フジヤマパワーライントレイル静岡・富士山南麓の送電線下を走る“東電MTBトレイル”がオープン 116人がアップダウンを満喫

by 中村浩一郎 / Koichiro NAKAMURA
  • 一覧

 静岡県の富士山南麓に7月23日、東京電力の送電線下を走るMTB(マウンテンバイク)の常設トレイル「Fujiyama Power-line Trail」(フジヤマパワーライントレイル)がオープンした。同日はオープニングセレモニーと初日無料走行会が行われ、走行会では100人を超える参加者が、アップダウンの続く下り基調7kmのMTBトレイルを楽しんだ。E-Spo(静岡県東部地域スポーツ産業振興協議会)サイクル部会の中村浩一郎さんがオープン初日の模様をリポートします。

富士山南麓の山中を、送電線の下を走る「Fujiyama Power-line Trail」(フジヤマパワーライントレイル) Photo: Koichiro NAKAMURA

◇      ◇

送電線をつなぐ巡視路を活用

 フジヤマパワーライントレイルは、富士山の静岡県側の裾野を東西に走るマウンテンバイクのトレイルです。東京電力パワーグリッドが管理運営し、同社の敷地内である鉄塔と送電線の下を通る巡視路をマウンテンバイクのコースとして整備を行い、オープンしました。年を通し営業する予約制トレイルとして広く開放されます。

 このトレイルは当初4月のオープンを予定していましたが、新型コロナ感染予防の観点より7月へとオープンを延期しました。7月23日のオープン日に限り走行は無料として、ホームページで行なった事前告知に応募し150人のうち、来場した116人のマウンテンバイカーが、富士山南麓に新たにできたMTBトレイルを楽しみました。

オープニングセレモニーには、小長井義正・富士市市長も登壇、コースの活用を激励する言葉を述べました Photo: Koichiro NAKAMURA
号砲一下でFujiyama Power-line Trailのオープン、100人以上のライダーが「走り初め」 Photo: Koichiro NAKAMURA

 コースのトレイル部は大まかに、富士山の南側にある静岡県富士市内を、送電線の鉄塔沿いに東西へ下ります。山梨県南巨摩郡早川町から静岡県駿東郡小山町まで伸びる「田代幹線」の、鉄塔19本分の巡視路を大幅に整備し、MTBで走りやすいトレイルに作り替えました。

コースマップ(E-Spo提供)

 トレイルは、大きく真っ直ぐ7kmの距離、標高差185mを走るプロフィールです。実際に走ると、細かなターンや岩のセクションが多いコースが主なもの。急勾配の登り斜面にはつづら折れのコーナーがつきますが、そのまま真っ直ぐ下るセクションもあります。

 トレイルにすると決定した巡視路はもともと、急登の多いルートでした。事業化にあたりこのルートに大幅に手を入れ走りやすくしました。地元ショップに集まった有志での作業から始まり、のちに地元ショップ店長がコースアドバイスをする形で東京電力グループ内の送電部門がコース増設のために動き、一気にトレイルになりました。

トレイルは途中にいくつかゲートを作り、オートバイなどが迷い込むことのないように配慮 Photo: Koichiro NAKAMURA
しっかりと強度のあるコースづくりで、乗り手をスムーズに走らせます Photo: Koichiro NAKAMURA

自然の地形を生かした、中級者向けトレイル

 コースレベルは「MTB走行にある程度慣れた中級以上向けのトレイルである」と無料走行会を走った人は口々に言いました。参加したクロスカントリーレーサーからは「心拍を上げるMTBトレーニングに最適だ」という声も聞かれました。

 走りの起点となるのは、静岡県富士市にある「富士山こどもの国」内の駐車場。トイレ、シャワー、レストランといった施設は、トレイル利用者は園内のものを利用できます。受付を行い走行開始です。トレイルのスタートまで1kmほど舗装路を走ります。

まずはトレイルのスタート地点まで、舗装路を1kmほど走ります Photo: Koichiro NAKAMURA
ここがトレイルの入り口。ゲートとサインが目印です。無断立ち入りの抑制のため、スタートゴールには監視カメラを設置します Photo: Koichiro NAKAMURA

 スタートからは、広く幅のあるトレイルから岩を乗り越えるようなところまでバリエーションに富んだコースを走ります。手を入れ走りやすくしたとはいえ、元は富士山の火山地質、ラインを選んで通るような場所もあります。MTBに乗り慣れた人なら、その技術を存分に使える、自然の地形を存分に利用したコース設計です。

中級者以上の乗車技術があると楽しめるコース設定です Photo: Koichiro NAKAMURA
急斜面は可能な限りつづら折れにして、100%の乗車率を可能にしています Photo: Koichiro NAKAMURA
なかにはこんな沢越えもあります。押して渡ればなんてことありません Photo: Koichiro NAKAMURA

 路面には木片を細かく刻んだウッドチップが敷かれ、高いグリップで走りやすくなっています。何度も通る真っ直ぐにトレイルが伸びる開けた場所では景色を楽しめます。途中少し休みながらトレイル部を走ると、1時間ほどでゴールに着きます。

7kmのトレイルは19本の送電線脇を通っていきます Photo: Koichiro NAKAMURA
送電線脇は広くなっており、憩いの休憩場となります Photo: Koichiro NAKAMURA
ゴール地点には洗車場も用意されています Photo: Koichiro NAKAMURA

最後に上り返してループ、1周2時間ほどが目安

 ゴールから駐車場までは、舗装路12km強を1時間ほど上り返し駐車場に戻ります。一周のループをすべて走ってかかる時間は中級者で2時間ほど。最後の登り返しは、事前連絡での要望に応じて搬送シャトルが用意されるので、体力に自信のない方はこれを利用するのがいいでしょう。

コースプロフィール(E-spo提供)

 トレイルの走行には10日前までの予約、3日前までの料金振込が必要です。走行は2人以上から、フジヤマパワーライントレイルのホームページからメールで予約する仕組みです。

参加者の声

●中林雄介さん

中林雄介さん Photo: Koichiro NAKAMURA

 大きな印象としてはクロカンコースです。爽快に下るのではなく、途中で登り返しながら走っていくという印象が強かったです。意外に楽しめるかなと思ったのが、ロードバイクもやる人です。トレイル内の上りも、ゴールから駐車場までの上りも、登りが得意な人はぐいぐい登ってきていて、楽しんでいましたね。

●鈴木佑典さん

鈴木佑典さん Photo: Koichiro NAKAMURA

 最近あまり乗っていないので、一番最初の登り坂からインパクトがあって、最後まで行けるかなというのがありました。今日は路面が濡れていたので、特に所々自転車から降りながら、行けそうな坂を自分なりに攻めた感じです。僕はあまり乗りこなせなかかったので、もう1、2回、むしろ体力づくりにいいかなと思って、また来ようかなと思っています。最初は家族を連れてこようかと思ったんですが、やっぱり自転車仲間と来たいですね。

Fujiyama Power-line Trail フジヤマパワーライントレイル

■利用期間:通年
 【4~9月】9:00~17:00 ※最終スタート目安時 15:00
 【10~3月】9:00~16:00 ※最終スタート目安時 14:00

■走行料金:1人1日 4,000円(3日前までに事前振込)
 ※2人以上より走行可能、メールにて申し込み(利用10日前まで)
 fujiyamapowerline@tepco.co.jp

アクセスマップ(E-Spo提供)

■アクセス(車での距離と所要時間)
 ・富士I.Cから約15km(23分)
 ・新富士I.Cから約14km(20分)
 ・裾野I.Cから約15km(20分)
 ・須走I.Cから約25km(36分)

■駐車場:富士山こどもの国・草原の国 草原の国オートキャンプ場 駐車場
 静岡県富士市桑崎1015

■周回時間目安:2時間強
 ・トレイル部 全コース長:7.6km 高低差 185m(下り基調)
 ・舗装林道 全コース長:12.2km
   4.6km 高低差280m(上り基調)
   + 7.6km 高低差125m (下り基調)

■MTBレンタル:なし
 推奨レンタルバイク施設《MERIDA X BASE メリダエックスベース》
 静岡県伊⾖の国市⽥京195-2 伊⾖ビレッジ内
 TEL:0558-77-2727

この記事のタグ

マウンテンバイク

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

Cyclist CLIP

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載