2年連続で年間個人・チームをダブル制覇Jプロツアー最終戦はマンセボがキンテロを従え優勝 マトリックスパワータグが3位まで独占

by 小森信道 / Nobumichi KOMORI
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 国内最高峰のロードレースツアー、Jプロツアーの最終戦となる第14戦「第54回JBCF経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ」が10月11日、群馬県みなかみ町の群馬サイクルスポーツセンターで開催され、終盤は年間ランキングを争う有力チーム勢が激しく攻撃を仕掛け合う展開になったが、最後は地力に勝るマトリックスパワータグがレースを掌握。最終盤に集団から抜け出したフランシスコ・マンセボ(スペイン)が優勝を飾ったほか、2位にレオネル・キンテロ(ベネズエラ)、3位にホセビセンテ・トリビオ(スペイン)が入りマトリックスパワータグがワンツースリーフィニッシュを達成し、逆転で年間チームランキングも奪取。キンテロの個人ランキングとともに、2年連続でのダブル制覇を成し遂げた。

フランシスコ・マンセボ(スペイン)を先頭にレオネル・キンテロ(ベネズエラ)、ホセビセンテ・トリビオ(スペイン)と続いたマトリックスパワータグがワンツースリーフィニッシュ Photo: Nobumichi KOMORI

最終決戦は30周180kmの長丁場

 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、当初の予定から3カ月遅れの7月23日に開幕した今年のJプロツアーも遂に最終戦。舞台となるのは開幕戦や交流戦などでも使用された群馬サイクルスポーツセンターながら、今回は同ツアーの中で最もレイティングが高いプラチナにランクされる経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ。それに相応しく距離も180km(6km×30周)と今年の同ツアー最長での開催になった。

リーダージャージを着用する2選手を先頭に、選手たちが最終戦のスタートラインに整列する Photo: Nobumichi KOMORI

 ここまで13戦を戦ってきたうえでの年間ランキングは個人がキンテロ、チームは宇都宮ブリッツェンがそれぞれ首位。しかし、個人ランキング2位の大前翔(愛三工業レーシングチーム)とキンテロとの差はわずか209ポイント、チームランキング2位のマトリックスパワータグと宇都宮ブリッツェンとの差は1084ポイントと、優勝した選手に900ポイントが付与されるプラチナレイティングの今レースの結果次第では逆転も可能とあり、上位チームを中心に全チームがモチベーション高くレースに臨むことになった。

逃げが形成も最終盤に吸収

 午前8時50分にスタートしたレースはその直後からアタック合戦になり、2周目には早くも西尾憲人(那須ブラーゼン)、風間翔眞(シマノレーシングチーム)、永富一騎(群馬グリフィン)という3人の逃げが形成される展開に。さらに5周目には前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)と佐野淳哉(レバンテフジ静岡)の2人がブリッジを成功させ、逃げ集団は5人になった。一方のメイン集団はこの逃げを容認。1分30秒〜2分程度のタイム差を保ってレースは進んでいった。

風間翔眞(シマノレーシング)、永富一騎(群馬グリフィン)、西尾憲人(那須ブラーゼン)の3人が2周目に抜け出す Photo: Nobumichi KOMORI
前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)と佐野淳哉(レバンテフジ静岡)の2人が合流して逃げ集団は5人に Photo: Nobumichi KOMORI

 レースが動きを見せ始めたのは、折り返しを過ぎた17周目。ここまで逃げ集団を泳がせていたメイン集団が追走モードに入ってタイム差を少しずつ縮めていく展開になり、残り10周を切った21周目に逃げを吸収した。

21周目の心臓破りの坂で逃げ集団がメイン集団に吸収され、レースは振り出しに Photo: Nobumichi KOMORI

 ひとつになった集団では再びアタックの応酬となり、その中から西尾、中井唯晶(シマノレーシングチーム)、橋本英也(チーム ブリヂストンサイクリング)、佐藤遼(レバンテフジ静岡)の4人が逃げ集団を形成する展開に。一方のメイン集団は愛三工業レーシングチーム、キナンサイクリングチーム、チーム ブリヂストンサイクリング、シマノレーシングチームなどが主導権を奪おうとするが、マトリックスパワータグがペースメイク。残り3周となる28周目に逃げ集団を吸収して最終盤を迎えることになった。

ひとつになった集団では有力チーム勢を中心に攻撃を仕掛け合う展開に Photo: Nobumichi KOMORI
西尾憲人(那須ブラーゼン)、橋本英也(チーム ブリヂストンサイクリング)、佐藤遼(レバンテフジ静岡)、中井唯晶(シマノレーシングチーム)の4人が終盤に逃げ集団を形成 Photo: Nobumichi KOMORI
有力チーム勢が集団先頭を奪い合う展開が続く Photo: Nobumichi KOMORI

マトリックスパワータグが集団を掌握

 その後、集団では各チームの激しい攻撃の仕掛け合いが続いたが、マトリックスパワータグの牙城を崩すに至るチームはなく、きれいに隊列を組んだマトリックスパワータグを先頭に最終周へと突入した。

小森亮平(マトリックスパワータグ)を先頭にレースは最終周へ Photo: Nobumichi KOMORI

 最終周に入ると地力に勝るマトリックスパワータグが有利な状況を作り出す。マンセボとキンテロ、少し距離を空けてトリビオの3人が、集団から抜け出してバックストレートに姿を現す展開に。3人はそのまま後続を寄せ付けずにマンセボ、キンテロ、トリビオの順にフィニッシュしワンツースリーを達成した。

完全勝利を確信したフランシスコ・マンセボ(スペイン、マトリックスパワータグ)とレオネル・キンテロ(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)がガッツポーズを見せる Photo: Nobumichi KOMORI

 この結果、個人ランキングはキンテロが文句なしの1位、チームランキングも2位の宇都宮ブリッツェンを984ポイント上回り、2年連続での個人・チームのダブル制覇を成し遂げた。

左から2位のレオネル・キンテロ(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)、優勝のフランシスコ・マンセボ(スペイン、マトリックスパワータグ)、3位のホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ) Photo: Kensaku SAKAI
今レースの各チーム上位3選手の獲得ポイントで争われる団体総合もマトリックスパワータグが優勝。今年も名誉ある輪翔旗を手にした Photo: Kensaku SAKAI
ツアーリーダーの証であるプロリーダージャージはレオネル・キンテロ(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)が着用。23歳未満のランキング首位の選手が着用するネクストリーダージャージは織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)が第1戦から守り通した Photo: Kensaku SAKAI

経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ Day-2

1 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ) 4時間38分10秒
2 レオネル・キンテロ(マトリックスパワータグ) +0秒
3 ホセビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) +6秒
4 大前翔(愛三工業レーシングチーム) +8秒
5 今村駿介(チーム ブリヂストンサイクリング) +8秒
6 孫崎大樹(チーム ブリヂストンサイクリング) +9秒
7 湊諒(シマノレーシング)
8 横塚浩平(チームUKYO)
9 河賀雄大(eNShare Racing Team)
10 トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)

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Jプロツアー2020 ロードレース

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