで戦績を残してきたマドンは、2015年に登場した世代を機にエアロロードへ大きく舵を切った。2018年のモデルチェンジには、振動吸収機構のIsoSpeed(アイソスピード)にダンパーを装備。サイズごとの性能の差異も解消され完成度を高めていた。

振動吸収機構のISOスピードは健在 Photo: Masami SATOU
メインの素材にはOCLV800を使用 Photo: Masami SATOU

 今回、2021年モデルとして登場した新マドンSLRは、トレック独自のカーボン「OCLV」を700番台から800番台へと引き揚げ、よりハイスペックな素材を使用している。OCLV700比で30%強度が高いOCLV800を用いることで、素材を減らすことが可能になった結果、フレームで80gの軽量化を果たした。また、BBをT47BBに変更することで、メンテナンス性能と固定力を高めている。サイズ展開に47cmが加わり、小柄なサイクリストや女性でも選べるようにもなった。

パワー温存に生かしたい走りの軽さ

 新型マドンSLRの54サイズの重量を測ってみると、ペダル込みの実測で7.0kgであった。アイソスピードやボリュームのあるフレームを考慮すると優秀といえるだろう。ダイエットを果たした効果は走りにも表れていた。

 平地や下りでは言わずもがな、抜きんでたエアロ性能と安定性が光る。数センチ高いリムハイトのホイールを装着しているかの如く、すーっと吸い込まれるように前へと進む感覚が病みつきになる程だ。高い速度域で走行中、パワーを入力しても、車体を振っても不安な印象は感じさせない。大船に乗ってクルージングしているかのようなコンフォート性能もある。これはアイソスピードが生きているのだろう。

得意なハイスピード域のスペックはそのままに、登坂性能を向上させ、さらに万能なレーサーへ進化 Photo: Masami SATOU

 上り坂に差し掛かると、勢いそのままに駆け上がることができた。前作と比較すると軽快さは向上している。また、パリッと乾いた感触が拍車をかけ、サクサクとしたダンシングもでき、持続時間もより長く取れたように思える。

 一方、先日登場した「エモンダSLR」と比べるとやはり登坂性能では一歩後退する。体重の軽いヒルクライマーであればこちらが好みのサイクリストが多いだろう。しかし、高速域からの伸びはマドンSLRに軍配が上がる。軽量化を果たせどマッシブな剛性感は健在だ。どちらが優れているかはシチュエーション次第だが、「とにかくパワーで勝負したい」というライダーにはマドンがおすすめ。今回、軽量化を果たしたことで、きっとそのパワーを温存を後押ししてくれるはずだ。

■トレック「マドンSLR9」

価格:1,297,000円
サイズ:47、50、52、54、56、58、60
カラー:ネイビーカーボンスモーク/ヴァイパーレッド、ネイビーカーボンスモーク/ブルーマットオニキスカーボン※プロジェクトワン対応
実測重量:7.0kg(ペダル込み)

松尾修作

サイクリスト編集部員。10代からスイスのUCIコンチネンタルチームに所属し、アジアや欧州のレースを転戦。帰国後はJプロツアーにも参戦し、現在は社会人チーム「Roppongi Express」で趣味のレースを楽しむ。JBCFのカテゴリーはE1。数多くのバイクやパーツを試してきた経験を生かし、インプレッション記事を主に担当している。

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