激闘を制し今季初優勝トリビオが先頭3人のスプリントを制し優勝 JBCFおおいたサイクルロードレース

by 小森信道 / Nobumichi KOMORI
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 国内最高峰のロードレースツアー、Jプロツアーの第13戦「第7回JBCFおおいたサイクルロードレース」が10月4日、大分県大分市の大分スポーツ公園昭和電工ドーム周辺に設定された特設周回コースで開催され、104人が出走して完走者が27人のサバイバルな展開に。最後は集団から抜け出した3人による三つ巴の争いを制したホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)が今季初優勝を飾った。

出走104人、完走27人のサバイバルレースを制したホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)が今季初優勝を飾った Photo: Nobumichi KOMORI

前半からサバイバルな展開に

 昨年と一昨年は男子最高峰カテゴリーがUCIアジアツアー1.2の「おおいたアーバンクラシック」として開催されたため、2017年以来3年ぶりにJプロツアーとして開催されることになった「おおいたサイクルロードレース」。今回はUCIレースで使われた市街地も含む1周10kmのコースではなく、大分スポーツ公園内の昭和電工ドームとその周辺をぐるりと回る1周4kmの周回コースを採用。距離が短い分、展開も目まぐるしくハードなコースと評されるこのコースを、Jプロツアーが走るのは2016年以来のことになる。

昭和電工ドームを横目に見ながらレースがスタート Photo: Nobumichi KOMORI
序盤から各チームが積極的にアタックを仕掛け合う展開が続く Photo: Nobumichi KOMORI

序盤からハイペースが続いたことで集団が割れ、前方集団は50人ほどに Photo: Nobumichi KOMORI

 レースはスタート直後から、各チームが積極的にアタックを仕掛け合い、数人が先行しては集団が吸収する出入りの激しい展開に。ハイスピードな状態が続いたことで、まだレースも序盤の4周目には集団が大きく2つに割れる展開になり、折り返しを迎える前に早くも後方に残された集団がレースを降ろされるという、下馬評通りのサバイバルレースになった。

180度コーナーで減速してからの上りが選手たちを苦しめる Photo: Nobumichi KOMORI

7人の逃げはラスト3周を前に吸収

 レースに残った前方集団の人数は50人ほど。序盤でいきなり出走人数の半分程度になった集団ではなおも熾烈なアタック合戦が続き、集団はなかなか落ち着かない状態が続く。

風間翔眞(シマノレーシングチーム)と高木三千成(さいたまディレーブ)の2人が集団から飛び出す Photo: Nobumichi KOMORI

 それでも、折り返しを過ぎた14周目にあると風間翔眞(シマノレーシングチーム)と高木三千成(さいたまディレーブ)の2人が抜け出し、後方の集団からトリビオ、新城雄大と山本大喜(ともにキナンサイクリングチーム)、小石祐馬(チームUKYO)、今村駿介(チーム ブリヂストンサイクリング)の5選手が飛び出して合流したことで、7人の逃げ集団となった。

5人の選手が先行する2人に合流し、逃げ集団は7人に Photo: Nobumichi KOMORI

 その後しばらくは7人の逃げ集団とメイン集団という形のままレースは進んだが、残り6周となる20周目になるとメイン集団もいよいよ活性化。マトリックスパワータグ勢が先頭を固めてペースアップを始めると、チーム ブリヂストンサイクリングや愛三工業レーシングチームも同調。選手を出してペースアップに加わったことで、逃げ集団とのタイム差が縮まっていく状態になった。

マトリックスパワータグが先頭を固めるメイン集団がペースを上げて逃げ集団を追う Photo: Nobumichi KOMORI

 後方のメイン集団に少しずつその差を詰められる形になった逃げ集団は、残り周回が少なくなるにつれて協調体制が崩れ始め、残り4周となる22周目にはこの状況を嫌った小石がアタック。そこに新城と山本大喜のキナンサイクリングチームの2人が合流し3人の先頭集団が形成されたものの、その次の周にはマトリックスパワータグが中心となってペースを上げるメイン集団に吸収され、レースは最終盤戦を前に振り出しに戻った。

終盤のバトルを制したトリビオが今季初優勝

大前翔(愛三工業レーシングチーム)のアタックで集団が活性化 Photo: Nobumichi KOMORI

 最終盤にひとつになった集団では、フランシスコ・マンセボ(スペイン)を中心にマトリックスパワータグがペースを作る状態が続いたが、24周目に入る上りで大前翔(愛三工業レーシングチーム)がアタックを仕掛けて抜け出すと、ほぼ同じタイミングでマンセボが集団けん引を終えたことも重なって、選手が次々に大前を追う混沌した状態になった。

 すると、大前を吸収する動きのカウンターでチームメートの伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム)がアタック。反応したトリビオとともに2人が飛び出した状態でレースは最終周を迎えた。

伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム)とホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)が若干先行した状態でレースは最終周へ Photo: Nobumichi KOMORI

 最終周に入ると、2人を追う集団は若干のけん制状態になり、一瞬ペースダウン。するとこの間隙をついて阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)が強烈なアタックを仕掛けて単独で抜け出し、先行していた伊藤とトリビオに合流。残り距離とタイム差を考えると、勝負はこの3人に絞られることになった。先頭の3人はフィニッシュへと続く最後の上りに入ると伊藤、トリビオ、阿部の並びで互いの出方をうかがう状態に。フィニッシュまであと200mという段階になるとトリビオがスプリントを開始し、合わせた阿部が一度はトリビオに並びかけたが及ばず。トリビオがサバイバルレースを制して、うれしい今季初優勝を飾った。

最終周に追いついた阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)がホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)にスプリントで並びかけるも、トリビオが先行を許さずそのまま優勝 Photo: Nobumichi KOMORI

激しいランキング争いは最終戦へ

 この結果、ツアーリーダーの証であるプロリーダージャージはレオネル・キンテロ(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)、23歳未満のランキングトップの選手が着用するネクストリーダージャージは織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)、チームランキングは宇都宮ブリッツェンがそれぞれ首位をキープしている。

 次戦、今季最終戦となる第14戦は10月11日、群馬県みなかみ町の群馬サイクルスポーツセンターで「第54回JBCF経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ」が開催される。同ツアーで最もレースレイティングが高いプラチナで開催され、優勝選手の900ポイントをはじめ上位には大きなポイントが与えられることもあって、結果次第では年間ランキングが逆転する可能性が大いにある。第13戦終了時点で個人ランキング1位のキンテロと2位の大前のポイント差は209ポイント、チームランキング1位の宇都宮ブリッツェンと2位マトリックスパワータグとのポイント差は1084ポイントとわずかで、最終戦まで目が離せない状態が続く。

逃げ集団で積極的な走りを見せ続けた小石祐馬(チームUKYO)が敢闘賞を獲得 Photo: Nobumichi KOMORI
プロリーダージャージはレオネル・キンテロ(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)、ネクストリーダージャージは織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)がキープ Photo: Nobumichi KOMORI

第7回 JBCF おおいたサイクルロードレース

1 ホセビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) 2時間16分18秒
2 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン) +0秒
3 伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム) +5秒
4 レオネル キンテロ(マトリックスパワータグ) +11秒
5 大前翔(愛三工業レーシングチーム)
6 阿曽圭佑(eNShare Racing Team)
7 武山晃輔(チームUKYO) +12秒
8 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ) +13秒
9 孫崎大樹(チーム ブリヂストンサイクリング) +14秒
10 西村基(レバンテフジ静岡) +18秒

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Jプロツアー2020 ロードレース

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