title banner

浅野真則の使ってよかった自転車アイテムコンパクトボディながらフレックスホース採用で空気が入れやすいレザインの携帯ポンプ

by 浅野真則 / Masanori ASANO
  • 一覧

 出先でパンクしたときの必需品・ハンディポンプ。携行性を考慮すると小型で軽い方がいいけれど、空気の入れやすさを考えるとある程度大きい方がいい――というのが悩ましいところです。また、口金がしっかりバルブをくわえることや、空気を入れやすいかも実際に使ってみないと分かりません。今回はさまざまな携帯ポンプを仕事やプライベートで試してきたライター浅野が、最も気に入って長年愛用するレザインのハンドポンプ「ライトドライブ」と新製品の「ポケットドライブ」について熱く語ります。

筆者が長年愛用するライトドライブ(上)と機能はほぼそのままでコンパクト化された新製品ポケットドライブ Photo: Masanori ASANO

小さくて軽ければいいというわけじゃない

 自転車の空気入れは、大きく分けて2種類あります。フロアポンプとハンディポンプです。フロアポンプは自宅に置いておいたり車でレースやイベント会場入りするときに持って行ったりするいわゆる普通の空気入れで、これはこれで必要です。しかし、出先でパンク修理をする際にはもっと小型のハンディポンプが必要です。これはどちらか一方を持っていれば併用できるというものではなく、ビギナーでも早い段階に両方そろえるべきものです。

 さて、今回はハンディポンプの話。ハンディポンプはライド中に持ち運ぶ以上、携行性は重要です。しかし、携行性を重視するあまり、小ささと軽さという観点だけでハンディポンプを選ぶのはおすすめできません。空気入れの重要な任務である「空気をしっかり入れられること」という点において、小さくて軽いポンプは十分な仕事を果たせないことが多いのです。両者をどこで両立するかがハンディポンプ選びのポイントなのです。

レザインのポンプはフレックスホースと精密な作りが素晴らしい

 僕はいろいろなハンディポンプを試した上で、これぞと思える製品に出会い、長年愛用し続けています。レザインの「ロードドライブMサイズ」とその後継モデルの「ライトドライブ」です。

 ライトドライブの素晴らしいポイントは3つあります。ひとつめは口金がABSフレックスホースに装着されていて力の入りやすい姿勢でポンピングできること。2つめは精密な作りで最大160psiまで空気を入れられることです。3つめはサイクルジャージのバックポケットに収めても大きくはみ出さず、かつ空気も入れやすい全長180mmという絶妙なサイズ感であることです。

 ABSフレックスホースは、文字通り口金の付いたホースで、片側がフレンチバルブ用、反対側が米式バルブ用になっています。ホースは簡単に曲がるので、口金の向きに対して本体の向きをある程度自由に動かせます。つまり、ポンピングしやすい位置にポンプを持ってくることができるので、力強くポンピングできますし、無理な姿勢でポンピングしなくていいので腰への負担も少ないのです。しかもホースは普段本体に収納されていて、使うときだけ取り出して装着する形なので、邪魔になりません。

ABSフレックスホースのおかげで、口金の向きと全く別の方向に本体の向きを変えられる。ポンピングしやすい位置にポンプを持ってくることができるので、空気を入れやすい Photo: Masanori ASANO

フレックスホースは本体の内部に収納されている。使うときに取り出す形だ Photo: Masanori ASANO
本体からフレックスホースを取り出したところ。片側がプレスタ(仏式バルブ)、もう一方がシュレーダー(米式バルブ)の口金になっている Photo: Masanori ASANO
フレックスホースを取り出した側と反対側の先端にねじ込むとホースを装着できる。フレンチバルブに空気を入れる場合は、本体側にシュレーダーバルブの口金をねじ込む Photo: Masanori ASANO

 さらに口金は内側にネジが切ってあり、バルブのねじ切り部分にしっかりとねじ込んで使えるので、ポンピング中に口金が外れにくく、バルブ先端のバルブコアを曲げてしまう恐れも低減できます。口金が外れにくいため、高圧までしっかり空気を入れやすいというメリットもあります。

 空気をしっかり入れられるという理由には、レザインの工具に共通する精密でしっかりとした作りも挙げられるでしょう。品質の悪いポンプだとポンピング中にハンドルと本体にガタが生じたり摩擦が大きくてスムーズに伸縮できないことがありますが、レザインのハンディポンプはガタがなくて動きも本当にスムーズです。CNC加工によって作られたアルミボディは精緻の極みであり、道具として求められるタフさと使い込ごちのよさに通じる上質さも兼ね備えていて、どこか高級外車に通じるものがあります。

ABSフレックスホースの口金にはネジが切られている。バルブにねじ込むことで、口金がしっかりとバルブをくわえるので、空気を入れる途中で口金が外れることがない Photo: Masanori ASANO
ピストン周辺の作りも非常にしっかりしていて、ポンピング中にガタを感じることは皆無。動きも非常にスムーズだ Photo: Masanori ASANO

新発売の小型版・ポケットドライブはより携行性を重視

 レザインのハンディポンプには、最近ポケットドライブというモデルが仲間入りしました。手のひらに載るほどコンパクトで、ABSフレックスホース付き、最大160psiまで空気を入れられるのが特徴です。

 ライトドライブとのスペックを表で比較してみましょう。

 こうしてみると、ポケットドライブは長さが140mmとかなりコンパクトですが、重量はほとんど変わりません。しかし、この140mmという長さは一般的なツールボトルや少し大きめの0.7リットルクラスのサドルバッグに収まるサイズですから、携行性を重視する人にはありがたいでしょう。

カタログスペックでは、ポケットドライブが全長140mm、ライトドライブは180mm。実寸は両端にシリコン製のキャップが付いているのでもう少し長い Photo: Masanori ASANO
ポケットドライブは、一般的なツールボトルに余裕で収まるサイズ感。ジャージのポケットにも余裕で収められる Photo: Masanori ASANO
ポケットドライブは、0.7リットルサイズのサドルバッグにも収まる Photo: Masanori ASANO

 仏米の両方のバルブに対応するABSフレックスホースも両モデルに付いていますし、精密な作りでスムーズなポンピングが可能である上質な使い心地も両者で大差はありません。どちらも上質な使い心地で知られるレザインの工具らしさを感じさせます。

 ライトドライブとポケットドライブは本体の太さはほぼ同じですが、ポンプを最大まで伸ばしたときと一番縮めたときのストローク量はほぼ2倍の差があります。これはどういうことかというと、両者で同じ空気圧まで空気を入れる場合、ライトドライブはポケットドライブより少ない回数でできるということです。作業性という点に関しては、ライトドライブに軍配が上がります。しかし、ポケットドライブはグリップのところがやすり目になっているので、高圧になっても手が滑りにくかったのは印象的でした。

ライトドライブとポケットドライブを最大限に伸ばした状態。ピストンを最大に伸ばした状態と最も縮めた状態の差であるストローク量は、ライトドライブの方が2倍ほど長い Photo: Masanori ASANO
ポケットドライブのグリップ部は、やすり目のようになっていて滑りにくくなっている Photo: Masanori ASANO

 ちなみに、700×25Cのクリンチャータイヤに空気圧が0の状態から200回ポンピングしたときに、ポケットドライブは約60psi(約4.1bar)、ライトドライブは約70psi(約4.8bar)まで入れることができました。平均的な60~65kgぐらいの体重のライダーが、とりあえず走って帰るための緊急用として使うのであれば十分でしょう。

ライトドライブとポケットドライブ、おすすめは?

 個人的にはロードバイクでロングライドに行くならライトドライブ一択です。やはり少ないポンピング回数で高圧まで空気を入れられる方がラクだからです。カラーの選択肢が豊富なのもライトドライブの魅力でしょう。

 ポケットドライブは、「ツールケースにどうしてもハンディポンプを入れたい」とか「ジャージのバックポケットから空気入れがはみ出さないようにしたい」という携行性重視の人にはおすすめです。小型のポンプとしては空気もしっかり入れられるので、個人的には近所を自転車で散歩するようなときに使っています。

浅野真則(あさの・まさのり)

自転車ライターとして活動する傍ら、Jエリートツアーやホビーレースに参戦したりロングライドを楽しんだりする根っからの自転車好き。楕円チェーンリングやビッグプーリーなど気になったものは試さずにいられないタイプ。試してみたいアイテムや自転車は多いが、身体がひとつしかないのが悩み。

※本記事の商品紹介リンクを経由して、商品・サービスを購⼊すると、その⼀部が紹介料として(株)産経デジタル(以下、当社)に付与されることがあります。

※本記事における商品紹介のリンク先は,当社が提供するサービスではありません。リンク先で表示される価格情報は最安とは限りません。リンク先での行動はすべて利用者自身の責任でご判断ください。当社は一切の責任を負いかねます。

この記事のタグ

自転車アイテム セレクション

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

Cyclist CLIP

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載