ツアーリーダーはキンテロに宇都宮ブリッツェン西村大輝が精鋭集団の混戦を制し、プロ初勝利 JBCF広島森林公園ロード2日目

by 小森信道 / Nobumichi KOMORI
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 国内最高峰のロードレースツアー、Jプロツアーの第11戦「広島森林公園ロードレースDay-2」が9月27日、広島県三原市の広島県中央森林公園で開催され、終盤にアタックに次ぐアタックのサバイバルな展開になったレースは、精鋭集団のゴールスプリントを制した宇都宮ブリッツェンの西村大輝がプロ初勝利となる優勝を飾った。この日の結果で、ツアーリーダーの証であるプロリーダージャージはレオネル・キンテロ(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)が獲得した。

うれしいプロ初勝利を挙げた西村大輝(宇都宮ブリッツェン)が、チームに今季5勝目をもたらした Photo: Nobumichi KOMORI

前日の半分のショートレース

 広島県中央森林公園の1周12.3kmのコースを使用する広島森林公園ロードレースも2日目を迎えた。12周147.6kmで争われた前日のレースでは、無事に来日を果たしたフランシスコ・マンセボ(スペイン)擁するマトリックスパワータグが中盤以降はレースを掌握。最後は増田成幸(宇都宮ブリッツェン)とのマッチレースを制したキンテロが来日初勝利を挙げた。この日のレースは前日から半分の周回になった73.8kmのショートロードレース。距離が短くなった分、アグレッシブでハードな展開になることも予想される中でレースはスタートした。

スタートの号砲とともに選手たちが一斉に飛び出していく Photo: Nobumichi KOMORI

 スタート直後から各チームが積極的にアタック&チェックを繰り返すアタック合戦が続く中、椿大志(キナンサイクリングチーム)が仕掛けたアタックに阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)が反応。2人の逃げ集団が形成される展開になった。

1周目から形成された椿大志(キナンサイクリングチーム)と阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)の逃げが先行する展開になる Photo: Nobumichi KOMORI
メイン集団はUCIコンチネンタルチーム勢が前方に固まってペースメイク Photo: Nobumichi KOMORI

 1カ月前の第9戦で逃げ切り勝利を飾っている阿部が入った逃げ集団に対し、メイン集団はマトリックスパワータグ、チーム ブリヂストンサイクリング、チームUKYOなどのUCIコンチネンタルチーム勢が前方でペースメイクをする状況。距離が短いことも手伝って、タイム差を50秒前後に保ちながらレースを進めることになった。

キンテロが抜け出すも連勝はならず

快調に逃げ続けていた2人の逃げ集団とメイン集団とのタイム差が縮まり始める Photo: Nobumichi KOMORI

 その後しばらくは2人の逃げ集団とメイン集団という形で周回を重ねることになったレースは、折り返しを過ぎて後半戦に入るとメイン集団がペースアップを開始したことで状況が変化。着実にタイム差を縮めていったメイン集団が残り2周となる5周目に逃げ集団を吸収し、レースは振り出しに戻って終盤戦を迎えることになった。

ペースが上がったメイン集団が逃げ集団を猛追する Photo: Nobumichi KOMORI
小石祐馬(チームUKYO)が最終周に単独で抜け出す場面もあったが、集団に吸収された Photo: Nobumichi KOMORI

 ひとつになった集団では、マンセボが前日同様に上りで強烈にペースアップを繰り返して人数を絞り込み、20人程度にブラッシュアップされた状態で最終周へ。最終周に入るとマトリックスパワータグ、キナンサイクリングチーム、チームUKYO、宇都宮ブリッツェンなどが激しくアタックを仕掛け合う撃ち合いの状態が続いたが、決定的な抜け出しは生まれずに最後の勝負どころと目された三段坂を通過。どのチームも集団ゴールスプリントが頭をよぎり始めた中で、キンテロがアタックし単独で抜け出す展開になった。

 単独で抜け出したキンテロに対してすぐに追走ムードが高まった集団だったが、マンセボが上手く勢いを削ぐ動きを見せたことで若干のタイム差が生まれることに。それを受けてキンテロも独走勝利を目指してペダルを踏み続けたが、残り距離もわずかというところで集団がなんとかキンテロを吸収し、勝負はアタックの応酬を生き残った精鋭集団によるゴールスプリントに持ち込まれた。

上り基調のゴールスプリントで伸びを見せた西村大輝(宇都宮ブリッツェン)が先頭でゴールに飛び込む Photo: Nobumichi KOMORI

 ホームストレートに姿を現した集団の先頭でキンテロがスプリントを開始すると、それに合わせて残る選手もスプリントを開始。その中で良い番手から伸びのあるスプリントを見せた西村が、後方から同じく伸びのあるスプリントで捲ってきた今村駿介(チーム ブリヂストンサイクリング)と粘るキンテロを退けて先着。プロ初勝利となるうれしい優勝を飾った。

左から2位の今村駿介(チーム ブリヂストンサイクリング)、優勝の西村大輝(宇都宮ブリッツェン)、3位のレオネル・キンテロ(ベネズエラ、マトリックスパワータグ) Photo: Nobumichi KOMORI

ランキング争いは混戦に

 この結果、個人ランキングは前日の優勝とこの日の3位で645ポイントを稼ぎ出したキンテロが増田を24ポイント上回り首位に。ツアーリーダーの証であるプロリーダージャージに袖を通した。なお、23歳未満のランキング首位の選手が着用するネクストリーダージャージは織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)が、チームランキングは宇都宮ブリッツェンがともに首位をキープしている。

ネクストリーダージャージは織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)がキープしたが、プロリーダージャージはこの2連戦でポイントを積み上げたレオネル・キンテロ(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)が獲得した Photo: Nobumichi KOMORI
敢闘賞は果敢に逃げ続けた椿大志(キナンサイクリングチーム)が獲得 Photo: Nobumichi KOMORI

 今年のJプロツアーも残すところあと3戦となり、年間ランキング争いにも注目が集まるところ。個人ランキングは僅差の争いが続いており、この後の結果次第では順位が大きく入れ替わる可能性もある。また、雷雨中止となった1戦を除く10戦で5勝を挙げた宇都宮ブリッツェンが2位以下にポイント差をつけて首位を守るチームランキングも、まだまだ安泰とは言えない。特に、無事に来日を果たしたマンセボが合流したマトリックスパワータグが今回の2連戦でもレースの主導権を握る場面が増えていて、ポイントも着実に積み重ねている点は見逃せない。個人、チームともに、最終戦までランキング争いが持つれることになりそうだ。

 Jプロツアーの次戦、第12戦は10月3日、大分県大分市で「おおいたいこいの道クリテリウム」が予定されている。

広島森林公園ロードレース Day2

1 西村大輝(宇都宮ブリッツェン) 1時間44分24秒
2 今村駿介(チーム ブリヂストンサイクル) +0秒
3 レオネル・キンテロ(マトリックスパワータグ)
4 孫崎大樹(チーム ブリヂストンサイクル) +1秒
5 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ) +2秒
6 横山航太(シマノレーシング)
7 武山晃輔(チームUKYO) +3秒
8 大前翔(愛三工業レーシングチーム)
9 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
10 ホセビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) +4秒

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Jプロツアー2020 ロードレース

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