ジロ・デ・イタリア2020 第14ステージ世界王者ガンナが圧勝で個人TT優勝 総合首位はアルメイダが守る

by 平井久美子 / Kumiko HIRAI
  • 一覧

 ジロ・デ・イタリアの第14ステージ、個人タイムトライアル(TT)が10月17日に行われ、唯一42分台のタイムを叩き出したフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)が優勝を飾った。ガンナは今大会3勝目。総合首位のマリアローザは、6位でフィニッシュしたホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)がキープ。新城幸也(バーレーン・マクラーレン)は72位でゴールした。

他を寄せ付けない走りで勝利したガンナ。アルカンシエルにふさわしい好走 Photo: Yuzuru SUNADA

丘越え2つの33.7km

 コネリアーノからヴァルドッビアーデネまでの33.7kmで争われる個人タイムトライアルは、一筋縄ではいかないコース。スタート後、7km地点には平均勾配12.7%、最大19%に達する上りが設けられている。ラスト1kmは下り基調だが、終盤に勾配5%の上りをクリアしてフィニッシュとなる。ぶどう畑が広がる美しい景色とは裏腹に、難易度の高いコースだ。

 中間計測ポイントは3カ所(7.4、17.1、25.1km)。総合順位が下位の選手から出走する。なお、最後の15人は3分間隔、それ以外は1分間隔でスタートとなる。

新城幸也は72位でフィニッシュ。明日のステージもチームを支える働きが期待される Photo: Yuzuru SUNADA

 トッバッターはU23世界選手権TTでの優勝経験もあるジョナサン・ディッベン(イギリス、ロット・スーダル)。47分52秒でフィニッシュし基準タイムを作った。

 続々と選手が出走する中で序盤の注目となったのは、ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、NTTプロサイクリング)。中間計測を12分、22分51秒、31分55秒で通過し、その後も快調なペダリングを維持。タイムは44分46秒、平均時速は45.7kmを記録した。しかし、その後ヨセフ・チェルニー(チェコ、CCCチーム)が43分56秒をマーク。国内TT王者らしい走りでカンペナールツからホットシートを奪う。

好調ガンナの圧巻の走り

 大きく記録を更新したのは、昨年の世界選手権TT王者のローハン・デニス(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ)。第1計測で11分08秒を叩き出すと、その後もスピードを維持。43分06秒でフィニッシュした。

2位に終わったデニスだが、強さは健在。安定感のある走りで駆け抜けた Photo: Yuzuru SUNADA

 だが、その記録を塗り替える選手が直後に現れる。現TT世界チャンピオンで今大会の第1ステージTT勝者、デニスのチームメイトでもあるフィリッポ・ガンナ(イタリア)だ。第1計測でロハスを僅かに上回り11分7秒で通過すると、その後の第2、3計測も暫定トップでクリア。スタートからペースを落とすことなく42分40秒をフィニッシュした。デニスとの差は26秒。平均時速47.9kmという格の違いを見せつけるスピードだった。

 その後、トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)やジョナタン・カストロビエホ(スペイン、イネオス・グレナディアーズ)など注目選手もスタートしていくが、ガンナの足元にも及ばず。ガンナの優勝が近づいていく。

総合勢の争いは、アルメイダの好走が光る

 いよいよ3分間隔でスタートするラスト15人も出走。総合勢の中で、ここまで上手くレースを展開できた選手は1秒でもリードを、トラブル含め思うような結果が出ていない選手は少しでも差を詰めたいところだ。

ニバリは23位でフィニッシュ。アルメイダから2分30秒のタイム差がついた。この後の山岳ステージでの活躍が期待される Photo: Yuzuru SUNADA

 その15人の中で最初に好タイムを出したのは、前日終了時点で総合11位のブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAE・チームエミレーツ)。第1計測を11分12秒の暫定3位でクリアすると、ペースを落とさずその後の計測も3位通過。中間計測ではガンナ、デニスに続く好タイムだ。最終的に43分49秒の暫定3位でフィニッシュ。総合トップ10返り咲きを濃厚にする。

 一方、前日終了時点で総合10位、トップとのタイム差2分26秒のヤコブ・フルサン(デンマーク、アスタナ プロチーム)は、第2計測から第3計測の間でペースダウン。フィニッシュタイムは45分53秒と上位との差を詰めることはできなかった。

 その後もファウスト・マスナダ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)やパトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)、ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード)、 ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・マクラーレン)といった選手が出走。記録は45から46分台で、順位は16位でフィニッシュしたラファウ・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)以外、20から30番台となった。

 前日までの総合トップ10の中で好成績を収めたのは、2位のウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ)とマリアローザを保持するアルメイダ。それぞれ中間計測を1桁順位で通過、ケルデルマンは44分27秒の9位、アルメイダは44分11秒の6位にまとめた。

 アルメイダがフィニッシュしたところで、ガンナの優勝が決定。2位はデニスで、イネオスがこのステージでも存在感を発揮した。

3勝目となった本ステージ。今大会を語る上で欠かせない選手となっている Photo: Yuzuru SUNADA

 アルメイダはケルデルマンとのタイム差を56秒に広げ、マリアローザをキープ。このステージを3位でフィニッシュしたマクナルティは、11位から4位への大幅ジャンプアップに成功した。総合トップ10のメンバーはほぼ変わりはないが、タイム差には変動が出た。3位のビルバオ(スペイン、バーレーン・マクラーレン)以下の選手はアルメイダとのタイム差が2分以上に。大きなタイム差がついてしまった。

この日も総合首位をキープしたアルメイダ。22歳とは思えない落ち着きで今大会を走っている Photo: Yuzuru SUNADA

 明日は、バーゼアエレアリヴォルトからピアンカヴァッロまでの185km。山頂フィニッシュとなる。休息日前、2週目最後のステージ。マリアローザを狙う総合勢はどう動いてくるだろうか。

第14ステージ結果
1 フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ) 42分40秒
2 ローハン・デニス(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ) +26秒
3 ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAE・チームエミレーツ) +1分9秒
4 トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) +1分11秒
5 ヨセフ・チェルニー(チェコ、CCCチーム) +1分16秒
6 ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) +1分31秒
7 タネル・カンゲルト(エストニア、EFプロサイクリング) +1分33秒
8 ジョナタン・カストロビエホ(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) +1分44秒
9 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ) +1分27秒
10 ヤン・トラトニク(スロベニア、バーレーン・マクラーレン) +2分
72 新城幸也(日本、バーレーン・マクラーレン) +5分39秒

個人総合(マリアローザ)
1 ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) 54時間28分9秒
2 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ) +56秒
3 ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・マクラーレン) +2分11秒
4 ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAE・チームエミレーツ) +2分23秒
5 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード) +2分30秒
6 ラファウ・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) +2分33秒
7 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、NTTプロサイクリング)
8 ファウスト・マスナダ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) +3分11秒
9 パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) +3分17秒
10 ジェイ・ヒンドレー(オーストラリア、チーム サンウェブ) +3分33秒
93 新城幸也(日本、バーレーン・マクラーレン) +1時間57分36秒

ポイント賞(マリアチクラミーノ)
1 アルノー・デマール(フランス、グルパマ・エフデジ)
2 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
3 ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ)

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、EFプロサイクリング)
2 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ヴィーニザブ・KTM)
3 フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)

新人賞(マリアビアンカ)
1 ホアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) 54時間28分9秒
2 ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAE・チームエミレーツ) +2分23秒
3 ジェイ・ヒンドレー(オーストラリア、チーム サンウェブ) +3分33秒

チーム総合
1 イネオス・グレナディアーズ 63時間21分41秒
2 ドゥクーニンク・クイックステップ +12分58秒
3 チーム サンウェブ +16分20秒

この記事のタグ

UCIワールドツアー ジロ・デ・イタリア2020 ロードレース

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

Cyclist CLIP

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載