バイクインプレッション2020ピナレロ「プリンスFX DISK」 ドグマの性能を受け継ぐレーススペック

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 ピナレロの「プリンス」がモデルチェンジを果たした。今作もハイエンドモデルの「ドグマF12」のスペックを受け継ぎ、エアロ性能が強化。高いグレードのカーボンが使用され、よりレーシーな「プリンスFX」を実走で試した。

ピナレロ「プリンスFX DISK」 Photo: Masami SATOU

 プリンスは何代も前からプロの実戦で使用されてきたレーシングモデルだ。前モデルではドグマF10のエッセンスが取り入れられエアロ化を実現。今回、ドグマがF12へ進化したことに伴い、プリンスのフルモデルチェンジが図られた。

グラマラスかつエアロ性能に特化したフレーム形状に Photo: Masami SATOU

 ラインナップは素材にT700カーボンを使用した「プリンス」と、より弾性率に優れたT900カーボンを使た「プリンスFX」の2種類で、フレーム形状は同様のものとなる。プリンスのみリムブレーキ仕様も用意されている。

 大きく向上したエアロ性能はドグマF12に匹敵するものとなった。フロント周りのケーブル類はハンドルとステムにフル内装化を果たし、エアロダイナミクスを大幅に向上。かつ、ステムの高さ調整などを複雑化せず、ユーザビリティに優れた設計となっている。

ワイヤーケーブル類がフル内装化されて空力が向上 Photo: Masami SATOU
シートステーは非対称型 Photo: Masami SATOU

バイクに委ねた方が速い

 ピナレロのレーシングバイクの特徴として、高い安定性が挙げられる。低速からどっしりと構えた車体は、速度が上がってもその特性が変わることなく、乗り手のパワーをしっかりと受け止め、推進力へ繋げていく。その伝統的な乗り味はプリンスFXにも受け継がれていた。

「バイクに委ねた方が速い」と感じさせる安定感が魅力 Photo: Masami SATOU

 どっしり、と表現した高いスタビリティだが、決して重々しい印象はない。シッティング時でも、ダンシングをしても意図した以上の動きがなく、無駄がないのだ。特にフォークをはじめとするフロント周りのフィーリングが優秀で、コーナリング中に生じる余計な振動や不安要素を感じさせず、狙ったラインをぴたりとなぞることができる。「バイクを操るという感覚よりも、バイクに委ねてしまった方が速い」とも思わせる。

 ドグマ譲りの剛性感も健在で、ハイアマチュアでも全く不足になることはないだろう。加速の鋭さ、最高速域の伸びはハイエンドモデルのドグマF12に一歩譲るものの、プロ選手ほどの脚力が無い限りは十分なはず。

 ただ、完成車の付属しているホイールとタイヤではポテンシャルが生かしきれていないようにも感じた。さらに軽いホイールへ換装することで、ドグマへ匹敵する走りを実現できるはず。ピナレロホイールアップグレードプログラムで当初から上位のホイールを選択してみても良いだろう。

■ピナレロ「プリンスFX DISK」

税抜価格:689,000円(アルテグラDi2完成車)、569,000円(アルテグラ完成車)、469,000円(フレームセット)
サイズ:43、46、49、51.5、53、54.5、56、58

松尾修作

サイクリスト編集部員。10代からスイスのUCIコンチネンタルチームに所属し、アジアや欧州のレースを転戦。帰国後はJプロツアーにも参戦し、現在は社会人チーム「Roppongi Express」で趣味のレースを楽しむ。JBCFのカテゴリーはE1。数多くのバイクやパーツを試してきた経験を生かし、インプレッション記事を主に担当している。

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