title banner

サイクリスト目線でピックアップ‟キャンプツーリングの達人”山下晃和さんが使って選んだおすすめスリーピングマット3選 

  • 一覧

 前回ご紹介したスリーピングバッグ(寝袋)は体温をキープして保温する役割がありますが、さらに 快適な寝心地を確保するために重要なのがキャンピング用のスリーピングマット(スリーピングパッド、またはマットレス)です。これがあれば地面が土であろうと、砂利であろうと、河原であろうと関係なく、まるでお布団のような睡眠環境を作り出すことができます。また、商品によってはインシュレーテッド(断熱素材)を用いることでスリーピングバッグの保温性をキープしてくれる効果もあり、秋冬の寒い時期にはかなりありがたい存在になります。

快適な眠りの必須アイテム。おすすめのスリーピングマットを紹介します Photo: Akikazu YAMASHITA

 大きく分けると、スリーピングマットには3つのタイプあります。銀ロールマット(アルミロールマット)、クローズドセルマット(折り畳みマット)、インフレータブルマット(膨らませるマットと自動膨張マット)です。

 しかし、オートキャンプと違い、縦走登山や自転車で行くキャンプツーリングとなると積載時の収納サイズを最優先させる必要があるので、インフレータブルタイプを使っている人が圧倒的に多いと思います。そこで今回は実際に使って良かったインフレータブルタイプを2点、クローズドセルマットを1点ご紹介します。

米軍でも使われている「クライミット」のV字型パターンのマット

 1つめは「KLYMIT」(クライミット)というブランドの「スタティックV」というインフレータブルマットです。クライミット社は、2007年に米国のユタ州ソルトレイクシティで生まれたアウトドアメーカー。「Sleep Outdoor」(外で眠れ)をコンセプトに快適で軽量なアウトドアギアを開発し、製品を企画から生産まで一貫して行う数少ないブランドです。本国では空気を入れて保温するシステムを使ってベストやウエアなども作っています。米国の本社に勤めているスタッフも自転車が大好きで、夏場は、毎日自転車通勤をしていました。

クライミットのインフレータブルマット「スタティックV」 Photo: Akikazu YAMASHITA

 こちらのベージュのマットは中央部分がVの字になっているのがわかるでしょうか? 人間工学に基づいた独自のボディマッピングのテクノロジーを用いているため、このV字パターンが最高の寝心地を提供してくれます。また、外側にやや高い膨らみがあるので、寝返りが激しい人でも身体が落ちないようにしてくれます。

空気吸入口がある方が頭です。上下逆さまに寝てしまうと寝心地が悪いので注意です。こちらは前々回ご紹介したモンベルのムーンライトテントⅠ型に敷いた状態。横幅はちょうど良いサイズ。縦幅には少し余裕があるので、バッグ類は頭に置くか前室に置くのが良いでしょう Photo: Akikazu YAMASHITA

 重量も約530gとコットンのTシャツ2枚分ほどです。折りたたむと非常にコンパクトになり、1リットルの水のペットボトル以下になります。「スタティックV2」は後継型でさらに100gほど軽量化しています。

左下のベージュのバッグがスタティックVの収納サイズ。その上の物が、前回ご紹介したナンガのミニマリスムというスリーピングバッグ。それに比べても、かなりコンパクトなのが分かると思います Photo: Akikazu YAMASHITA

 ちなみにこの落ち着いたカラーリングのベージュはミリタリーカラーと呼ばれ、実際に米軍にも提供しているとのこと。砂漠の地で目立たないようになっていて非常にオシャレです。

超軽量、コンパクトな穴開きマット

 2つ目も同じくクライミットの「イナーシャX」というモデルのインフレータブルマットです。口で膨らませる点は同じですが、こちらは所々に穴が開いていて、まるで魚の骨のようになっています。

クライミットのインフレータブルマット「イナーシャX」 Photo: Akikazu YAMASHITA

 その理由は、寝袋の下に敷くのではなく、中に入れるタイプのマットになっていて、背中に敷いてもロフト(羽毛の嵩高)が潰れないようになっています。

この寝袋の中に入っている黄色いマットがイナーシャX。たくさんの穴が開いているのが分かると思います Photo: Akikazu YAMASHITA

 この穴の部分に暖かい空気の層ができるというギミックです。そして、見た感じは平らに見えますが、こちらもボディマッピングで背骨や腰椎に沿うように立体的になっています。横向きでも寝れなくはないのですが、主に仰向けに寝る構造に作られているように思います。もちろん穴が開いている分、さらに軽量になっていて、なんと258g! 収納サイズも350mlの缶ジュースと同じくらいになり、かなりコンパクトです。

手の中に収まるほどの350ml缶サイズは、他のメーカーには無いほど小さいので、バイクパッキング用の大型サドルバッグに簡単に入れられます。また、フカフカの芝生の上のキャンプ場の時にはマットがなくても快適なところもあるので、使わないとしても保険として持っておくのにも苦にならない大きさでしょう Photo: Akikazu YAMASHITA

キャリア付自転車なら「クローズドセルマット」もあり

 3つめは膨らませるタイプではなく、クローズドセルマットというタイプの折り畳みマットです。「サーマレスト」はアメリカのシアトルが起源で1970年代前半から山岳用のキャンピングマットを製造している歴史のあるブランド。1989年に「Z-LITE」というオレンジ色のパタパタマットが販売されて以来、現在も愛用者が多いのです。

サーマレストのクローズドセルマット「Z-LITE」 Photo: Akikazu YAMASHITA

 空気が入っているインフレータブルタイプは、万が一、尖った岩や鋭利な植物などが刺さってしまった場合はパンクしてしまうという弱点がありますが、こちらはパンクのリスクがありません。重さも410gとかなり軽量です。

サッと取り出して、広げるだけなので設営・撤収が早いのも良いポイントです Photo: Akikazu YAMASHITA

 また、ファミリーキャンプやオートキャンプでも使え、子供に人気です。飲み物や食べ物をこぼしてしまったとしてもサッと拭くだけで掃除ができ、日々のメンテナンスも非常に楽です。さらに、インフレータブルのマットに比べると値段は半分くらいと格安なのもうれしいポイントです。

ファミリーキャンプやオートキャンプ、車中泊で車のシートに使う場合など多用途に使えるのも良い点です。子供にも大人気! Photo: Akikazu YAMASHITA

 唯一の弱点は、折り畳んだとしてもそこそこの大きさになるので、大きめのパニアバッグやキャリアなどが無いと運べないというところです。

 

◇         ◇

 

 今回は3つのモデルをご紹介しましたが、マット類も年々進化を遂げており、軽量化、コンパクト化が著しいです。5年前の物でさえ重くて自転車ツーリングには辛い、といったようなことも多々あります。技術が進化していったら、そのうち、スマホと連動して硬さを変えられる、なんてアイテムも出そうな気がします。ぜひ、自転車に付けるバッグ類と相談してベストマッチの1枚を選んでください。

山下晃和(やました・あきかず)

タイクーンモデルエージェンシー所属。雑誌、広告、WEB、CMなどのモデルをメインに、トラベルライターとしても活動する。「GARVY」(実業之日本社)などで連載ページを持つ。日本アドベンチャーサイクリストクラブ(JACC)評議員でもあり、東南アジア8カ国、中南米11カ国を自転車で駆けた旅サイクリスト。その旅日記をもとにした著書『自転車ロングツーリング入門』(実業之日本社)がある。趣味は、登山、オートバイ、インドカレーの食べ歩き。ウェブサイトはwww.akikazoo.net

※本記事の商品紹介リンクを経由して、商品・サービスを購⼊すると、その⼀部が紹介料として(株)産経デジタル(以下、当社)に付与されることがあります。

※本記事における商品紹介のリンク先は,当社が提供するサービスではありません。リンク先で表示される価格情報は最安とは限りません。リンク先での行動はすべて利用者自身の責任でご判断ください。当社は一切の責任を負いかねます。

この記事のタグ

自転車アイテム セレクション

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載