ストラーデ・ビアンケ2020ストラーデ・ビアンケでファンアールトが独走勝利 ワールドツアー再開初戦で完全復活を果たす

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 新型コロナウイルスの影響により、長らく中断していたUCIワールドツアーが再開、その初戦となるストラーデ・ビアンケが8月1日に開催された。イタリア・トスカーナ地方の丘陵地帯・未舗装路を駆け抜けるレースを制したのは、ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)だった。同日開催の女子レースは世界王者のアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット)が大会2連覇を飾り、與那嶺恵理(スペイン、アレ・BTCリュブリャナ)は途中リタイアとなった。

ワールドツアー再開初戦に勝利したワウト・ファンアールト ©Jumbo Visma

ワールドツアー屈指のサバイバルレース

 トスカーナ地方特有の曲がりくねった起伏の多い道に加えて、本レース最大の特徴ともいえる未舗装路が11区間・計63km登場する184kmのコースにて争われた。フィニッシュ直前には、最大勾配16%・平均勾配12.4%の激坂が待ち受けている。登坂距離は500mほどだが、獲得標高3000mに達するアップダウンの数々と63kmの未舗装路に消耗した選手たちにとっては止めを刺さされるほどの破壊力を持っており、この激坂区間で勝負が決することが多い。上り切ると500mほどゆるやかに下って、シエナのカンポ広場へとフィニッシュするコースだった。

ストラーデ・ビアンケ2020コースプロフィール ©RCS

 雨が降ると泥まみれの未舗装路を走ることになるのだが、この日の天気は晴れ。路面は完全に乾き、白い砂埃が舞い上がる、まさに「ストラーデ・ビアンケ」(イタリア語で白い道の意味)となっていた。さらに選手たちは砂埃だけでなく、最高気温37℃に達する灼熱の気候への対処も迫られていた。

 この日が久々のレースとなる選手が多いなか、暑さに苦しむ選手が続出。脱水症状に見舞われて本調子でない選手、リタイアとなった選手もいたようだ。

 そうしたなかで、残り54km地点から始まる最長11.5kmの未舗装路区間でレースが大きく動いた。本大会を通算3勝しているファビアン・カンチェラーラ(スイス)の名がつけられた同セクションで、ヤコブ・フルサン(デンマーク、アスタナプロチーム)がアタック。

 すでに20人程度まで絞り込まれていたメイン集団から、前年王者のジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)、さらに注目のマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス)らが相次いで脱落した。

 フルサンは攻撃の手を緩めず、断続的にアタックを仕掛け独走に持ち込んだ。この動きによってメイン集団は完全に破壊され、追走はマクシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)、グレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、CCCチーム)、アルベルト・ベッティオール(イタリア、EFプロサイクリング)、ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)、ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、UAE・チームエミレーツ)の5人のみに。

 残り43km地点で5人はフルサンに追いつき、先頭集団は6人となった。残り38km地点で後続の追走集団とは1分50秒差がついており、勝負の行方は先頭の6人に絞り込まれるほどのサバイバルレースの様相を呈していた。

ファンアールトが2年越しの雪辱を果たす

 残り22km地点、先頭集団後方で様子を伺っていたシャフマンがアタック。ライバルたちは隙を突かれた格好となり、シャフマンのそばにいたファンアールトのみが反応して、2人で抜け出した。

 10番目の未舗装路区間にして、最大勾配15%の激坂区間にて、追走集団からファンアーヴェルマートが脱落。残る3人の追走はしばらくして先頭2人に追いついた。

 するとカウンターでベッティオールがアタックするも、不発に終わる。やや牽制に陥った先頭5人は、残り12km地点、11番目の最後の未舗装路区間に突入。最大勾配18%の激坂区間にてファンアールトがアタックを仕掛けた。

 シャフマン、ベッティオール、フォルモロは少し遅れながらも激坂をクリアしたが、フルサンは脱落してしまう。さらに、フィニッシュに向けた舗装路区間でベッティオールも脱落。

 ベルギータイムトライアルチャンピオンでもあるファンアールトの走りは素晴らしく、数的優位であるフォルモロとシャフマンを寄せ付けずに、タイム差は徐々に拡大していった。ラスト1km地点で両者のタイム差は30秒に。

 フィニッシュ前の激坂区間、ファンアールトは2年前に初めて参戦したときは上り切れずに途中で脚をついてしまうほど消耗していたが、今年は失速することなく、軽やかに上り切った。そうして、スリッピーなコーナーを慎重にクリアして、カンポ広場へフィニッシュ。念願のストラーデ・ビアンケ初勝利を飾った。

 ファンアールトは2019年ツール・ド・フランス第13ステージの個人タイムトライアル中に落車し、太ももの筋肉や皮膚が引き裂かれる重傷を負っていたが、大怪我から1年あまりが経過して、本来以上の力強さを取り戻したといえそうだ。

女子レースは絶対王者ファンフルーテンが勝利

 男子レースに先立って、女子レースも開催。30kmの未舗装路を含む136kmで争われたレースは、残り40km地点からマビ・ガルシア(スペイン、アレ・BTCリュブリャナ)が独走に持ち込んでいた。最大4分差離れたメイン集団から今季4戦4勝と絶好調のファンフルーテンが、ほぼ単独で追走を開始すると、残り6.8km地点で先頭のガルシアを捉える。

 2人のままフィニッシュ直前の激坂区間に突入すると、上り口からダンシングで軽やかに上るファンフルーテンがガルシアを置き去りにし、最後は22秒差をつけて大会2連覇を飾った。

ストラーデ・ビアンケ結果(男子)
1 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) 4時間58分56秒
2 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、UAE・チームエミレーツ) +30秒
3 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +32秒
4 アルベルト・ベッティオル(イタリア、EFプロサイクリング) +1分31秒
5 ヤコブ・フルサン(デンマーク、アスタナ プロチーム) +2分55秒
6 ゼネク・スティバル(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ) +3分59秒
7 ブレント・ブックウォルター(アメリカ、ミッチェルトン・スコット) +4分25秒
8 グレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、CCCチーム) +4分27秒
9 ミヒャエル・ゴグル(オーストリア、NTTプロサイクリング) +6分47秒
10 ディエゴ・ローザ(イタリア、アルケア・サムシック) +7分45秒

ストラーデ・ビアンケ結果(女子)
1 アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、ミッチェルトン・スコット) 4時間3分54秒
2 マビ・ガルシア(スペイン、アレ・BTC・リュブリャナ) +22秒
3 リア・トーマス(アメリカ、エキップ・ポールカ) +1分53秒
DNF 與那嶺恵理(日本、アレ・BTC・リュブリャナ)

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