ブエルタ・ア・エスパーニャ2020 第8ステージログリッチが圧巻の走りで山岳ステージ2勝目 カラパスはマイヨロホを守るもリード縮小

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 ブエルタ・ア・エスパーニャ2020の第8ステージが10月28日に開催され、今大会3回目の山頂フィニッシュとなったステージをプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)が大会2勝目となるステージ優勝を飾った。総合首位のリチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)は区間2位に入り、マイヨロホは守ったものの、総合2位に浮上したログリッチとはタイム差を詰められる結果となった。

ログリッチが今大会2勝目で個人総合も2位に浮上 ©PHOTOGOMEZSPORT2020

平均9.2%の難関山岳で総合争い激化

 第8ステージはログローニョからアルト・デ・モンカルビリョまでの164kmで争われた。後半に2級山岳プエルト・デ・ラ・ラサ(登坂距離9.8km・平均勾配5.3%)を越え、最後は1級山岳アルト・デ・モンカルビリョ(登坂距離8.3km・平均勾配9.2%)の頂上へとフィニッシュするコースレイアウトだ。

逃げグループが形成 © Unipublic/Charly López

 レーススタート後、何度かアタック合戦を経て7人の逃げが形成された。メンバーはレミ・カヴァニャ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)、ルイ・コスタ(ポルトガル、UAE・チームエミレーツ)、ロバート・スタナード(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)、スタン・デウルフ(ベルギー、ロット・スーダル)、ベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、NTTプロサイクリング)、ジュリアン・シモン(フランス、トタル・ディレクトエネルジー)、アンヘル・マドラソ(スペイン、ブルゴス・BH)だった。

 メイン集団に対して最大5分程度のリードを築いてレースは進行した。

メイン集団はリーダーチームのイネオス・グレナディアーズがまずコントロール © Unipublic/Charly López

 2級山岳プエルト・デ・ラ・ラサに入ると、モビスター チームがメイン集団を積極的にペースアップ。逃げ集団とのタイム差を縮めつつ、集団の絞り込みを図った。

 ダウンヒル区間、続く1級山岳へ至る平坦路もモビスターが集団コントロールをにない、逃げとのタイム差をじりじりと詰めていった。

 1級山岳アルト・デ・モンカルビリョに近づくにつれ、上りが厳しくなる区間も増えていき、先頭集団はダイボールとデウルフのみが粘る状況に。しかし、1級山岳に入ってすぐの残り7.5km地点で2人は吸収された。

ログリッチ猛攻実って区間2勝目を飾る

 集団は相変わらずモビスターの支配下にあったが、残り6km付近からロベルト・ヘーシンク(オランダ)が先頭に立ち、ユンボ・ヴィスマがコントロールを開始した。

 残り5km地点からは、前日にステージ優勝を飾ったマイケル・ウッズ(カナダ、EFプロサイクリング)が先頭でペースアップ。チームメイトで総合2位のヒュー・カーシー(イギリス)を引き連れて、集団に揺さぶりをかけていった。

 すると、総合6位のフェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)、総合9位のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)らが集団から脱落。

ステージ11位だったバルベルデ。個人総合では8位に順位を上げた © Unipublic/Charly López

 残り3.6km、ウッズがけん引を終えるとカーシーがアタック。セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ)が追従。総合8位のエステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット)はここで脱落した。

 追走集団はマイヨロホのカラパス、総合3位のダニエル・マーティン(アイルランド)、総合4位のログリッチ、総合5位のエンリク・マス(スペイン、モビスター チーム)、アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナプロチーム)の5人のみとなった。

 残り2.6kmで追走5人が先頭2人に追いつくと、今度はカラパスがアタックし、ログリッチがピタリと張り付いた。やや距離をおいてカーシー、マーティン、ウラソフが追走し、3人はしばらくしてカラパス、ログリッチに追いついた。ここでマスは遅れてしまった。

 残り1.5kmでウラソフがアタック。総合では6分以上遅れているため、このアタックは一旦は見送られた。

 ラスト1kmのアーチをくぐったタイミングで、ログリッチがアタック。カラパスとマーティンがどうにか食らいつく一方で、カーシーは脱落。先行していたウラソフを捉えると、ログリッチがそのまま先頭でハイペース走行を継続。

総合首位を守ったカラパスだがリードは縮小 © Unipublic/Charly López

 すると、カラパスがカウンターアタックを仕掛ける。しかし、ログリッチは揺るがず、この動きを難なく対処。カラパスのペースが緩んだところで、今度はログリッチが3度目のアタックで、カラパスを一気に突き放した。

 フィニッシュまで一切後ろを振り返ることなく、走り抜けたログリッチが山頂へフィニッシュ。カラパスに13秒、マーティンに19秒、カーシーに33秒差をつけ、総合2位に浮上。第6ステージで失ったタイムを幾分か挽回することに成功した。

 翌第9ステージはカストリーリョ・デル・バルからアギラル・デ・カンポーへの157.7kmで争われる。道中はカテゴリー山岳が1つも設定されていない平坦ステージだ。第4ステージ以来となるピュアスプリンターたちの活躍の場が到来といえそうだ。

第8ステージ結果
1 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) 4時間7分8秒
2 リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) +13秒
3 ダニエル・マーティン(アイルランド、イスラエル・スタートアップネイション) +19秒
4 アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ プロチーム) +25秒
5 ヒュー・カーシー(イギリス、EFプロサイクリング) +33秒
6 ワウト・プールス(オランダ、バーレーン・マクラーレン) +35秒
7 エンリク・マス(スペイン、モビスター チーム) +54秒
8 セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ)
9 エスデバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット) +1分33秒
10 クレモン・シャンプッサン(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +1分37秒

個人総合(マイヨロホ)
1 リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) 32時間31分6秒
2 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) +13秒
3 ダニエル・マーティン(アイルランド、イスラエル・スタートアップネイション) +28秒
4 ヒュー・カーシー(イギリス、EFプロサイクリング) +44秒
5 エンリク・マス(スペイン、モビスター チーム) +1分54秒
6 フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) +3分28秒
7 エスデバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット)
8 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +3分35秒
9 マルク・ソレル(スペイン、モビスター チーム) +3分40秒
10 ワウト・プールス(オランダ、バーレーン・マクラーレン) +3分47秒

ポイント賞(プントス)
1 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)104 pts
2 リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) 81 pts
3 ダニエル・マーティン(アイルランド、イスラエル・スタートアップネイション) 73 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス) 27 pts
2 セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ) 24 pts
3 リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) 24 pts

新人賞(マイヨブランコ)
1 エンリク・マス(スペイン、モビスター チーム) 32時間33分0秒
2 ダヴィ・ゴデュ(フランス、グルパマ・エフデジ) +4分21秒
3 アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、アスタナ プロチーム) +4分58秒

チーム総合
1 モビスター チーム 97時間42分42秒
2 ユンボ・ヴィスマ +5分48秒
3 アスタナプロチーム +12分46秒

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UCIワールドツアー ブエルタ・ア・エスパーニャ2020 ロードレース

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