前回の3倍を超える来場者数「BIKE & CAMP FES」に3500人超のサイクリストが集結 マストアイテムは自転車と焚火台

by 後藤恭子 / Kyoko GOTO
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 自転車とキャンプをテーマにしたツーリングフェスタ「BIKE & CAMP(バイク&キャンプ)FES 2020」が10月31日(土)、11月1日(日)の2日間にわたり、茨城県つくば市にある「つくばワイナリー」で開催された。晴天の秋空に恵まれた会場には、完全装備のベテランソロキャンパーから、グループやファミリーで参加したキャンプサイクリスト、日帰りで訪れたサイクリストまで、総勢3564人が来場。集まった参加者はツーリング用バイクの試乗や最新のキャンプギアのチェック、様々なワークショップや地元グルメ、そして一晩のキャンプイベントを満喫した。

快晴の秋空の下、自転車キャンパーが自慢の装備で「BIKE & CAMP」に集結! Photo: Kyoko GOTO

多種多様なツーリングスタイルが勢揃い

 同イベントが開催された「つくばワイナリー」は旧筑波鉄道の廃線敷を利用した茨城県の自転車専用道路「つくば霞ヶ浦りんりんロード」(以下、りんりんロード)のコースからほど近く、そのアクセスの良さからJR土浦駅まで輪行してイベント会場までりんりんロードをサイクリングしてくる人、自宅から会場まで自走した人、さらに会場まで自転車ごと直接クルマで乗り付ける人等、様々な方法で多くのサイクリストたちが脚を運んでいた。

BIKE&CAMPの会場。キャンプ泊以外は参加料無料で、検温、消毒、感染対策アプリ「いばらきアマビエちゃん」の登録をした方は出入りも自由 Photo: Kyoko GOTO
会場となったつくばワイナリー。「つくば霞ヶ浦りんりんロード」からほど近く、アクセスも良好 Photo: Kyoko GOTO
用意していた駐輪バーから自転車が溢れる盛況ぶり Photo: Kyoko GOTO

 来場者のスタイルも多種多様で、自転車の種類でいえばクラシカルなパニアスタイルのランドナーをはじめ、バイクパッキングスタイルのMTBやロードバイク、荷物満載のe-BIKEやリカンベント、荷物をコンパクトにまとめた小径車等、様々なバリエーションのツーリングスタイルが勢揃い。会場に集まった参加者一人一人が、まるでモデルのような様相を呈していた。

千葉県柏市から自走してきた浦上禳さん親子(左)と金子幸司さん親子。子供たちもこの荷物で50kmの道のりを完走! Photo: Kyoko GOTO

 参加形態もベテラン・ビギナーのソロキャンパー、ファミリー、カップル、友人同士等と様々だったが、特筆すべきは女性が参加者全体の2割を占めたという点。中には「キャンプ旅をしたくてロードバイクを始めた」という女性ペアもいた。

つくば市内から参加した熊谷優さん。実は初キャンプだそうで「これからもっとキャンプを楽しみたい。次回はもう少し荷物を減らそうかな…」とのこと Photo: Kyoko GOTO
西東京市から来た「20SEP 20」さん(左)と、埼玉・浦和市から来た千葉沙恵子さん。キャンプをやりたくてロードバイクを始めたばかりという女性ペア。今回もそれぞれ全行程自走 Photo: Kyoko GOTO
「Sico Bicycle Service」の代表、佐々木至高さん。「Xtracycle」の「Free radicak Kit」で手持ちのMTBをロングテール化し積載力をアップしていた。会場では子供たちにせがまれて試走コースを周回 Photo: Kyoko GOTO
ブロンプトンで参加していたグループのキャンプサイト。ブロンプトンユーザーは比較的女性の姿が目立った Photo: Kyoko GOTO

約90ブランドが一堂に出展

 約90もの出展ブースが一堂に会した会場では、自転車メーカー各社が最新のグラベルバイクやMTBの他、注目のe-BIKE等を試乗車として出展。試乗回数が2日間で延べ330件に上るほどの盛況ぶりを見せていた。

メリダのブースはオフロードバイクの「SILEX」シリーズ等を試乗車として出展 Photo: Kyoko GOTO
ホダカのブースでは「NESTO」のグラベルロード「GAVEL」を展示 Photo: Kyoko GOTO
e-MTBがパワフルな存在感を放っていたBESVのブース Photo: Kyoko GOTO
最新バイクの中で、伝統的なフランス風ツーリングスタイルの雰囲気を漂わせていたクロモリバイク「アプレ」 Photo: Kyoko GOTO

 自転車メーカーだけでなく、自転車ツーリングに必須の「U.L」(ウルトラライト)なキャンプギアを並べたアウトドアブランドのブースも来場者たちの熱い視線を集めていた。

総合アウトドアブランドのモンベルも軽量テントを中心に展示 Photo: Kyoko GOTO
ポール要らずのユニークなタープ使い。夏ならこれでもOK? Photo: Kyoko GOTO

 中でも注目を集めていたのが2011年に誕生した日本のU.Lブランド「PAAGOWORKS」(パーゴワークス)の軽量テント「NINJA」シリーズ。軽量性・機能性はもちろん、長さ調整可能かつ短く折りたためるテントポール等、収納面も考えられた設計で、荷物の積載に頭を悩ます旅サイクリストの心を捉えていた。

“ウルトラライト”ファンの間で話題のブランド「パーゴワークス」のブース。画像はユーザーのアイデア次第で変幻自在の設営が可能な「NINJAタープ」と、製品について説明する代表の斎藤徹さん Photo: Kyoko GOTO

盛りだくさんのワークショップやフードコーナー

 出展ブースの他に、会場ではアウトドアコーディネーターによるガスバーナーを使ったキャンプ料理のワークショップや、地元の自転車ショップのガイドによるグラベルライドイベント等の催し物が開催された。

アウトドアコーディネーターの小雀陣二さんによるワンバーナークッキングのワークショップ Photo: Kyoko GOTO

変わり種の自転車を試乗して楽しむ参加者 Photo: Kyoko GOTO
地元の自転車ショップ「TAS CYCLE」のガイドによるグラベルライドイベントに出発する参加者 Photo: Kyoko GOTO
会場中央では子供たちが楽しんで学べるJCTA主催の自転車教室が行われていた Photo: Kyoko GOTO

 フードコーナーも地元の店舗が並び、中でも茨城県を代表する人気のクラフトビール「常陸野ネスト」や、かすみがうら市のクラフトビール「BASSRISE」は汗ばむ陽気も影響し、テントサイトでのんびりくつろぐキャンパーたちを中心に人気を集めていた。

茨城といえばこれ!クラフトビールが人気の「常陸野ネストビール」も出店 Photo: Kyoko GOTO
地元のパン工房「クーロンヌ」。「サイクリストの皆さんが片手でもたくさん食べやすいように」との商品ラインナップ Photo: Kyoko GOTO

ハンバーガーやケバブ、タコライス、茨城特産の焼き芋等、フードの種類も充実 Photo: Kyoko GOTO
のんびり仲間とキャンプサイトでくつろぐキャンパーの姿も。過ごし方はそれぞれ Photo: Kyoko GOTO
つくばワイナリーで購入したワインもキャンプ泊ならじっくり堪能できる Photo: Kyoko GOTO

お楽しみはこれから「夜の部」

 初日のイベントが終了した午後3時以降、160人のキャンプ泊客のみとなった会場では、陽が傾くにつれてあちこちから煙が上がり始めた。軽量化が必要な自転車キャンプといえ焚火はマストなようで、各自選りすぐった焚火台と、無料配布された薪を割るための鉈や大型のナイフを持参し、夜の冷え込みに向けて暖をとる準備を始めていた。

午後4時を過ぎた頃、それぞれのテントで焚火が始まった Photo: Kyoko GOTO

一家に一本、ならぬ一テントに一鉈。もはや自転車キャンパーの常識? Photo: Kyoko GOTO
夜の闇に覆われるキャンプサイトを満月と焚火の灯りが仄明るく照らす。この日会場で用意されたた薪はあっという間になくなった Photo: Kyoko GOTO

 キャンプ宿泊者のみが参加できる「夜の部」は、アウトドアカフェ「水道橋BASE CAMP」オーナーの​A−SUKEさんによる焚火ワークショップでスタート。木の特性を利用した薪の選び方や燃焼効率を高める薪の組み方、牛乳パックを着火剤として使う裏技等、自転車イベントでは聞けない話に参加者たちは熱心に聞き入っていた。

アウトドアカフェ「水道橋BASE CAMP」オーナーの​A−SUKEさん(右) Photo: Kyoko GOTO
協賛企業からの協賛品によるチャリティーオークション。ありえない特価に会場もヒートアップ Photo: Kyoko GOTO

 また、協賛企業からの協賛品によるチャリティーオークションでは、パニアバッグや寝袋、自転車のハンドルや焚火台等、およそ100点ものアイテムが出品され、勢いよく競り落とす声に会場の熱気もヒートアップしていった。なお、売上金はNPO法人「海外に子供用車椅子を送る会」に全額寄付されるという。

 さらにイベントの夜を盛り上げる花火も打ち上げられた。コロナ禍の影響で久々に見る花火、しかも満月との偶然のコラボとあって参加者からは歓声があがっていた。キャンプ宿泊者の参加料は2000円だが、「イベントもキャンプも焚火も楽しめて、オークションに参加できて、おまけに花火も見れるなんて最高!」と大満喫している様子だった。

土浦市の応援企画で打ち上げられた花火。満月との偶然のコラボに会場から一際大きな歓声があがった Photo: Kyoko GOTO

 同イベントのオーガナイザーを務めたのは、『Cyclist』の人気連載『ツーリングの達人』の執筆者としてもおなじみの山下晃和さん。今回は3年目にして5回目の開催となる。

実行委員長を務めた山下晃和さん Photo: Kyoko GOTO

 「昔は4パニア(ホイールの前後輪の両サイドにパニアバッグを搭載するスタイル)だけだった旅のスタイルも、ギアの軽量化とともにバイクパッキング等新しいスタイルが広く定着してきました。その影響もあって、自転車キャンプを楽しむ人がとても増えていると実感しています。

 ロードバイクでも普通にキャンプツーリングが楽しめるし、経験値を積んで自分に合うスタイルを選べる時代になっています。そのためのキャンプギアやアイテムを知る機会として、このイベントを活用してもらえれば」と話している。

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