■ピナレロ「パリ ディスク」
税抜価格:339,000円(105MIX完成車)
サイズ:43、46、49、51.5、53、54.5、56、58
ピナレロの「パリ ディスク」をインプレッション。快適性が高いジオメトリーに、上位モデル譲りのエアロデザインを採用したモデルだ。伝統的なネーミングを与えられた新モデルの実走レビューをお届けする。
パリの初代は90年代に登場した。時代がアルミからカーボンへ素材が遷移していくなか、パリも進化し続け、ドグマに次ぐセカンドグレードながらレーシングシーンで活躍。2014年モデルをもってラインナップから途絶えていたが、今回2021年モデルにパリ ディスクとして復活を果たした。以前のコンセプトから路線を変更し、速さだけでなく乗りやすさや快適性を高めた設計なのが特徴だ。
ジオメトリーは乗り手の上体を起こし、より楽なポジションへと導くため、ショートリーチ&ハイスタックに設計された。優れたコントロール性を持つ油圧ディスクブレーキを採用。コンポーネントはシマノ105ミックスだが、将来的に電動コンポーネントへの換装を見据えてE-Linkシステムがダウンチューブに備えられている。
一目でピナレロだと分かるスタイルが物語る通り、エンデュランスに寄ったコンセプトとなってもスピードが意識された設計だと見て取れる。実走してもその印象は顕著で、乗りやすさのなかには常にレーシングバイクとしての伝統が息づいていた。
カーボン素材はT600を採用しており、上位モデルと比較すると剛性面ではおとなしい。しかし、重心がとても低いことで、車体の取り回しが軽く、特にダンシングでは少ない力でスッと進む。乗り手の8~10割の領域で真価を発揮する「ドグマ」や「プリンス」とするならば、3~6割の力をかけている間が一番気持ちがよく走ることができた。実際、サイクリングやツーリングをするときにはこの帯域が最も多用するはずだ。
ハンドリングはピナレロの伝統を受け継ぎ、速度が上がるごとに安定感が増していく。高速コーナーでも重心の低さが生き、狙ったライン上をスムーズになぞることができた。乗り手が快適に感じるツボは単純に振動を抑えて乗り心地を良くするだけではないのだと改めてパリ ディスクに乗って思った。
プリンスFXと同様に、ホイールとタイヤをグレードアップさせた方がより本来の性能を発揮できるはずなので、ぜひ購入する際は「ピナレロホイールアップグレードプログラム」を活用してほしい。ただ楽なだけではない、「やっぱりピナレロだ」という速さと安定感が詰まった乗り味は、ツーリングからエンデューロレースまでマルチに活躍できる1台だ。
■ピナレロ「パリ ディスク」
税抜価格:339,000円(105MIX完成車)
サイズ:43、46、49、51.5、53、54.5、56、58
サイクリスト編集部員。10代からスイスのUCIコンチネンタルチームに所属し、アジアや欧州のレースを転戦。帰国後はJプロツアーにも参戦し、現在は社会人チーム「Roppongi Express」で趣味のレースを楽しむ。JBCFのカテゴリーはE1。数多くのバイクやパーツを試してきた経験を生かし、インプレッション記事を主に担当している。
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