様々なキャンプスタイルも紹介手軽に始める自転車&キャンプ その魅力からキャンプサイトの探し方まで

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 自転車の楽しみ方として、キャンプと組み合わせた「自転車&キャンプ」がにわかに注目を集めています。興味はあっても、何から揃えたらいいのかわからないという人も少なくはないのではないでしょうか。ここでは、その魅力から、キャンプスタイル、揃えるべきアイテム、キャンプサイトの探し方など、手軽に自転車&キャンプを始めるための方法について、キャンプツーリングの達人・山下晃和さんに紹介いただきます。

自転車キャンプは公共交通機関を利用でき、機動力が高く、積載までパズルのように楽しめるところも魅力。様々なスタイルとあわせて、幅広い魅力と楽しみ方、必要なアイテムなどを紹介していきます Photo: Akikazu YAMASHITA

自転車&キャンプの最大の魅力

 自転車&キャンプは、国内であれば1日で「愛車と自分の好きなキャンプ場へ行ける」というところが最大の魅力です。

 例えば、東京に住んでいる人が北海道へキャンプしに行きたいと思ったら、自分の車やオートバイであれば一日中走らせてようやく到着するか、飛行機に乗って、現地でレンタカーなどでキャンプ場に行くことが現実的だと思いますが、飛行機輪行をすれば、朝に家を出ても午前中にはお気に入りのキャンプ場に着くことが可能です。そして、テントを設置して、愛車をそばに、目の前に広がる絶景を楽しむこともできます。

飛行機とバスを乗り継いで15分ほど走ったら、この絶景という沖縄自転車キャンプツーリングの旅 Photo: Akikazu YAMASHITA

 今は新型コロナウイルスの感染拡大で海外になかなか行けないのですが、日本国内だけにとどまらず、地球上のどこへでも愛車を連れてキャンプができます。公共交通機関をプラスすればあらゆるところへ行けてしまうのです。自転車キャンプを段階的に極めていけば、そこまでのことも夢ではなくなります。

飛行機輪行を使えば、地球上のどこへでも愛車を連れてキャンプができます。自分の車やバイクではなかなか難しいでしょう Photo: Akikazu YAMASHITA

 自分の足でキャンプ場まで行くことができるのも魅力です。道中のツーリングが楽しめます。都会からだんだんとのどかな景色に変わっていくところやローカルとの出会いなどもスピードが遅い分、たくさん発見できます。

自転車ならではの楽しみ

 最近のキャンプスタイルについても触れておきましょう。ここ数年、1人でキャンプをするソロキャンプやソロ同士が集まってキャンプするソログループキャンプが大流行しています。

 以前は大きなテントに仲間同士が寝るというスタイルがキャンプでしたが、「個食個泊スタイル」といって、それぞれがテント、寝袋、マットを持ち、料理なども個人的に用意するという今の時代にマッチしたスタイルが流行になっています。その移動手段として、モーター付きのバイクや自転車などの2ホイール系の乗り物は機動力を生かすことができるのです。

ここ数年で大型のサドルバッグの種類が増え、防水性能や軽量化も著しく、バイクパッキングが簡単にできるようになっています。サドル側に重いものを積むことと振れが少なくなります Photo: Akikazu YAMASHITA

 さらに、これらの2ホイールの乗り物はある程度、積載が限られるというところも面白いところです。車であれば積載できる容量が大きいため、巨大なテント、寝袋、マット、二口ある調理器具であるツーバーナー、鉄製の大きな鍋であるダッチオーブン、大きな焚き火台、明るくて大きなガスランタンなどなど。好きなアイテムを好きなだけ積める良さがありますが、その分、積載に関して頭を悩ませることがなくなるため、積載術を考えなくなってしまいます。

 その点、自転車の場合は、重くなればダイレクトに自分の大腿四頭筋や心肺機能にダメージを与えますし、コンパクトにならないとバッグの中に収めることさえもできないので、パズルを組み立てるような積載の工夫が必要になってきます。これを楽しめることも魅力だと言えるでしょう。テクニックはあっても、正解はない、奥深い楽しみがあるのです。

 また、重いキャンプ道具を積載した自転車はコントロールが難しく、ライディングテクニックを要するので、自転車の重心を意識するようになり、操るのが上手になっていくというメリットもあります。

初めての人はどうしたらいい?

 それでは、自転車&キャンプを始めるにあたって何を揃えればいいのでしょうか。いろいろと調べていくうちに、初めての人はコスト的なところにハードルを感じるかもしれません。自転車&キャンプでオススメされているテント、寝袋、マットを見ると、値段が高いので尻込みをしてしまいそうです。

 しかし、コストのハードルを気にしなくても始めることはできます。天気が良くて、気温が20℃以上あれば、正直これらがいっさいなくても外で寝ることはできます。ブルーシートやレジャーシートがあれば昼寝はできます。プライベート空間がなくても気にならなければ、ハッキリ言って何でもいいのです。

ニンジャタープを使った宿泊スタイル。うまく工夫すればブルーシートでも作れるでしょう Photo: Akikazu YAMASHITA

 テント、寝袋、マットが必要となる場面は、気温が低下してくる秋から冬、そして気圧の変化が激しく雨や風が強い日の時です。そうしたアイテムも、ホームセンターやアマゾンで売っている中華系ブランドの物でもなんら問題なく、調べたところ1万3000円あれば、すべてが揃えられるようないい時代です。昔はそうした物がなくて、しっかりした物を揃えると最低でも3万円くらいかかったものです。

高くてもアウトドアブランドのものがいい理由

 では、なぜ、アウトドアブランドの物が使われているのかと言ったら、それは日本が気象的にも雨が多く降り、雪が降り、風も強い島国なので、耐水圧という雨にどれだけ強いか、ポールの形状が強風にどれだけ耐えられるかというところを長年かけてテストしているという信頼があるからだと思います。

 また、アフターパーツの充実具合や修理を受けてくれる窓口があるということも大きいでしょう。快適に長く楽しむのであれば、アウトドアブランドに軍配が上がります。僕はモンベルの寝袋を17年愛用していて、洗濯はしているものの保温性の低下やほつれはまったくありません。

 ちなみに、最初のうちはレンタルという手もあります。僕は他人にアウトドア道具を貸すことが非常に嫌いなのでめったに貸しませんが、「そらのした」というアウトドアギアのレンタルサイトがあるので、そこを活用するのもありでしょう。

 なお、そもそも自転車&キャンプを始める予算がない人は、自分のお財布事情を見直すことをオススメします。携帯電話を格安SIMにするとか、日々の食事代を節約するとか、サブスクリプションサービスなどの支出の見直しをしたり、副業を始めたり、YouTubeやSNSの活用で新たなマネタイズを見つけたり、動画編集を遊びから本格的に仕事にしたりして新たな収入源をつくるといった取り組みをしてみてはいかがでしょうか。やり方は無限にある時代なので、始めたい趣味と並行して勉強しましょう。これらの趣味を通して動画にして収益を出していくやり方もありだと思います。

デイキャンプ、車載でのキャンプの楽しみ方

琵琶湖が見渡せる芝生でデイキャンプ、火器を持っていなければ、むしろピクニックです Photo: Akikazu YAMASHITA

 自転車&キャンプといった場合、いくつかのスタイルがあります。まずは、初心者でも始めやすい、デイキャンプ、車載でのキャンプについて紹介します。

 自分の場合はデイキャンプでは、自転車で走るほうを重視してしまうので、最低限のバッグしか付けないと思います。キャンプ道具がないと3kg以上の軽量化になります。もし、距離を走りたくないのであれば、バックパックでもよいと思います。レジャーシートか、ヘリノックスやクレイジークリークなどの折り畳み椅子があると、キャンプをしているという雰囲気をグッと高めてくれるでしょう。

 あとは、大自然の中で本を読むのが好きなので、文庫本か、スマホに入っている本や雑誌を読むこともあります。綺麗な景色を見ながら音楽観賞(僕は主にHIPHOPを聴きます)をしたり、スマホのゲームをやるときもあります。ほぼ家でやっている趣味を外でやることで、とても解放的になります。今は新型コロナウイルス感染の不安があるので、1人でアウトドアをしたほうが安心感があるかもしれません。ペットボトルやサイクルボトルにお気に入りのドリンクを入れて側に置いておくのも気分が上がります。

 少し踏み込んだことをやるのであれば、シングルバーナーでお湯を沸かしてコーヒーを飲んだり、カップラーメンを食べたりするのも最高です。川のせせらぎや鳥のさえずりをBGMにすると、家で食べるラーメンよりも10倍増しで美味しく感じるでしょう。

 自転車を車載してキャンプの場合も、自転車で走ることを重視します。車から自転車を下ろしたあとグーグルマップで、カフェやお店を検索してルートを決め、円を描くようなサイクリングルートにするとよいです。キャンプサイトにすべて置いておけるのでこちらも最低限のバッグしか付けないでしょう。

 また車載のキャンプであれば急な雨の場合はテント泊から車中泊に切り替えればいいので保険にもなると思います。

小径折り畳み自転車のBirdyを車載してのキャンプツーリング。キャンプ場でのんびりするのでは飽きてしまうアクティブ派の人に小径車はオススメ Photo: Akikazu YAMASHITA

自走の自転車&キャンプの場合

 自走で行く場合は、前述の通り、テント、寝袋、マットをうまく積載しなくてはなりません。また寒い時期だと衣類等も多くなります。逆に言えば、これだけうまく積載できれば成立します。

 ただ、僕は本業がモデルなので、歯磨き、コンタクトレンズ、汗拭きシート、日焼け止め、化粧水、乳液、オーデトワレ、デオドラント剤、髭剃り、ハンドクリーム、目薬などの身支度パックをPUEBCOというブランドの化粧ポーチに入れて旅をします。これだけで415gになりますが、これは仕事道具なので一つも外すわけにはいきません。

テント、寝袋、マットが揃えば、どこでも、あなただけの絶景ホテルができあがり。伊豆大島のトウシキキャンプ場(無料)。五つ星の絶景が無料で見られるなんて最高です! Photo: Akikazu YAMASHITA

 そして、自転車キャンプを始めたいという人に一つアドバイスをするならば、少しずつキャンプ道具を買い足そうとするよりは一気に3種の寝具(テント、寝袋、マット)を買うことをオススメします。自転車でもフレームだけ用意して、あとでパーツを買い揃えようとするといつまでたっても乗れないのと一緒で、完成車を買うことではじめて走り出すことができます。そこから試行錯誤が始まって、クランクや、ハンドルを替えたりするカスタムが始まります。

 まずは3種の寝具を買ってから、どこを軽量化させるかコンパクトにするかといった試行錯誤が始められるのです。

どこでキャンプすればよいのか?

 最後に、どこでキャンプをしているかについて触れます。北海道などであれば無料で泊まれるキャンプ地も多くありますが、まず最初の一歩は「施設が整ったキャンプ場」でやる方が色々と見えてくると思います。綺麗なトイレ(中にはウォシュレットもあるところも)、お湯が出る水場(手洗い、皿洗い、飲料水確保など)、それとシャワーやお風呂などがあるところです。

トイレも異次元の綺麗さ、お風呂は内風呂があり、水場も完備、各所にゴミ箱もあり、売店にはペグ一本まで置いてある、ログハウスもあるので逃げることも可能、快適過ぎるキャンプ場の三重県いなべ市にある青川峡キャンピングパーク 。もちろん乗り入れ可。自転車に優しいライダーズサイトもあり Photo: Akikazu YAMASHITA

 強いて言えば、オートキャンプ(自動車を使ったキャンプ)の料金設定だけでなく、モーターサイクルや自転車などのライダーズサイトの料金設定があるキャンプ場がお得です。自転車キャンプであれば1泊1000円から3000円くらいが相場でしょう。現在は、インターネットを使えばどんなロケーションなのかもすぐ分かります。キャンプ場は山間にあることが多いのですが、その場合は上りの連続になることもあるので、町に近いこと、コンビニやスーパーなどの買い出しが近いことなどもグーグルマップなどで調べておくと安心です。

 こちらの「GARVY PLUS」のサイトでは、検索で施設のアイコンが見やすいだけでなく、ここからネット予約もできるので、お勧めです。

 モーターサイクルや車の場合は、キャンプサイトへの乗り入れが制限されるところもありますが、自転車は乗り入れできるところがほとんどです。そのまま受付まで行ってチェックインできます。

Photo: Akikazu YAMASHITA

 なお、キャンプ場は芝生、砂利道、土道などの不整地の地面がほとんどなのでロードバイクでは転倒の可能性が高くなります。特に雨の日の土道はロードバイクだとかなり滑るので降りて歩いた方が無難でしょう。太いタイヤやブロックパターンのタイヤが付いたグラベルロードやMTBがキャンプに向いているのはこういった路面に強いからです。

 次回は装備についてもっと深堀りしていきます。

山下晃和(やました・あきかず)

タイクーンモデルエージェンシー所属。雑誌、広告、WEB、CMなどのモデルをメインに、トラベルライターとしても活動する。「GARVY」(実業之日本社)などで連載ページを持つ。日本アドベンチャーサイクリストクラブ(JACC)評議員でもあり、東南アジア8カ国、中南米11カ国を自転車で駆けた旅サイクリスト。その旅日記をもとにした著書『自転車ロングツーリング入門』(実業之日本社)がある。趣味は、登山、オートバイ、インドカレーの食べ歩き。ウェブサイトはwww.akikazoo.net

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