ツアーリーダーは小野寺玲に宇都宮ロードレースはキナンのルバが優勝 3人の先頭集団から最後抜け出し独走ゴール

by 小森信道 / Nobumichi KOMORI
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 国内最高峰のロードレースツアー、Jプロツアーの第5戦「第4回JBCF宇都宮ロードレース」が8月9日、栃木県宇都宮市の宇都宮市森林公園と鶴カントリー倶楽部周辺に設定された公道特設周回コースで開催され、序盤からアタックに次ぐアタックの千切り合いの展開に。最終盤に抜け出した3人の争いを冷静に立ち回ったトマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム)が独走勝利を飾った。

最終周回の上りで狙い通りのアタックを決めたトマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム)が独走勝利を飾った Photo: Nobumichi KOMORI

序盤からサバイバルな展開に

 Jプロツアー宇都宮ラウンドの2戦目となる宇都宮ロードレース。コースは、アジア最大のワンデーレースとして知られるジャパンカップサイクルロードレースで、2014年まで使用されていた萩の道から射撃場、鶴カントリー倶楽部の区間を、ジャパンカップとは逆回りで周回するレイアウトがとられる。

 1周6.7kmのコースは明確な勝負どころがないものの、スタート・フィニッシュ地点を過ぎて180度コーナーからすぐに訪れる鶴カントリー倶楽部の上り、萩の道の上り、そして萩の道を下って右コーナーをクリアしてすぐにある上り返しなど随所にパンチの効いた上りが複数あり、常に集団前方に位置していないと勝負に絡むことは難しいコースと言える。

ジャパンカップと同じスタート地点からレースがスタートする Photo: Nobumichi KOMORI
数人の選手が飛び出しては集団に吸収される出入りの激しい展開が続く Photo: Nobumichi KOMORI

 男子最高峰のPクラスタは11周、73.7kmで行われた。例年であれば初夏の訪れを告げる5月に行われていたが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で8月に延期されたこともあり、暑さに対するマネージメントも重要な要素となる。

激しいアタック合戦でタテに伸びる集団が田園風景の中を駆け抜ける Photo: Nobumichi KOMORI

 ジャパンカップと同じスタート地点をローリングスタートしたレースは、正式スタートが切られると早速、激しいアタックの応酬に。数人の選手が飛び出しては集団が吸収するという状態が続き、集団後方ではいきなり複数の選手がこぼれ落ちていくサバイバルな展開になった。

後半に先行の3人が逃げ切り

 4周目に入る段階になると、先頭は15人前後の選手が先行する展開になり、後方の集団はそこに選手を送り込めなかった宇都宮ブリッツェンやマトリックスパワータグが追走する状態になった。その後、後方集団が人数を減らしながらも先行していた集団を吸収して事なきを得たかに思われたが、このタイミングで先行集団にいた門田祐輔(ヒンカピー・リオモ・ベルマーレ レーシングチーム)がカウンターアタックを仕掛けたことで、先頭は40人ほどの集団に早くも絞られることになった。

15人前後の選手が集団から抜け出して萩の道の上りを進む Photo: Nobumichi KOMORI
前方に選手を送り込めなかった宇都宮ブリッツェンが集団のペースを上げて吸収を試みる Photo: Nobumichi KOMORI
萩の道の下りから曲がってすぐの上り返しで先頭集団がタテに伸びる Photo: Nobumichi KOMORI

 40人ほどに絞られた集団では、息つく暇もなくアタックに次ぐアタックが繰り広げられる展開。6周目に入ると10人ほどの選手が先行し、さらに5人の選手が合流して15人の選手が先行すると、後方の集団がスローダウンしたことで一気にタイム差が開いていくことになった。

15人の先頭集団が後方からリードを奪ってレースを有利に進める展開に Photo: Nobumichi KOMORI

 さらに8周目になると先行していた集団からルバ、小石祐馬(チームUKYO)、石原悠希(ヒンカピー・リオモ・ベルマーレ レーシングチーム)の3人が抜け出してリードを奪う状況に。追走する集団は暑さもあってかペースが上がらず、最終周に入る段階でその差は1分20秒。勝負は先行する3人の選手に絞られる状況になった。

先頭集団から飛び出した石原悠希(ヒンカピー・リオモ・ベルマーレ レーシングチーム)、小石祐馬(チームUKYO)、トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム)の3人が盤石のリードを持って最終周に入る Photo: Nobumichi KOMORI
追走集団は暑さもあってかペースが上がらず Photo: Nobumichi KOMORI

冷静に勝負を読んだルバ

 3人の先頭集団の中では、上りで小石が積極的に攻撃を仕掛けるものの抜け出すことはできず。そんな中、「ローテーションをする際の雰囲気で、石原がスプリントを狙っていることが分かった」とレース後に語ったルバが、狙っていたという萩の道の上りで小石のカウンターでアタックを仕掛けて単独で抜け出すことに成功。そのまま残り距離を独走で走り切り、開幕戦の山本元喜に続いてチームに今シーズン2勝目をもたらす優勝を飾った。

2位争いは石原悠希(ヒンカピー・リオモ・ベルマーレ レーシングチーム)が、小石祐馬(チームUKYO)とのスプリント勝負を制して、地元である栃木県のレースでうれしい2位表彰台を獲得 Photo: Nobumichi KOMORI

 この結果、年間ランキングは個人がこの日DNFとなった増田成幸(宇都宮ブリッツェン)に代わって16位で90ポイントを獲得した小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)が首位に立ち、ツアーリーダーの証であるプロリーダージャージを獲得。一方、23歳未満のランキングトップの選手が着用するネクストリーダージャージは織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)が、チームランキングは宇都宮ブリッツェンが首位をキープしている。

左から2位の石原悠希(ヒンカピー・リオモ・ベルマーレ レーシングチーム)、優勝したトマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム)、3位の小石祐馬(チームUKYO) Photo: Nobumichi KOMORI
中間スプリント賞は山本大喜(キナンサイクリングチーム)、門田祐輔(ヒンカピー・リオモ・ベルマーレ レーシングチーム)、今村駿介(チーム ブリヂストンサイクリング)が獲得した Photo: Nobumichi KOMORI
プロリーダージャージは小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)が獲得、ネクストリーダージャージは織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)がキープしている Photo: Nobumichi KOMORI

 次戦、第6戦は8月22日、群馬県みなかみ町の群馬サイクルスポーツセンターで「群馬ロードレース8月大会/交流戦Day-1」が開催される。

宇都宮ロードレース結果

1 トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム) 1時間49分09秒
2 石原悠希(ヒンカピー・リオモ・ベルマーレ) +25秒
3 小石祐馬(チームUKYO) +26秒
4 西村大輝(宇都宮ブリッツェン) +1分26秒
5 横塚浩平(チームUKYO) +1分29秒
6 伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム)
7 山本大喜(キナンサイクリングチーム)
8 山本元喜(キナンサイクリングチーム)
9 阿曽圭佑(エンシェアレーシングチーム) +1分31秒
10 谷順成(那須ブラーゼン) +1分42秒

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