ブエルタ・ア・エスパーニャ2020 第18ステージブエルタ最終日はアッカーマンがスプリントを制す ログリッチは総合2連覇を達成

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 ブエルタ・ア・エスパーニャ2020の第18ステージが11月8日に開催され、パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が集団スプリントを制してステージ優勝を飾った。この日、無事に集団内で完走したプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)が総合2連覇を確定させた。

スプリンターたちのバトルを制したのはアッカーマン(左) ©PHOTOGOMEZSPORT2020

パレード走行からの周回コース

 翌第18ステージは、サルスエラ競馬場からマドリードまでの139.6kmで争われた。前半は細かいアップダウンがあるものの概ね平坦路を経て、残り35kmを切ってからマドリードの中心地に到達し、1周6kmの周回コースを5周半してフィニッシュするコースレイアウトだ。

前半はパレード走行。ユンボ・ヴィスマがチーム全体横並びで個人総合優勝を祝福 © Unipublic/Charly López

 ツール・ド・フランスの最終日と同様に、前半の100kmほどは実質的にパレード走行となっていた。総合優勝を決定的にしているログリッチ擁するユンボ・ヴィスマを先頭に、ゆるやかにレースは進行した。

 残り35kmを切る頃には、ユンボ・ヴィスマ以外にもUAE・チームエミレーツ、ドゥクーニンク・クイックステップ、ボーラ・ハンスグローエといったスプリンターを擁するチームが集団前方に位置し、集団のペースも徐々に上がっていき、いよいよ本格的にレースが始まる雰囲気が高まってきた。

レース後半は徐々にスピードを上げる。まずはリーダーチームがコントロール © Unipublic/Charly López

 周回コースに入ると、集団からティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)が飛び出した。ウィレム・スミット(南アフリカ、ブルゴス・BH)が追従した。

 先行した2人が中間スプリント地点を通過すると、3番手通過を狙ったゴンサロ・セラノ(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)と、やや遅れて集団からブリッジを試みたドミトリー・グルズジェフ(カザフスタン、アスタナ プロチーム)の2人が、先頭2人に合流。計4人の逃げ集団が形成された。

スプリントに向けスプリンターチームが主導権を握る © Unipublic/Charly López

 集団スプリントに持ち込みたいスプリンターチームが中心となってコントロールするメイン集団は、逃げ集団とのタイム差は最大でも20秒程度に抑えていた。

 そして、残り6.2km地点で逃げの4人は吸収。スプリントに向けて、集団は最終周回に突入した。

アッカーマンがベネットを僅差で退ける

 ドゥクーニンクが集団先頭をキープしているなか、残り3.5km地点からチーム サンウェブが集団先頭に上がってきた。ところが、道幅の広い直線路が続くため、すぐにドゥクーニンクやUAEに主導権を握り返される状況だった。

 さらに残り2km付近ではミッチェルトン・スコット、ボーラが前に出てきており、集団先頭の確保を巡って激しい位置取り争いが繰り広げられていた。

 ラスト1kmのアーチを先頭でくぐり抜けたのはボーラだった。エースのアッカーマンに加えて、3人のアシストを引き連れた万全の構えだ。だが、ボーラの背後にはドゥクーニンクのサム・ベネット(アイルランド)、UAEのジャスパー・フィリプセン(ベルギー)と続いている状況。

 残り300m、緩やかに左にカーブするコースのイン側からUAEの発射台が先頭を抑えるものの、すでにスピードの上がっていた集団からアッカーマンがスプリントを開始。付き位置のベネットもすぐさまアッカーマンを抜きにかかり、アッカーマンの真横に並んだ。

 サイドバイサイドのまま両者フィニッシュラインに到達。レースの行方は写真判定へともつれ込み、最終的にホイールのリム半分程度の僅差の末、アッカーマンが勝利。大会2勝目を飾った。

無事ゴールして、2年連続の個人総合優勝が確定したログリッチ © Unipublic/Charly López

ログリッチ2連覇、マスは悔しい新人賞

 ログリッチは無事に集団内でフィニッシュ。昨年大会に続く総合2連覇を確定させた。同時にログリッチはポイント賞のマイヨプントスも確定。こちらも2年連続での獲得となった。

 総合2位は2019年ジロ・デ・イタリア総合優勝以来のグランツール表彰台となるリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)、総合3位は初のグランツール表彰台となるヒュー・カーシー(イギリス、EFプロサイクリング)となった。

個人総合上位3人。(左から)2位のカラパス、優勝のログリッチ、3位のカーシー © Unipublic/Charly López

 新人賞のマイヨブランコは総合5位のエンリク・マス(スペイン、モビスター チーム)が獲得。しかし、マスは2018年に総合2位の経験があるだけに、本人にとっては納得できる結果ではない様子だった。

 山岳賞のマイヨモンターニャはギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)が獲得。2位以下に65点差をつける圧勝劇となり、マルタンにとってはグランツールでは初めての特別ジャージ獲得となった。

各賞の表彰。(左から)新人賞のマス、総合優勝とポイント賞のログリッチ、山岳賞のマルタン © Unipublic/Charly López

 ブエルタ最終ステージをもって、2020年シーズンのワールドツアーは閉幕。2021年シーズンは、1月のツアー・ダウンアンダーとカデルエヴァンス・グレートオーシャンロードレースが開催中止となったため、2月21日から開催のUAEツアーがワールドツアー開幕戦となる見込みだ。

第18ステージ結果
1 パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) 3時間28分13秒
2 サム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ) +0秒
3 マックス・カンター(ドイツ、チーム サンウェブ)
4 ジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAE・チームエミレーツ)
5 ヤシャ・ズッタリン(ドイツ、チーム サンウェブ)
6 エマヌエル・モラン(フランス、コフィディス)
7 レイナルト・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、NTTプロサイクリング)
8 ロレンゾ・マンザン(フランス、トタル・ディレクトエネルジー)
9 ロバート・スタナード(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)
10 ヨン・アベラストゥリ(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)

個人総合(マイヨロホ)
1 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) 72時間46分12秒
2 リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) +24秒
3 ヒュー・カーシー(イギリス、EFプロサイクリング) +1分15秒
4 ダニエル・マーティン(アイルランド、イスラエル・スタートアップネイション) +2分43秒
5 エンリク・マス(スペイン、モビスター チーム) +3分36秒
6 ワウト・プールス(オランダ、バーレーン・マクラーレン) +7分16秒
7 ダビ・デラクルス(スペイン、UAE・チームエミレーツ) +7分35秒
8 ダヴィ・ゴデュ(フランス、グルパマ・エフデジ) +7分45秒
9 フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) +8分15秒
10 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +9分34秒

ポイント賞(プントス)
1 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) 204 pts
2 リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) 133 pts
3 ダニエル・マーティン(アイルランド、イスラエル・スタートアップネイション) 111 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス) 99 pts
2 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) 34 pts
3 リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) 30 pts

新人賞(マイヨブランコ)
1 エンリク・マス(スペイン、モビスター チーム) 72時間49分48秒
2 ダヴィ・ゴデュ(フランス、グルパマ・エフデジ) +4分9秒
3 アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ プロチーム) +6分0秒

チーム総合
1 モビスター チーム 218時間37分21秒
2 ユンボ・ヴィスマ +10分23秒
3 アスタナ プロチーム +40分9秒

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UCIワールドツアー ブエルタ・ア・エスパーニャ2020 ロードレース

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