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気になるアイテム使ってみた話題のアクションカム「Insta360 ONE R」をレビュー 360度撮影で“見たまま”を映像に

by 大関賢土 / Kento OZEKI
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 アクションカムがあればロードバイク動画は臨場感がある面白いものに仕上げることができます。今回は360度、あらゆる角度からの映像を残せる話題のアクションカム「Insta360 ONE R」をご紹介。GoProとの違いについても述べます。

360度+4Kモジュールセットのツイン版、赤いバッテリーモジュールが特徴的 Photo: Kento OZEKI

画期的な構造

 まずInsta360 ONE Rは、以前紹介したInsta360 GO等を発売するArashiVisionのInsta360シリーズの新製品です。いくつかのアクションカムを使用してきた経験からすると、このカメラはちょっと画期的な機構を搭載していますので、簡単に紹介しておきます。

 このカメラの最大の特徴は、レンズモジュールを交換できるという点です。この機構によって360度デュアルレンズモジュールや、4K広角モジュール、大型の1インチセンサーを搭載した1インチ広角モジュールが使えます。

どんな映像が撮れるのか

 やはり面白いのは、上下左右の様々なアングルから写真・動画を撮影できる360度映像です。大自然でのライド写真や映像はもちろんのこと、都心部のビル群の中などを走っても面白い映像が撮れるはずです。

 一般的なカメラやアクションカムでは、目で見たものを映像に残したいと思っても、画角やワイドレンズの影響で撮影してみても、どこか「思っていたのと違う」ことになりますが、360度カメラではそうした点が解消されます。

 360度で撮影しておけば、後から必要な部分を抜き出すことも可能なので、とりあえず撮影しておいて、後から必要な部分だけを残せるのも便利です。

360度で撮って抜き出せば、こんな写真も撮れる Photo: Kento OZEKI

 カメラをハンドル周りに固定すれば、前方そして周囲の景色を映しつつ、自分が自転車を漕ぐ様子も撮影することができます。また、360度カメラモジュールを使用する場合、手に持って撮影すると手が写ってしまいますが、自撮り棒を使用すると、撮影時に自撮り棒を自動で消してくれます。使ってみると思っている以上に重宝します。自撮り棒を伸ばして上から撮影すれば、まるでゲームの第三者視点の様な映像も作れますし、下から撮影すれば、地を這うような視点も可能です。

アクセサリの自撮り棒はアルミ製で最大120㎝まで延長可能 Photo: Kento OZEKI

 一方の4K広角モジュール(一般的なアクションカムのスタイル)では、GoPro等と同様の映像が撮影可能です。アクションカムとして必要十分な映像が撮影可能で、普段使いをする分には一切困るような画質ではありません。もちろん安価なアクションカム等に比べれば、画質は非常に鮮明です。

 暗所での性能はGoProより高く、ザラつきの少ない映像となり、ライド途中のトンネルや夕暮れ時等でも綺麗な映像を残すことが可能です。色味や画角については、カメラ側ではなくアプリの編集段階で調整できるので、オートモードで撮影しておけばほとんど困ることはありません。

意外と大切なアプリの使用感

ちょっとした動画作成にはテンプレートが便利 Photo: Kento OZEKI

 撮影後の編集には専用のアプリを使用しますが、使用感は悪くありません。すでにInsta360シリーズを利用しているユーザーであれば、特に迷うことなく使用できますが、GoPro等から乗り換えた場合にはインタフェースが変わるので、最初は多少の慣れが必要といえます。

 アプリの機能としては、映像や写真をテンプレートに合わせて編集することも可能ですし、アプリのチュートリアルに従って撮影するだけで多様な面白い写真を撮ることも可能です。

 編集にこだわると時間がかかるものですが、AIによる自動編集機能も利用可能ですので、ライドの休憩中などに、いままで撮影した映像をすぐにSNS等にアップロードしたい場合には重宝する機能です。

 ただし、360度映像はデータが大きいため(5.7K30fpsの設定で1分600MB程度)無線接続でのデータ転送には時間を要します。また、モバイル回線で編集をしようとするとそれなりの通信量を必要としますので、編集はWi-Fi環境下で行うことをオススメします。

 そして一番気を付けなければいけないのが、スマートフォンの性能です。最近のアクションカム向けアプリとしては、とてつもなく高い要求ではありませんが、それでもミドルハイクラスのスマートフォンは必須となります。比較的新しいiPhoneを使用していれば問題ないと思いますが、Android機の場合は対応機種に注意が必要です。

AI+手動編集で3分ほどで作成、360度モジュールと4Kモジュール(フルHD画質)を使用/色味は編集無し Video: Kento OZEKI

GoProと比べての率直な感想

 さて、なんだかんだ一番気になるのは、ライバル機となるGoProとの比較ではないでしょうか。GoProとの違いを率直にお伝えしようと思います。

・4K広角モジュールについて

 色味や画質等については前述した通りGoProと大差はありません。またInsta360 ONE Rには「FlowState」という手ブレ補正機能が搭載されています。これはGoProでいうところの「HyperSmooth」で、電子式の手振れ補正機能です。

 FlowStateは4K広角モジュール、360度デュアルレンズモジュールともに機能しますが、4K広角モジュールでの手振れ補正レベルは、フルHD画質で撮影するとGoPro HERO7より少し劣るレベルとなります。一方、4K30/60fpsで撮影する場合は、より強い手振れ補正が利きます。なぜこのような現象が起きるのかメーカーに確認したところ、設計の段階で4Kでの撮影を推奨しているからだそうです(そう考えると4K広角モジュールという名称にも納得です)。

 4K広角モジュールでGoProと補正の仕方が違うところが、路面の微振動が残る点です。手持ちをしている分には気にならないのですが、ハンドル等に取り付けてダイレクトな振動がカメラに加わると、映像がビビることがあります。

 これは綺麗な映像を残そうと思う人にはデメリットと言えるかもしれませんが、個人的にはこのビビりは映像としては悪くないと思います。というのも、あまりにヌルっとした補正となると、動画を見ていてもほとんど路面の状況などは伝わってきませんが、多少ブレがあることで臨場感や情報がより伝わるからです。

ハンドル固定のカメラで林道の風景を撮影 Video: Kento OZEKI

・360度デュアルレンズモジュールについて

 一方でInsta360の十八番とも言える360度デュアルレンズモジュールは流石です。映像の繋がる部分も不自然な箇所は少なく、写りも鮮明です。こちらも同じ360度アクションカムとなるGoPro MAXと比較しても十分以上の性能です。

無編集の360度動画、FlowStateによる手振れ補正で映像は安定している(画面内左端のアイコンで360度動画を動かせます) Video: Kento OZEKI

・サイズ感

 物理的なサイズで見ると、GoPro HERO8より少し横に大きいです。基本的に付属のケースに入れて使うので、携行時はより大きくなります。ただライド中に使う場合、背中に入れるかハンドルなどに装着した状態になるので、GoProと比べて不便ということはありません。

 なお、GoPro MAXと比べるとサイズ、重量ともに小さくなるので、360度カメラとしては小型軽量となります。

横方向に大きいが、縦と奥行はGoPro HERO8とほぼ変わらないサイズ感 Photo: Kento OZEKI

・使用感

 また、GoProにはできないモジュール式での大きなメリットが状況に合わせたカメラモジュールの変更ですが、もう一つ大きなメリットがあります。それは画面を反転できる点です。

 例えば、ハンドルに取り付けているときや自撮りするときに画面もカメラもこちら向きにすることで、画角の調整やモード変更を視覚的に行えます。これは特に4K広角モジュールを使用する際に重宝します。

 ちなみにモジュール式という特殊な設計ですが、アクションカムとして、しっかりと5m防水に対応しています。ライド中の滝のような汗や雨、真夏の暑さに耐えかねて海や川に飛び込む時も安心ですね(笑)。

モジュールを逆さまにすることで、画面を手前に向けることができる Photo: Kento OZEKI

 バッテリー撮影時間については、どちらもバッテリー容量はほとんど変わりませんが、体感的にはGoProのほうが10%程度長く撮影できます(4K広角モジュールで比較した場合)。長時間撮影したい場合は、どちらの製品もUSB給電となりますが、側面の脱着可能なフタを全開にする必要があるGoProと比べると、Insta360 ONE Rのほうが構造的には安心感があります。

 また、Insta360 ONE Rには標準の倍の容量を持ったバッテリーモジュールオプションがありますので、例えば長いヒルクライムコースを丸々撮影したい場合やクリテリウムのようなレースを撮影する場合には重宝しそうです。

Insta360 ONE Rは蓋が本体に紐づけされているので紛失の心配がない Photo: Kento OZEKI

ちょっと便利な使い方

 Insta360 ONE Rアプリは、動画編集では比較的ラクで直感的に操作できるのですが、360度写真の編集は慣れていないと直感的に操作できないことがあります。そんなときは、リコーのTHETA+アプリを利用すると360度画像を直感的に編集できます。

 データ形式が同じなので、スマートフォンに保存されていれば、アプリ上で認識して編集が可能です。純正アプリにこだわらず、臨機応変にアプリを使ってできるだけラクに編集しちゃいましょう。

 自転車に乗っていると様々な景色に出会うことがありますが、そのときの感動を余すことなく伝えたいときや、ちょっと人とは違う映像や写真を発信したいときにInsta360 ONE Rは最適なアクションカムといえるのではないでしょうか。もちろんアクションカムも360度カメラも使ってみたいというユーザーにはピッタリな製品といえます。

⼤関賢⼟(おおぜき・けんと)

平成元年⽣まれのロングライド系チャリダー。速くはないが、ヒルクライムが好きで、2017年より日本中の峠を登り総評するブログ「え、登らないんですか?」を運営中。ブログ運営の他、自治体向け観光PRのドローン撮影やロードレース、トライアスロンイベントでの運営サポート、撮影業務も行う。各種SNSにて情報発信していますので、お気軽にフォロー下さい。

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