感染第2波でフランス95県中42県が「レッドゾーン」ツール・ド・フランスの新型コロナ対策が厳格化 発着地点や山岳での一般入域を制限

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 第2週の戦いが進行中のツール・ド・フランス2020だが、新型コロナウイルスの感染リスクの高まりを受け、スタート地・フィニッシュ地、カテゴリー山岳での一般入場を制限する方針を主催者A.S.O.(アモリ・スポル・オルガニザシオン)が示した。これらの動きは9月12日に実施された第14ステージから採用。この日のフィニッシュ地だったリヨンの様子と合わせながら、各種制限のまとめ、フランスの現状とを報告する。

リヨン市街地にフィニッシュした第14ステージ。フィニッシュライン付近は一般入域が禁止され無観客状態に Photo: Syunsuke FUKUMITSU

スタート・フィニッシュへの一般入場を禁止

 A.S.O.のジェネラルディレクター、ヤン・ルモナー氏が一部メディアに説明したところによると、スタートラインから100m、フィニッシュライン手前300mを基準に沿道への観客の入場を禁止するという。

スタートライン付近、ならびにフィニッシュライン付近での観戦を禁止する(写真はイメージ) Photo: Yuzuru SUNADA

 現在、フランスでは1日あたりの新規感染者数増加が続いており、9月10日には約1万人を記録。同国全体では36万人以上の感染者を数え、3万人以上の死亡者が出ている。

 この状況を受け、同国政府は新規感染者が過去7日間で10万人あたり50人を超えた県を「レッドゾーン」に認定。現時点で、フランス本土95県のうち42県が「レッドゾーン」となっている。

 その「レッドゾーン」にレースは足を踏み入れている。リヨンにフィニッシュした第14ステージに続き、第15ステージ、休息日をはさんでの第16ステージも危険区域を走ることになる。また、現状では第17ステージからいったん同ゾーンを離れるが、第19ステージで再び入域。最終・第21ステージで到達するパリももちろんレッドゾーンだ。

第15ステージは実質「無観客」レースか

 これらに関連して、第15ステージで上る3つのカテゴリー山岳のうち、2つ目の上りである1級山岳コル・ド・ラ・ビッシュと頂上フィニッシュが設けられる超級山岳グラン・コロンビエへの一般入場を禁止する見通しであることも明らかになった。

第15ステージは超級山岳グラン・コロンビエなどが無観客になる見込み。山岳での熱狂的な応援は見られない(写真はイメージ) Photo: Yuzuru SUNADA

 同地・アン県によるリリースをフランスの大手スポーツ紙・レキップが報じたもので、「現地時間9月12日から13日午後8時まで、両登坂区間への立ち入りを禁止する」としている。

 なお、このステージ1つ目の上りであるモンテ・デ・ラ・セル・ド・フロマンタルについては禁止されておらず、こちらは一般の観客による沿道での応援が許されるものとみられる。

 カテゴリー山岳については大会開幕以降、上級(超級または1級山岳)を中心に、登坂区間への一般立ち入りを徒歩または自転車に限定していた。しかし、第15ステージの2つの上りに関しては、より厳しく入域を制限し、実質「無観客」でのレース実施となるようだ。

第14ステージ・リヨンの実際

 大会後半に入ろうというところでの新型コロナ対策の厳格化。その実際をレポートしよう。

 第14ステージのフィニッシュ地、リヨンは都市圏としてはパリに次ぎフランス第二の規模を持つ。その中心となる「リヨン市」だけでも50万人以上の人口を誇る“都会”である。

フィニッシュ前500m地点を境に沿道にはバリケードが張られ入域を制限する Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 この日は最後の数キロから市街地をめぐるようなルートが設定され、街の中心部にフィニッシュラインが敷かれた。さらには土曜日とあって、レースに関係なく多くの人が街へと繰り出していた状況だった。

 そうした中で、主催者は急遽まとめた「厳しい新型コロナ対応」を実行。「フィニッシュ前300mを基準に沿道への観客の入場を禁止」と前述したが、この日は「フィニッシュ前500m」から入場禁止に。大会関係者を示すIDパスを持つ者や、禁止区域内の居住者・オフィスワーカーだけがバリケードの内側に入ることが許された。

 ただ、その外側では、少しでもフィニッシュに近いところで、またはコースに近いところで、レースを観ようという人たちでごった返し、ソーシャルディスタンスがまったく守られていない状態。入域の制限についての周知が追いついていないからか、バリケード内に入れない理由を求めてセキュリティ要員に執拗に迫る人の姿も見られた。

“有観客”ゾーンは少しでも近くでレースを見ようとソーシャルディスタンスが守られていない状態だ Photo: Syunsuke FUKUMITSU
フィニッシュ近くで観戦が許されたのは招待客のみだった Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 バリケードの外の混乱については不安要素が尽きないが、ひとまず大会としての対応は明確に見られた印象だ。情勢がめまぐるしく変化する日々で、なおかつスタート地・フィニッシュ地それぞれの街の規模が異なる中で、いかに適切な措置が講じられていくのか。主催者A.S.O.のみならず「ツール・ド・フランス」としての質が問われることとなる。

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