■メリダ「スクルトゥーラ エンデュランス7000-E」
税抜価格:520,000円(完成車)
サイズ:44、47、49、51、53
メリダから「スクルトゥーラ エンデュランス」が2021年モデルとして登場した。文字通りエンデュランス性能を重視しており、ロングライドに適したスペックを有している。スクルトゥーラの名がついたことに着目し、実走レビューした。
スクルトゥーラはメリダの軽量オールラウンダーモデルだ。上位グレードはUCIワールドチームのバーレーン・マクラーレンも使用し、主に山岳レースで活躍。軽さだけでなく、優れたバランスが特徴だ。
今回新たに登場したスクルトゥーラ エンデュランスは、フォルムこそスクルトゥーラに似ているものの、細部がコンフォート性能に寄った造りとなっている。ディスクブレーキ専用設計で、幅広いタイヤクリアランスを持ち、ヘッドチューブは長い。ホイールベースは1054mm(Mサイズ)と、同ブランドのアドベンチャーバイク「サイレックス」に近く、安定志向のジオメトリーであることがわかる。
ワイヤーポートヘッドと呼ばれるケーブルの引き込み口がヘッドチューブに組み込まれ、ノーマルのステムとハンドルながら、ハンドル周りをすっきりと仕上げている。フロントフォークの先端と、チェーンステーのブレーキキャリパー部にはディスククーラーが設置。フィンがブレーキに生じる熱を放熱し、安定した制動力を発揮できる環境となっていることも特徴だ。また、フェンダーを取り付けるアーチがシートステー間に装着されている。
デザインは非常にぱきっとしており、個人的には好印象だった。エンデュランスモデルらしくなく、特に振動吸収性を狙った扁平のシートステーがトップチューブに接続するラインがエッジが効いている。試乗モデルのカラーはメタリックかつマットな風合いもあり、派手ではないが主張はしっかりある。
「なぜスクルトゥーラなのか」という点に注目しながら実走してみると、低速域では「?」が頭に浮かぶ。それほどまでに軽さは無い。一方で、振動吸収性の高さはすぐ実感できた。伊豆の荒れた路面でも、リア周りを中心に振動をいなしてくれているのがわかる。タイヤは最大35mmまでの太さまで、さらにもちもちした乗り味に仕上げることも可能だろう。
徐々にスピードとパワーを上げるいくと、「あ、スクルトゥーラだ」と理解できた。もちろん、物理的にも重く、軽快さはスクルトゥーラに敵わないが、反応の良さはスクルトゥーラ エンデュランスにも健在。走り重視のライダーでも、乗り心地重視のサイクリストにもマッチする懐の広さを持っていた。
週末のロングライドからハイスピードな通勤・通学まで万能に活躍する1台である。また、レース志向の選手がトレーニングバイクとして活用してもいいだろう。雨の日が続いても、フェンダーを装着し「このバイクなら外で走ろうかな」という気にしてくれそうな快適さがあった。
■メリダ「スクルトゥーラ エンデュランス7000-E」
税抜価格:520,000円(完成車)
サイズ:44、47、49、51、53
サイクリスト編集部員。10代からスイスのUCIコンチネンタルチームに所属し、アジアや欧州のレースを転戦。帰国後はJプロツアーにも参戦し、現在は社会人チーム「Roppongi Express」で趣味のレースを楽しむ。JBCFのカテゴリーはE1。数多くのバイクやパーツを試してきた経験を生かし、インプレッション記事を主に担当している。
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