北欧デザインをそのままにPOCに待望のアジアンフィット登場 純日本人頭でもキノコ頭にならないヘルメット

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 スウェーデンのスポーツアクセサリーブランド「POC」(ポック)から、待望のアジアンフィットモデルのヘルメットが登場した。これまで諦めていた純日本人頭のあなたも被れるチャンス到来! Cyclist編集部で一番頭囲が大きい松尾修作がインプレッションした結果はいかに。

待望のアジアンフィットが登場したPOCの2モデルを純日本人な頭部形状の編集部員・松尾がレビュー Photo: Shusaku MATSUO

デザインそのままに幅を拡張

 ヘルメットで最も優先すべきは安全性能であるが、スタイリングも大切にしたいものだ。POCのヘルメットはシンプルかつユニークなスカンジナビアンデザインを採用。集団内でも「あ、POCだ」とひと目で分かる個性も持ち合わせている。

「ベントラル エア スピン」を被り、ジロ第9ステージを制したルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、EFプロサイクリング) Photo: Yuzuru SUNADA

 筆者はこれまで、新しいPOCのヘルメットが登場するたびに試着を試みたが、幾度となく涙を飲んできた。ハチ(側頭部)が張った典型的な頭の形状で、頭部の周囲は62cmほど。ダイヤルでクロージャーを最大限に広げても全く入らない。POCのインターナショナルモデルはシェル(外殻)が細身で、典型的な欧州人の頭をモデルに設計されているようだ。

 いつかは自分もPOCのヘルメットを被るEFプロサイクリングに所属する選手のようにカッコよく被りこなしてみたい…そう願っていたところ、登場したのがアジアンフィットモデルだ。優れたデザインはそのままに、シェル内部の幅を拡張。実測で14mmほど横幅が広かった。インターナショナルモデルと同サイズを並べてみてもその差は一目瞭然であった。なお、インターナショナルモデルはS、M、Lの3サイズ展開だったが、アジアンフィットはS、Mの2サイズ展開となる。

頭部の冷却性能とエアロ性能を兼ね備えたPOC「ベントラル エア WF スピン」 Photo: Shusaku MATSUO

 早速、エアロ効果と頭部の冷却性能を両立したアジアンフィットモデルの「ベントラル エア WF スピン」を試着してみた。するとスッポリと全体を覆うように被ることができた。頭囲の大きな私にとって驚きだったのが、試着したヘルメットがMサイズだったこと。通常、他社のLサイズでもこめかみ付近の当たりが強く、被れないモデルさえあった。しかしベントラル エア WF スピンのクロージャーのダイヤルは、まだ締め込む余地があった。Mサイズでも少々大きめに作られているようなので、アジアンフィットのSサイズでも被れるサイクリストも多いことだろう。

左がアジアンフィット、右がインターナショナルモデル。どちらもMサイズだが帽体の大きさが異なる Photo: Shusaku MATSUO
後部は大胆にカットされたデザインでエアロ効果を追求 Photo: Shusaku MATSUO
アジアンフィット(左)は横幅が広くハチが張った日本人に最適な形状 Photo: Shusaku MATSUO

 ベントラル エア WF スピンは個性的なデザインだけでなく、優れた機能性も兼ね備えている。角ばったスタイリングにもそれは表れており、前方縦方向にいくつも開いたエアインテークからは、走り始めると大量の空気が入ってくるのが分かる。後頭部はカムテールデザインのように大胆にカットされ、空気の流れを乱れさせずに後方へと受け流す。サイドに張り出したシェルは、落車時に側頭部や耳を保護して安全性にも寄与。なお、内部のパッドには衝撃緩和システム「SPIN」が用いられ、落下時にヘルメットを頭に対して動かすことで衝撃を和らげるよう考えて設計された。

大きなエアインテークから風を取り込み、冷却効果は非常に高い Photo: Kyoko GOTO
アイウェアを差し込んでもずり落ちないようにする「アイガレージ」が設けられている Photo: Shusaku MATSUO

 頭にフィットしているからか、製品重量(Mサイズで260g)よりも軽く感じた。アイウェアを外し、エアインテークに挿す際に落下を防ぐ「アイガレージ」も便利であった。安全面とデザイン性のどちらも考慮して設計されたベントラル エア WF スピンは、レースを想定したサイクリストにおすすめしたいモデルだ。

キノコ頭にならないデザイン

 同じく、アジアンフィットモデルとして登場したのが「オムネ エア WF スピン」だ。レースシーンで活躍するベントラル エア WF スピンとは異なり、街乗りや週末のサイクリングを目的に設計されたミドルグレードモデルである。

 滑らかな曲線が特徴のオムネ エア WF スピンは、外部のシェルを厚めにデザインし、落車時の衝撃を分散する設計となっている。もちろん、内部のパッドにはSPINを採用している。

街中のライドにもマッチする「オムネ エア WF スピン」 Photo: Kyoko GOTO
細部にまで拘ったスカンジナビアンデザインが目を引く Photo: Kyoko GOTO

 こちらのモデルも、頭部の引っかかりは皆無でぴったりとフィットした。被りも深く、ヘルメット内部に隙間なく頭部が触れていることが分かる。よって、必要以上にダイヤルを締め込まなくても、ライド中にずれることはない。

 どちらのヘルメットもサイドへの張り出しが目立つデザインなので、いわゆる“キノコ”状態ならないか気になったが、耳と頬に沿ったラインは顔とヘルメットとで間で自然な一体感を生み、心配は杞憂に終わった。

「ベントラル エア WF スピン 」(左)、「オムネ エア WF スピン」(右)どちらも“キノコ”にならずフィットした Photo: Kyoko GOTO

 繰り返しになるが、純日本人頭のサイクリストにとって、POCのアジアンフィットは待望であり朗報だ。これまで諦めていたPOCを被るチャンスがついにやってきたのだ。
(提供:フルマークス)

■POC「ベントラル エア WF スピン」

税込価格:33,000円
カラー:Uranium Black Matt、Hydrogen White Raceday
サイズ: S(55-58cm)、M(59-61cm)
重量:S(240g)、M(260g)

■POC「オムネ エア WF スピン」

税込価格:24,200円
カラー:Hydrogen White、Uranium Black Matt
サイズ:S(55-58cm)、M(59-61cm)
重量:S(310g)、M(340g)

松尾修作

サイクリスト編集部員。10代からスイスのUCIコンチネンタルチームに所属し、アジアや欧州のレースを転戦。帰国後はJプロツアーにも参戦し、現在は社会人チーム「Roppongi Express」で趣味のレースを楽しむ。JBCFのカテゴリーはE1。数多くのバイクやパーツを試してきた経験を生かし、インプレッション記事を主に担当している。

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