ナビが安全かつ速く目的地へ導く高岡亮寛さんの日本縦断ギネス挑戦を支えた「エッジ1030プラス」の実力とは?

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 鹿児島県の佐多岬から北海道の宗谷岬まで約2600km。日本を縦断する超長距離を、ホビーレーサーの高岡亮寛さん(Roppongi Express)は6日13時間28分という速さで駆け抜けた。高岡さんがチャレンジに挑んだ背景には何があったのか。記録に挑んだ理由と、走りを支えた機材についてインタビューした。

鹿児島から北海道まで、“日本縦断”の最速記録に挑んだ高岡亮寛さん(Roppongi Express)がインタビューに応えた Photo: Shusaku MATSUO

1日を24時間と捉えた失敗も

 高岡さんはこれまでに、“ホビーレーサーの甲子園”と称されるツール・ド・おきなわ市民210kmクラスで6勝、昨年はUCIグランフォンド世界選手権(40-44歳カテゴリー)で2位入賞を果たした強豪選手だ。会社員として働く傍らで競技に参戦してきたが、今年に入り勤めてきた会社を退職。現在は東京・目黒区に自ら立ち上げたプロショップ「RX BIKE」のオーナーとして、変わらず自転車漬けの日々を送っている。

 これまで高岡さんは、ロードレースに対して積極的に取り組んできた。社会人チーム「Roppongi Express」を立ち上げてからはシクロクロスやトラックバイクのトレーニングを取り入れるなど、視野を広げた活動を行っている。そんな最中、日本縦断のギネス記録への挑戦を発表。8月上旬に見事記録を達成し、現在ギネスワールドレコーズ社に申請中だ。この過酷なチャレンジを挑んだ背景には、「自転車が好きだから」という明快な理由と、生活環境の変化があったという。

鹿児島県桜島をバックに、北海道を目指してひた走る高岡亮寛さん ©RX BIKE

――ロードレースを主戦場とする高岡さんですが、なぜ数日間にも及ぶロングライドという挑戦を選んだのでしょうか。

 長距離を走ることはもとから好きなんです。昨年は1日に何km走れるか、というチャレンジを自分で行い、545kmを走破できました。今年はコロナでレースイベントが軒並み中止になりましたが、それでも自転車に乗ることが好きなのでトレーニングは続けてきました。レースだけじゃない、他のことにももっと挑戦しようと思い、今回の企画を実施しました。

――ブルベやアメリカを横断するRAAM(Race Across America)、パリ~ブレスト~パリなどの長距離イベントは各地でありますが、どうして日本縦断だったのでしょうか。

 今まではサラリーマンでしたし、長期で休みを取ることが難しかった。しかし、今は比較的自由に時間を使える立場になりました。今回の挑戦は海外に行かず、国内で完結します。日本縦断にかかる時間は大体1週間くらいと漠然と想像できたということが理由ですね。チャレンジをサポートしたいと手を挙げてくれた仲間がいたことも大きな後押しとなりました。

――チャレンジ中、失敗したことはありましたか?

 1日当たり18時間、約400kmを走る計画でした。休みは睡眠込みで6時間という計算になります。ここにバッファが無かった。初日は順調でしたが、早くも2日目に遅れが出てしまいました。すると翌日、これを詰めるとなると睡眠時間を削るしかない。しかし、休息が短くなると、その先でまた遅れが出てしまう。悪循環ですね。1日を24時間と捉えて計画したことが失敗だったと言えるでしょう。

スタートした鹿児島県佐多岬から、ゴール地点の北海道宗谷岬に6日と13時間28分でたどり着いた ©RX BIKE

400km走って充電残量48%

――機材に対するこだわりを教えてください。

 ソフト面はもっと改善点があったのですが、バイクを含むハード面は完璧でした。快適性と空力性能と重量の完璧なバランスを実現したスペシャライズド「S-ワークス ルーベ」とロヴァールのホイール「ラピーデCLX」の組み合わせ。一度もパンクしなかったコンチネンタル「GP5000」のタイヤ、空気抵抗を削減したDHバー、フロントシングル仕様で組んだスラム「レッド e-TAP」など、再び記録に挑戦するとしても同じ装備で挑みたいと思う納得の機材でした。なかでも、ガーミン「エッジ1030プラス」は大いに活用しました。

――エッジ1030プラスをサイクルコンピューターとして選んだ理由とは?

機材面を完璧に仕上げたなかで、サイクルコンピューターに選んだのはガーミン「エッジ1030プラス」だった Photo: Shusaku MATSUO

 九州から北海道まで、知らない道しか走らないルートでナビ機能は絶対に必要でした。そして、1日16時間走っても耐えうるバッテリー容量を持つこと。この2つをクリアしていたのがエッジ1030プラスでした。普段はコンパクトな「エッジ830」を使用しており、1030プラスと操作感が変わらなかったことも選んだ理由です。迷いはありませんでした。

 実際、初日は400kmちょっと走行して、バッテリーの残量を見ると48%残っていました。もちろんナビゲーションを付けた状態だったし、リアビューレーダーの「RTL515」をペアリングさせた状態で。バッテリー切れを心配することは皆無でしたね。

――走行中は速度やパワーを表示させていたのでしょうか。

 いえ、ほとんど地図とナビを表示させていました。いま通っているルートが正しいのか間違っているのか、いちいち確認するために止まることは避けたかった。そのストレスが無いのはとても良かったですね。

ライドを共にした愛車のコックピットに収まる「エッジ1030」 Photo: Shusaku MATSUO
昭文社製の詳細な地図データと、ガーミンコネクトに蓄積されたヒートマップ情報と連動した正確なナビ機能 Photo: Shusaku MATSUO

 また、地図を表示させておくことでワインディングロードを通過中、先がどうなっているのか把握できたので安全に走れました。夜間も走りますからね。コーナーの緩急をあらかじめ知ることができるメリットは大きかったです。

――正確なナビと、詳細な地図データが高い平均速度を保てた秘訣ですね。

 実は道に迷ってロスした時間があったんです。「こっちの方向でいけるだろう」とナビとは違ったルートを進んだら間違っていた(笑)。その時、画面にはリルートが表示されていましたね。代替案が以前よりも賢くなっているなと感じました。合理的なルートを提示してくれていたと思います。

ロングライド派はエッジ1030プラスを

――普段はエッジ830を使用されているとのことですが、同じタッチパネル方式ですし、CPUの進化で操作感も軽快になりました。どのように使い分ければいいでしょうか。

「ロングライド派なら迷いなくこれ!」と経験をもとに語った高岡亮寛さん Photo: Shusaku MATSUO

 エッジ1030プラスの方がよりバッテリーの容量が多く、稼働時間が驚異的に長い。今回のように1日400km走っても全く問題ないし、さらに長いブルべでも充電せずに最後まで持つかもしれません。ロングライド派にぴったりだと思います。

 あとは画面が大きいことが特徴です。速度やパワーなどの数字も見やすいですし、地図やナビ機能も使いやすい。ハイエンドモデルなので、エッジの機能全てが備わっています。ロングライドだけでなく、トレーニングからレースでも効果的に活用できると思いますよ。

 一方、エッジ830はコンパクトです。少しでも車体を軽くしたいのであればこちらを選ぶべきです。動きに関してはどちらも差異はほとんどなく、タッチパネルの感度もこの世代から劇的に良くなっています。どちらも機能は似ていますが、用途によって使い分けられると思います。

◇         ◇

 高岡さんが持つ並外れたフィジカル、仲間のサポートがあったからこそ成しえた記録の達成であるが、その裏には理由があって選ばれたパーツやデバイスの存在があった。走行情報は速く走るためだけではない。これを安定した環境で表示させるサイクルコンピューターは、安全に走りたいホビーサイクリストにこそ必要ではないだろうか。

■ガーミン「エッジ1030プラス」

【製品概要】
税抜価格:86,000円
稼働時間:最大24時間/拡張バッテリー(別売り)の使用で最大44時間稼働
本体サイズ:58 × 114 × 19 mm
同梱品:本体、スピードセンサーDual、ケイデンスセンサーDual、HRM-Dual、延長アウトフロントマウント(拡張バッテリー対応)、ハンドルステムマウント、microUSBケーブル、ストラップ、クイックスタートマニュアル

(提供:ガーミンジャパン)

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