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リムブレーキもまだまだ現役「ツール・ド・フランス2020」の総合上位選手が駆った自転車は? 車種やコンポーネントを紹介

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 世界最大の自転車レース「ツール・ド・フランス」には、選手たちの走りを支える最高峰の機材が揃います。2020年大会はレース展開も盛り上がりましたが、選手を支えた機材も、例年以上に様々なものが活躍しました。今回は総合上位勢が駆ったバイクを紹介。トレンドや兆候も解説します。

ツール・ド・フランス2020で活躍した個人総合上位3人選手のバイクを紹介! ©️Yuzuru SUNADA

 ツール・ド・フランスは1903年から始まり、今年で107回目の開催を迎えました。沿道の観客数は1000万人を超え、テレビでは約35億人が視聴していると言われています。FIFAワールドカップ、オリンピックと並んで世界三大スポーツイベントの一つとも称されている、名実ともに世界最大の自転車イベントです。今年はコロナ禍の影響で開催が一時は危ぶまれましたが、時期を9月にずらして開催。無事に21ステージを終え、パリへと凱旋を果たしました。

100年以上の歴史を誇るツール・ド・フランス。選手の機材に毎年注目が集まる Photo: Yuzuru SUNADA

 選び抜かれた精鋭の選手たちは、アルプスやピレネーの険しい山岳、超ハイスピードのゴールスプリントなど、過酷な状況で最大限のパフォーマンスを発揮しなければなりません。当然、機材にも妥協は一切なく、メーカーは威信をかけた最新のフラッグシップモデルを投入し、選手たちの走りを支えています。

ツール最終日、マイヨジョーヌカラーに彩られたバイクを駆るタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAE・チームエミレーツ) Photo : Yuzuru SUNADA

 まずは総合上位選手のバイクを紹介しましょう。個人総合成績の結果は、接戦で迎えた最終局面の個人タイムトライアルで逆転劇を演じ、優勝を果たしたのがタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAE・チームエミレーツ)、プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)は惜しくも2位に、3位は健闘したリッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード)でした。

 ポガチャルを擁するUAE・チームエミレーツはイタリアのコルナゴがバイクを提供しています。車種は軽さとエアロ性能を両立した「V3-RS」を採用。総合力に長けたピュアレーシングバイクです。ディスクブレーキモデルをラインナップしているV3-RSですが、チームはリムブレーキを採用しています。

コルナゴ「V3-RS」 Photo : Yuzuru SUNADA

■コルナゴ「V3-RS」

税抜価格:560,000円(ディスクブレーキ仕様)、510,000円
サイズ:420S、450S、480S、500S、520S、540S、560S、580S

 チーム力の高さを見せつけ、終盤までマイヨジョーヌを守ったユンボ・ヴィスマはイタリアの老舗「ビアンキ」のエアロロード「オルトレ XR4」をチョイスしていました。振動除去剤のカウンターヴェイルを採用しているのが特徴で、高い剛性とエアロ性能と乗り心地の良さをバランスよく両立。ワウト・ファンアールト(ベルギー)のスプリント2勝や、ログリッチの山頂フィニッシュ勝利など、コースを選ばずオールラウンドに活躍しました。

ビアンキ「オルトレ XR4」 Photo: Yuzuru SUNADA
ユンボ・ヴィスマはリムブレーキモデルを選択 Photo: Yuzuru SUNADA

 ユンボ・ヴィスマもUAE・チームエミレーツと同じく、リムブレーキモデルのフレームを選択しました。ディスクブレーキを採用するチームが多数派となるなか、個人総合上位の2人は旧来のブレーキを選択。他にはディフェンディングチャンピオンを抱えるイネオス・グレナディアーズがリムブレーキを採用していました。パンク時のホイール交換がより素早く可能なクイックリリースにメリットを見出しているようです。

■ビアンキ「オルトレ XR4」

税抜価格:410,000円(リムブレーキフレームセット)、498,000円(ディスクブレーキフレームセット)
サイズ:44、47、50、53、55、57、59、61

 ポートが総合3位と健闘したトレック・セガフレードは、チーム名にも連ねるバイクメーカー「トレック」のバイクを採用しています。選手によって使用したバイクは様々で、スプリント力に長けたマッズ・ピーダスン(デンマーク)は「マドンSLR」を、ポートをはじめとする総合系の選手やクライマーはモデルチェンジした「エモンダSLR」を選択していました。

「エモンダSLR」を駆るリッチー・ポート(左、オーストラリア)と、「マドンSLR」をチョイスするマッズ・ピーダスン(デンマーク) Photo: Yuzuru SUNADA

 トレックはアクセサリーブランド「ボントレガー」を有しており、ホイールやハンドル、タイヤといったバイク用パーツだけでなく、シューズやヘルメットまで手掛けています。トレック・セガフレードもチームキットに採用し、リザルトを残しました。

■トレック「エモンダSLR9」(完成車)

税抜価格:1,197,000円
重量:6.74kg(56サイズ)
サイズ:47、50、52、54、56、58cm

シマノ、カンパ、スラムが表彰台に

 バイクと同様にコンポーネントにも注目が集まります。コンポーネントとはギヤやブレーキなどの総称で、走りに多大に影響を与える部品群。今年のツールでは前出の3選手のチームはそれぞれカンパニョーロ、シマノ、スラムを使用。3つのコンポーネントメーカーが表彰台に登りました。

日本が誇るシマノ「デュラエース」。22チーム中17チームが採用 ©️シマノ

 22チーム中17チームが採用したコンポーネントは日本が誇るシマノの「デュラエース」でした。変速の速さや確実さだけでなく、トラブルに強い高い信頼性に定評があります。そこに割って入り、ポガチャルの個人総合優勝を支えたのがカンパニョーロ「スーパーレコード」でした。シフトレバーの「エルゴパワー」をはじめ、体にも馴染む操作感が特徴で、根強い人気を持っているコンポーネントです。スラムは無線で変速をするコンポーネント「Red eTAP AXS」をチームへ供給。今季からトレック・セガフレードだけでなく、モビスター チームも採用しています。

根強い人気を誇るカンパニョーロ Photo: Yuzuru SUNADA
スラムはトレック・セガフレードとモビスター チームの2チームへ供給 Photo: Yuzuru SUNADA

 どのコンポーネントメーカーも電動変速システムをハイエンドモデルに用いており、各バイクメーカーもその機構に合わせた形状のフレームを開発するケースも見受けられます。フレーム、コンポーネントのどちらも走りへ密接に関係するパーツなので、チームがどこのメーカーのパーツを使っていたのか注目するのもツール・ド・フランスの楽しみの一つです。

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