集団スプリントを制すチーム ブリヂストン沢田桂太郎がJプロツアー優勝 おおいたいこいの道クリテリウム

by 小森信道 / Nobumichi KOMORI
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 国内最高峰のロードレースツアー、Jプロツアーの第12戦「第7回JBCFおおいたいこいの道クリテリウム」が10月3日、大分県大分市のJR大分駅前・特設周回コースで開催され、大集団ゴールスプリントを制した沢田桂太郎(チーム ブリヂストンサイクリング)がJプロツアー初優勝。チームに今季初勝利をもたらした。

チームの好連係から発射された沢田桂太郎(チーム ブリヂストンサイクリング)がJプロツアー初優勝でチームに今季初勝利をもたらした Photo: Nobumichi KOMORI

大分駅前のレース、コロナ禍でも開催が実現

 2018年からUCIアジアツアー1.2のワンデーレースとして開催されてきた「おおいたアーバンクラシック」。しかし、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で海外チームを招待することができないなどさまざまな要因が重なり、国際レースとしての開催を断念することになった。

 それでも、主催者の努力の甲斐あって、同時開催されていたJBCF(全日本実業団自転車競技連盟)のレースの継続開催が決定。2017年以来3年ぶりにJプロツアーも復活することになり、そのプレレースとして前日に行われていた「おおいたいこいの道クリテリウム」も、Jプロツアー第12戦として開催されることになった。

例年であれば飲食ブースなどで盛り上がる芝生の広場も、新型コロナウイルス感染防止策で観戦自粛要請が出たために閑散とした雰囲気に Photo: Nobumichi KOMORI
シーズン終盤のランキング争いに向け、選手たちは念入りにウォーミングアップを行う Photo: Nobumichi KOMORI
佐藤樹一郎・大分市長が選手たちに激励の言葉をおくる Photo: Nobumichi KOMORI

 JR大分駅南口を出てすぐの場所に設定された1周1kmのコースはオールフラットながら180度コーナーやS字コーナーなどアクセントになる個所があり、集団後方にいると無駄に脚が削られていく厳しい側面も持つ。過去6回の開催で逃げ切りが決まったのは2016年と昨年の2回で集団ゴールスプリントになることが多く、地元出身のスプリンター黒枝士揮、咲哉の兄弟を擁するチーム ブリヂストンサイクリングやシマノレーシングチームなどゴールスプリントに持ち込みたいチームも多いことから、今年もゴールスプリント優勢の予想の中でレースはスタートを迎えた。

ランキング上位選手を先頭に選手たちがスタートラインに整列 Photo: Nobumichi KOMORI

マトリックスパワータグが集団を支配

 レースがスタートするとすぐ、ランキング上位の有力チーム勢が集団先頭を奪い合う激しい位置取り争いが続いたが、しばらくするとフランシスコ・マンセボ(スペイン、マトリックスパワータグ)が集団先頭に立ってペースメイクを開始した。

レースはスタート直後から有力チーム勢が先頭で主導権争いを繰り広げる展開に Photo: Nobumichi KOMORI

 マトリックスパワータグが集団をコントロールしてレースが落ち着くかと思われたが、そのタイミングでマンセボがメカトラブルで後退してしまい、その間隙を縫う形で阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)がアタック。この動きに反応した大前翔(愛三工業レーシングチーム)と2人の逃げ集団を形成する展開になった。一方のメイン集団は、マンセボが戻ったマトリックスパワータグがコントロールを開始し、レースは2人の逃げとメイン集団という形で落ち着きを見せた。

阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)と大前翔(愛三工業レーシングチーム)の2人が逃げを形成 Photo: Nobumichi KOMORI
メイン集団はツアーリーダーのレオネル・キンテロ(ベネズエラ)を抱えるマトリックスパワータグがコントロール Photo: Nobumichi KOMORI
180度コーナーで減速してからの立ち上がりダッシュで集団がタテに伸びる Photo: Nobumichi KOMORI

 その後、レースは終盤まで2人の逃げ集団とマトリックスパワータグがコントロールするメイン集団という展開のまま進んでいったが、レースも残り5周を切る段階になるとメイン集団が活性化。マンセボが強烈なけん引で一気に逃げ集団とのタイム差を縮めると、残り4周で逃げ集団を吸収し集団はひとつに。ひとつになった集団の先頭を固めるのはなおもマトリックスパワータグ。その後方にゴールスプリントでの勝利を狙うチーム ブリヂストンサイクリング、シマノレーシングチーム、キナンサイクリングチームらが続き集団のペースが上がり始めると、後方では堪え切れなくなった選手たちが次々と脱落していく展開になった。

マンセボの強烈なけん引でメイン集団が逃げ集団とのタイム差を一気に縮める Photo: Nobumichi KOMORI

チームメートの働きに応えた沢田が先着

 しかし、最終周を迎える段階になると、チーム ブリヂストンサイクリングがマトリックスパワータグをかわして先頭に立った。

近谷遼(チームブリヂストンサイクリング)を先頭にレースは最終周へ Photo: Nobumichi KOMORI

 そのままS字コーナーをクリアしようかというところで、逃げ続けて吸収された後もメイン集団前方をキープしていた大前が、早めの仕掛けで先頭に出てスプリントを開始した。大前に続いて孫崎大樹(チーム ブリヂストンサイクリング)、レオネル・キンテロ(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)、沢田、中島康晴(キナンサイクリングチーム)の順で最終コーナーをクリアした。

 大前を捕らえた孫崎が仕事を終えるとキンテロがスプリントを開始したが、その番手でしっかり合わせて加速した沢田が伸びを見せて先着。チームメートの働きに応えるJプロツアー初勝利で、チームに今季初勝利をもたらした。

伸びのあるスプリントでレオネル・キンテロ(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)をかわした沢田桂太郎(チーム ブリヂストンサイクリング)が先頭でフィニッシュに飛び込む Photo: Nobumichi KOMORI

 この結果、ツアーリーダーの証であるプロリーダージャージはキンテロ、23歳未満のランキングトップの選手が着用するネクストリーダージャージは織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)、チームランキングは宇都宮ブリッツェンがそれぞれトップをキープしている。

 次戦、第13戦「おおいたサイクルロードレース」は翌4日、大分スポーツ公園昭和電工ドーム周辺に設定された1周4kmの特設周回コースで開催される。

左から2位のレオネル・キンテロ(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)、優勝した沢田桂太郎(チームブリヂストンサイクリング)、3位の中島康晴(キナンサイクリングチーム) Photo: Kensaku SAKAI
プロリーダージャージはレオネル・キンテロ(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)、ネクストリーダージャージは織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)がともにキープ Photo: Kensaku SAKAI

第7回 JBCF おおいたいこいの道クリテリウム

1 沢田桂太郎(チーム ブリヂストンサイクリング) 1時間01分22秒
2 レオネル・キンテロ(マトリックスパワータグ) +0秒
3 中島康晴(キナンサイクリングチーム)
4 大前翔(愛三工業レーシングチーム)
5 横塚浩平(チームUKYO) +2秒
6 孫崎大樹(チーム ブリヂストンサイクリング) +3秒
7 渡邊翔太郎(那須ブラーゼン)
8 風間翔眞(シマノレーシング)
9 山本大喜(キナンサイクリングチーム) +5秒
10 宇賀隆貴(稲城FIETSクラスアクト)

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Jプロツアー2020 ロードレース

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