クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2020 第3ステージマドレーヌ峠で仕掛けたフォルモロが独走勝利 ログリッチは手堅く総合ジャージをキープ

by 平井久美子 / Kumiko HIRAI
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 クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ(UCIワールドツアー)の第3ステージが8月14日に行われ、序盤から逃げ続けたダヴィデ・フォルモロ(イタリア、UAE・チームエミレーツ)が独走勝利を飾った。個人総合は終盤までアシストを残し、有利なレース運びをしたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)がキープしている。

中盤の超級山岳から単独逃げとなったダヴィデ・フォルモロ(イタリア、UAE・チームエミレーツ)が独走逃げ切りで優勝 ©︎ A.S.O./ Alex Broadway

中盤に超級山岳、ラストは1級山頂

 第3ステージは、コランからサン=マルタン=ド=ベルヴィルまで157km。上りフィニッシュの山岳コースとなっている。ポイントとなりそうなのは、中盤に登場するマドレーヌ峠(距離17.3km/平均勾配8.3%)。ツール・ド・フランスをはじめとした様々なレースで使われた難関峠が選手を襲う。

 スタート後、複数の選手が逃げを試みたものの決定的なものとはならず。ようやく決まったのは、20分程経った頃だった。

逃げた9人 ©︎ A.S.O./ Alex Broadway

 逃げたのは、フォルモロのほか、ダニエル・オス(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)、ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、ドゥクーニンク・クイックステップ)、ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)、クリストファー・ユールイェンセン(デンマーク、ミッチェルトン・スコット)、セーアン・クラーウアナスン(デンマーク、)、ヤシャ・ズッタリン(ドイツ、ともにチーム サンウェブ)、ガイ・ニーブ(イスラエル、イスラエル・スタートアップネイション)、マキシム・シュバリエ(フランス、B&Bホテルズ・ヴィタルコンセプト)の9人。独走力のある面々で構成された。
 一方、メイン集団とのはタイム差は約3分。ログリッチ擁するユンボ・ヴィスマがコントロールしていた。

マドレーヌ峠へ突入

 レースが動いたのはマドレーヌ峠の上り。フォルモロとラトゥールが抜け出し、さらにフォルモロが先行する。その他の逃げメンバーはマドレーヌを前に続々とペースを落としていった。

単独抜け出したフォルモロ ©︎ A.S.O./ Alex Broadway

 調子の良さが伝わるフォルモロの走り。マドレーヌ峠頂上では約1分後ろにラトゥール、その後方にユンゲルス、クラーウアナスン、シュバリエ、さらに後ろに位置するメイン集団が続いていた。そのタイム差は5分程になっていた。そのメイン集団は、ユンボ・ヴィスマやナイロ・キンタナ(コロンビア)擁するアルケア・サムシックがコントロール。集団はこのまま下りに突入した。

ユンボ・ヴィスマがコントロールするメイン集団 ©︎ A.S.O./ Alex Broadway

 フォルモロは依然としてタイム差をキープ。マドレーヌの下りを終えてもタイム差を5分程に保っていた。前日終了時点でログリッチとのタイム差は4分44秒で順位は40位。総合争いが困難な一方、それがステージ優勝を引き寄せたとも言える。

決戦は最後の上りへ

 残り約17km、フォルモロから約3分半後ろにユンゲルス、ラトゥール、クラーウアナスン。更に約1分後ろにユンボ・ヴィスマがコントロールするメイン集団が位置していた。

 約15km、平均勾配6%の上りに突入。ここからフィニッシュまで上りとなる。10kmでのタイム差は3分半。上りに入り集団が有利になるかという予想とは裏腹に、フォルモロは快調にゴールを目指す。

フォルモロは山岳賞ジャージも獲得 ©︎ A.S.O./ Alex Broadway

 一方、メイン集団は依然ユンボ・ヴィスマがコントロール。この時点でポイント賞ジャージを着るワウト・ファンアールト(ベルギー)が仕事を終える。だが、チームの層は厚い。トム・デュムラン(オランダ)、ステフェン・クライスヴァイク(オランダ)といったエース級の力を持った選手達が牽引する。チーム イネオスやボーラ・ハンスグローエなどもその後ろに控えていたが、その人数はユンボ・ヴィスマには敵わない。

 レースもいよいよクライマックス。ここまで逃げ続けたフォルモロの疲れ、力を残していたメイン集団の牽引により、徐々にタイム差が縮まる。7kmで約2分半、5kmで2分、2.5kmで1分半、1.5kmで1分。いつ捕まってもおかしくない状況だった。
 ただ、フォルモロはここから更に粘った。後ろの追撃を引き離す。残り500mでもタイム差を1分弱にまとめ、そのまままゴールラインをトップ通過。序盤から逃げに乗り、超級山岳マドレーヌ峠で仕掛け、そのまま勝利を手に入れた。

メイン集団の先頭は総合首位のログリッチが取った ©︎ A.S.O./ Alex Broadway

 一方のメイン集団。5.7km地点でレナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が抜け出す動きも見せたが、1.4kmで吸収。300mでダニエル・マルティネス(コロンビア、EFプロサイクリング)、パヴェル・シヴァコフ(ロシア、チーム イネオス)、ログリッチがアタックする。その動きに総合2位のティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ)もすかさず反応。ログリッチ、ピノという順でゴールした。

 ログリッチはリーダージャージをキープ。チーム力も独走力も光るレースを展開した。総合4位だったエガン・ベルナル(コロンビア、チーム イネオス)はログリッチから9秒遅れてのゴールとなり、総合順位を7位に下げている。

第3ステージ結果
1 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、UAE・チームエミレーツ) 4時間6分56秒
2 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) +33秒
3 ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ)
4 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
5 ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFプロサイクリング)
6 ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・マクラーレン)
7 ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)
8 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAE・チームエミレーツ)
9 パヴェル・シヴァコフ(ロシア、チーム イネオス) +39秒
10 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム)

個人総合
1 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) 13時間14分35秒
2 ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ) +14秒
3 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +20秒
4 ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス) +24秒
5 ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・マクラーレン) +26秒
6 ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFプロサイクリング)
7 エガン・ベルナル(コロンビア、チーム イネオス) +31秒
8 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) +32秒
9 ナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック) +35秒
10 リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード)

ポイント賞
1 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)
2 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)
3 ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ)

山岳賞
1 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、UAE・チームエミレーツ)
2 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)
3 ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ)

新人賞
1 ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFプロサイクリング) 13時間15分1秒
2 エガン・ベルナル(コロンビア、チーム イネオス) +5秒
3 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAE・チームエミレーツ) +51秒

チーム総合
1 ユンボ・ヴィスマ 39時間47分41秒
2 チーム イネオス +7分30秒
3 EFプロサイクリング +11分8秒

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UCIワールドツアー クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2020 ロードレース

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