バイクインプレッション2020運動性能が際立つスポーツe-BIKE スペシャライズド「ヴァド SL 5.0」

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 レーシングイメージが強いスペシャライズドだが、近年はe-BIKEの開発にも注力している。今回インプレッションしたのは、自社開発のアシストユニットを搭載した「ヴァド SL 5.0」。軽量なスポーツコミューターバイクの実力を確かめた。

スペシャライズドのe-BIKE「ヴァド SL 5.0」 Photo: Masami SATOU

 ヴァド SLを始めとするe-BIKE「ターボ」シリーズの最大の特徴は、モーターと車体の親和性にある。他メーカーのe-BIKEは、他社製のユニットを用いるのに対して、スペシャライズドは自社開発をしている。フレーム設計からモーターの開発を社内で一括して行うことで、優れた車体バランスを実現した。

中心部には自社開発のSL1.1モーターが組み込まれている Photo: Masami SATOU

 ヴァドSLにも用いられているSL1.1モーターは、ロードバイクタイプのe-BIKE「クレオSL」と同じモデルだ。軽量かつコンパクトながら、最大240Wの出力を発生。ECOモードでは最大130kmの走行を可能にしている。

 実車を目の前にすると、まずそのスマートな外観に魅せられた。バッテリーをダウンチューブ内に収めていることで、e-BIKEらしからぬ細身ですっきりとしたフォルムを纏っている。これもフレームとユニットを自社開発しているからこそ実現できたものであろう。

路面の振動を吸収するフューチャーショックがコラムに備わる Photo: Masami SATOU
トップチューブにはバッテリー残量を表示させるインジケーターが内蔵 Photo: Masami SATOU

46万円の価値は十分ある

 電源をオンにして、まずはターボモード(最大出力)でペダルを漕ぎ始めた。すると最初の一踏目こそググっと力強いトルクで背中を後押しするも、モーターが主役と言わんばかりの乱暴さや不自然さを感じさせない。乗り手の入力に対して、高度に制御されたモーターがリニアに反応する。ノーマル、エコモードでも特性は変わらない。

 運動性能も素晴らしかった。あえてアシスト無しの状態で走ってみたが、車体の中心部にモーターが載っているとは思えない軽さで走行できた。15kgを下回る車体重量を実現していることも関係しているが、車体とモーターユニットの重心がマッチしていることも影響しているだろう。人が操る楽しみをモーターユニットが奪うことなく総合的に設計された立派なスポーツバイクである。

ユニットとフレームの親和性が高く、アシストを切った状態でも軽快に走る Photo: Masami SATOU

 ルーベで定評のあるフューチャーショックも備え、前後には油圧のディスクブレーキ、メーターやライトも装備され、通勤や通学にも最適だ。しかしネックなのが価格。税込46万円を超え、「ロードバイク買えるじゃん」と思う読者も多いはず。確かにその通りではあるが、サイクリングで得られる楽しみをもっと上手にしてくれる1台であることは間違いなく、価格なりの価値はあると感じた。

 平日は通勤に、休日はヒルクライムに使ってもいい。たとえ乗り手がビギナーでパートナーが上級者のロード乗りであっても、同じスピード、景色、時間をシェアできるのだ。いや、恐らくヴァドSLの方が速い。自分がロードバイク(ペダルバイク)側なら「もっとゆっくり走ろう。あとでバイク交換しない?」ときっと提案するはずだ。

■スペシャライズド「ヴァド SL 5.0」

税込価格:462,000円
サイズ:S、M、L
重量:14.9kg
航続可能距離:130km※アシスト時

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