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つれづれイタリア〜ノ<151>軽快にジロ・ディタリア2020がやってくる! スター競演のPRビデオが話題に

by マルコ・ファヴァロ / Marco FAVARO
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 9月6日の日曜日、ツール・ド・フランスが開催されている最中に、イタリア国営テレビスポーツ専門チャンネルRai Sportにある広告が突然流れました。見ていた人の度肝を抜き、ソーシャルメディアを中心に騒然となりました。ジロ・ディタリア2020の新しいPRビデオです。2分未満のビデオですが、内容の完成度の高さと出演人物に歴史に残るビデオだろうと、絶賛されています。今回は、イタリア全土を興奮の渦に包むジロ・ディタリアの最新事情について話します。

ある日、ヴィンチェンツォ・ニバリがトレーニングをしていると…(動画よりキャプチャ)

ジロ・ディタリアをPRする軽快なビデオたち

 ツール・ド・フランスやジロ・ディタリアがスタートする前、様々なPRビデオが流れます。ほとんどは開催地の魅力や関連イベントをPRするものです。

 今年は猛威を振るいつづける新型コロナウイルスの感染拡大防止対策の影響で、今だに接触や移動制限がかけられています。もちろんレースの運営にも影響しています。イタリアの場合は、ゴール・スタート地点で厳しい入場制限が引かれています。PCR検査をクリアし、特別許可のない人は近寄ることができず、せっかく再スタートしたレースですが、現地で観戦したり、選手たちを応援したりしたいファンにとって、とても悲しい現実です。

 ここでジロを開催するRCS Sportと放映権を持っているイタリア国営テレビRAIは手を組んで、様々なPRビデオを制作しながら、ファンの興味を引きつけようとします。

ピーター・サガンが初登場

 ジロの10月開催が決まったことで、イタリアでも絶大な人気を誇るピーター・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)のコントシリーズが6月末から登場しています。設定は様々ですが初回はガイド付きの美術館案内のシーンから始まります。撮影場所協力したのは、あのミラノのブレラ絵画館。画家に扮したサガンは、カラヴァッジョ、ラッファエッロ、カノヴァなど、ルネッサンスの巨匠たちの名作を閲覧するグループに混じり美術館を回りながら、ガイドの言葉を一つずつ繰り返す。まるで丸暗記しているかのようです。驚いたほかの参加者は、こう尋ねる。

参加者「失礼ですが、この閲覧(ジロ)を何回かしましたか」
サガン「いいえ、初めてです」

(イタリア語、英語字幕)

 オチはその言葉遊びにあります。イタリア語で「閲覧」とジロ・ディタリアの「ジロ」は同じ発音。実はピーター・サガンは今年初めてジロに出ると宣言しており、自転車界のアイドルの登場を待っている人は多いです。

 サガンシリーズは4本公開されています。

【ビデオ2:サガンはオペラハウス、スカラ座に向かう】

【ビデオ3:仕立て屋バージョン】

【ビデオ4:サガンシェフバージョン】

レジェンドが登場する夢のPRビデオ

 9月6日から放送されている最新PRビデオには、トレック・セガフレードに移籍したヴィンチェンツォ・ニバリ(ジロ・ディタリア総合優勝2回)が出演しました。

(ニバリ自身もシェア)

 秋が深まる中でニバリがヒルクライムに挑み始める。そこで、ジロに登場し、レースを盛り上げた過去の巨人たちと名シーンがゆっくりと現れ始めます。

 最初は敗戦の混乱から立ち直りつつあったイタリアに勇気を与えたファウスト・コッピとジノ・バルタリ(伝説となったボトル交換シーンを再現)。次に1970年代に活躍して“人喰い人間”と称されたエディ・メルクスとそのライバル、フェリチェ・ジモンディ。1980年の代表として選ばれたのが、フランチェスコ・モゼールとジュゼッペ・サロンニ(現UAE・チームエミレーツマネージャー)です。

ニバリがコッピ、バルタリと競演(動画よりキャプチャ)

 さらに戦前のヒーローたち、コスタンテ・ジラルデンゴとアルフレード・ビンダの次には、世界中の自転車ファンの心を鷲掴みした不滅のライダー、マルコ・パンターニが現れます。1999年のジロ第15ステージのメカ・トラブルの名シーンが再現され、今ではイタリア人の誰もが涙を流すでしょう。

 ジロのスタートまであと少し。やはりどの大会にもドラマがあり、我々はその目撃者となります。戦っている選手を尊敬し、チームを応援するのが我々ファンとメディアの役割だと考えています。またきっと新たな伝説が生まれます。

Marco FAVARO(マルコ・ファヴァロ)

東京都在住のサイクリスト。イタリア外務省のサポートの下、イタリアの言語や文化を世界に普及するダンテ・アリギエーリ協会や一般社団法人国際自転車交流協会の理事を務め、サイクルウエアブランド「カペルミュール」のモデルや、欧州プロチームの来日時は通訳も行う。日本国内でのサイクリングイベントも企画している。ウェブサイト「チクリスタインジャッポーネ

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