マンセボらの動きでレースを掌握JBCF広島森林公園ロード、初日はマトリックスのキンテロが増田成幸を下し来日初勝利

by 小森信道 / Nobumichi KOMORI
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 国内最高峰のロードレースツアー、Jプロツアーの第10戦「広島森林公園ロードレースDay-1」が9月26日、広島県三原市の広島県中央森林公園で開催され、レース終盤に先頭集団から抜け出した2人の争いを制したマトリックスパワータグのレオネル・キンテロ(ベネズエラ)が優勝。来日初勝利を飾った。

最後は増田成幸を振り切ったレオネル・キンテロ(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)がうれしい来日初優勝を飾った Photo: Nobumichi KOMORI

1カ月ぶりの大会はメンバーも充実

 およそ1カ月を空けて再開されたJプロツアー。第10戦の舞台となるのは、前戦の第9戦「第54回JBCF西日本ロードクラシック広島大会」と同じ広島県中央森林公園の1周12.3km周回コース。1カ月前のうだるような暑さはすっかり影を潜め、爽やかな秋晴れの空が広がる中での開催となった。

秋晴れの空が広がるスタートラインに選手たちが整列する Photo: Nobumichi KOMORI

 1カ月前と異なるのは、出場チームも。新型コロナウイルス感染拡大を受けて長らくレース活動を自粛していたシマノレーシングチームが今レースからレースに復帰。また、入国制限が緩和されたことでフランシスコ・マンセボ(スペイン、マトリックスパワータグ)がついに来日を果たしたばかりか、小林海が来季加入予定のところを前倒してマトリックスパワータグに電撃加入。これまでの勢力図ががらりと変わることも予想される中、レースはスタートを迎えた。

12周147.6kmのレースがスタートする Photo: Nobumichi KOMORI

地元・小森亮平らが逃げ

 レースがスタートすると、アタック合戦の中から地元出身でこの日が誕生日の小森亮平(マトリックスパワータグ)が単独で抜け出して逃げる展開に。後方からは同じくメイン集団から抜け出した風間翔眞(シマノレーシングチーム)と門田祐輔(ヒンカピー・リオモ・ベルマーレ レーシングチーム)がブリッジをかける動きを見せ、ほどなくして先行していた小森に合流して3人の逃げ集団が形成された。

風間翔眞(シマノレーシングチーム)、小森亮平(マトリックスパワータグ)、門田祐輔(ヒンカピー・リオモ・ベルマーレ レーシングチーム)の3人が逃げ集団を形成する Photo: Nobumichi KOMORI

 一方のメイン集団は年間ランキング首位の宇都宮ブリッツェンが先頭に立ってコントロールを開始したことで落ち着きを見せ、その後は入れ替わるように那須ブラーゼンがペースメイクする展開になった。

メイン集団は那須ブラーゼンと宇都宮ブリッツェンの栃木県勢がコントロール Photo: Nobumichi KOMORI
協調して逃げ続ける3人の逃げ集団 Photo: Nobumichi KOMORI
複数のチームがペースアップに加わったことでメイン集団が逃げとのタイム差を縮め始める Photo: Nobumichi KOMORI

キンテロが増田とのマッチレースを制す

 その後、しばらくは3人の逃げ集団と那須ブラーゼンがコントロールするメイン集団という展開でレースは進んだが、折り返しとなる6周目になるとメイン集団が逃げ集団を吸収。レースは振り出しに戻って再びアタック合戦になった。

振り出しに戻った集団から阿曽圭佑(eNShareレーシングチーム)と新城雄大(キナンサイクリングチーム)の2人が抜け出す Photo: Nobumichi KOMORI

 その中から新城雄大(キナンサイクリングチーム)、阿曽圭佑(eNShareレーシングチーム)、織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)、畑中勇介(チームUKYO)の4人が抜け出して逃げ集団を形成。しかし、ほどなく織田と畑中がドロップ。さらにマンセボの冷静な判断でマトリックスパワータグがメイン集団のペースメイクをしたことで残る2人の逃げも吸収。集団は再びひとつになった。

メイン集団はマンセボがタクトを振るうマトリックスパワータグがペースメイク。電撃加入した小林海(中)も積極的にペースメイクに加わる Photo: Nobumichi KOMORI

 再びひとつになった集団では、上りを迎えるたびにマンセボが強烈なペースアップを見せたことで人数が絞られてスリム化。20人ほどにまでその人数を減らして残り2周となる11周目を迎えることに。

 11周目に入ると、チームメートの働きで脚を温存できたキンテロが満を時してアタック。この動きに増田成幸(宇都宮ブリッツェン)と山本大喜(キナンサイクリングチーム)が反応してキンテロに合流して3人の先頭集団が形成されが、ほどなくして山本が遅れ、先頭はキンテロと増田の2人になる。

マンセボの攻撃でスリム化した集団から、この後にキンテロと増田が抜け出す展開に Photo: Nobumichi KOMORI

 最終周に入ると2人と後方の集団とのタイム差が開き始め、勝負は2人に絞られることになった。最後の三段坂に入ると増田が攻撃を仕掛けてキンテロから数秒のリードを奪う展開になったが、その後の平坦と下り区間でキンテロが増田に追いつき、勝負はホームストレートでのスプリント勝負に。残り300mからスプリントを開始したキンテロに一度は付きかけた増田だったがその勢いには差があり、キンテロが増田を振り切って日本で初勝利となる優勝を飾った。

増田はプロリーダージャージ獲得

開幕前から噂されていた実力を発揮し、ようやく初勝利をあげたレオネル・キンテロ(ベネズエラ、マトリックスパワータグ) Photo: Nobumichi KOMORI

 昨年、圧倒的な力でJプロツアーを制してUCIプロチームへとステップアップの移籍を果たしたオールイスアルベルト・アウラール(ベネズエラ)をして、「自分よりも強い」と言わしめたキンテロ。これまでのレースでもその実力の片鱗を見せる場面はあったものの、勝利を挙げるまでには至らなかった。待ちに待った優勝に「今日の勝利は支えてくれたチームやチームメートのおかげ」と笑顔を見せた。

表彰式の前もフランシスコ・マンセボ(スペイン、マトリックスパワータグ)から多くのアドバイスを受ける Photo: Nobumichi KOMORI

敢闘賞を受賞した門田祐輔(ヒンカピー・リオモ・ベルマーレ レーシングチーム) Photo: Nobumichi KOMORI
左から2位の増田成幸(宇都宮ブリッツェン)、優勝したレオネル・キンテロ(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)、3位のフランシスコ・マンセボ(スペイン、マトリックスパワータグ) Photo: Nobumichi KOMORI
この日の結果でプロリーダージャージを獲得した増田成幸(宇都宮ブリッツェン)とネクストリーダージャージをキープした織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) Photo: Nobumichi KOMORI

 この結果、個人ランキングはこの日2位だった増田が首位に立ち、チームメートの小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)から引き継ぐ形でツアーリーダーの証であるプロリーダージャージを獲得。23歳未満のランキングトップの選手が着用するネクストリーダージャージは織田、チームランキングは宇都宮ブリッツェンがそれぞれキープしている。

 次戦、第11戦は翌27日に、同会場で「広島森林公園ロードレースDay-2」が開催される。

広島森林公園ロードレース Day1

1 レオネル・キンテロ(マトリックスパワータグ) 3時間43分11秒
2 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) +5秒
3 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ) +28秒
4 トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム) +32秒
5 大前翔(愛三工業レーシングチーム) +41秒
6 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン) +42秒
7 徳田優(チームブリヂストンサイクリング)
8 伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム) +45秒
9 西村大輝(宇都宮ブリッツェン) +1分21秒
10 阿曽圭佑(eNShare Racing Team) +1分24秒

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