群馬CSCで3連戦Jプロツアーが開幕 東日本ロード3連戦は宇都宮ブリッツェンが2勝、増田成幸が首位に

by 小森信道 / Nobumichi KOMORI
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 国内最高峰のロードレースツアー、Jプロツアーの今季開幕戦となる「第54回JBCF東日本ロードクラシック群馬大会」が7月23〜25日の3日間にわたり、群馬県みなかみ町の群馬サイクルスポーツセンター(CSC)で開催され、23日の第1戦は山本元喜(キナンサイクリングチーム)、24日の第2戦は鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)、25日の第3戦は増田成幸(宇都宮ブリッツェン)がそれぞれ優勝。開幕3連戦を終えて個人ランキングは増田、チームランキングは宇都宮ブリッツェンがそれぞれ首位に立った。

チームでの完璧なレース運びから発射された鈴木龍(中、宇都宮ブリッツェン)が優勝。2位と3位にも大久保陣(左、宇都宮ブリッツェン)と小野寺玲(右、宇都宮ブリッツェン)が入り、宇都宮ブリッツェンがワンツースリーフィニッシュを達成 Photo: Nobumichi KOMORI
4月の開幕予定から遅れることおよそ4カ月。ようやく今季のJプロツアー開幕を迎えた Photo: Nobumichi KOMORI

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、開催が予定されていたレースの中止や延期が次々と発表されていた今季のJプロツアー。何度も暫定のスケジュールが組まれては修正が加えられるという状況が続いていたが、7月も間もなく終わりという段階になってようやく、3日間の連戦という形で開幕を迎えることができた。その舞台となるのは、数々の名勝負を生んできた群馬CSCの6kmサーキット。初日から順に120km、60km、132kmという距離でそれぞれ勝敗を競うほか、3日間の合計タイムを競う3日間総合特別賞も設定しての開催となった。

序盤に形成された集団が逃げ切り

第1戦は序盤にできた有力選手を含む逃げ集団が逃げ続ける展開に Photo: Nobumichi KOMORI

 初日の第1戦は、序盤に13人の逃げ集団が形成される展開に。その中には山本や増田を含む勝利を狙える有力選手が複数入っており、逃げ切りを狙って逃げ続けることになった。一方のメイン集団は、レース後半になると逃げの吸収に向けてペースアップを開始。しかし、追いかける必要のあるチーム同士が協調するようなことはなく、チームUKYO、マトリックスパワータグがそれぞれチーム単位で追走を試みたものの、逃げ集団には届かない。

メイン集団は追う必要があるチーム勢の協調がとれず、逃げ集団に追いつくことができず Photo: Nobumichi KOMORI
単独アタックを仕掛けて逃げ集団から飛び出した増田成幸(宇都宮ブリッツェン)に山本元喜(キナンサイクリングチーム)と織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)が追い付く Photo: Nobumichi KOMORI

 この時点で9人にまで人数を減らしていた逃げ集団の逃げ切りが濃厚となった。終盤にその逃げ集団から増田が単独アタックを仕掛けて先行したが、後方から追走してきた山本と織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)の2人が増田をキャッチ。最後は三つ巴のゴールスプリントを制した山本が優勝を飾った。

三つ巴のゴール周防鈴と勝負を制した山本元喜(キナンサイクリングチーム)が見事に開幕戦を制した Photo: Nobumichi KOMORI

■東日本ロードクラシックDay-1 リザルト(120km)

1 山本元喜(キナンサイクリングチーム) 2時間59分01秒
2 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) +0秒
3 織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) +1秒
4 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン) +39秒
5 小森亮平(マトリックスパワータグ ) +39秒
6 草場啓吾(愛三工業レーシングチーム) +39秒

ブリッツェントレインが完璧に機能

 2日目の第2戦は60kmのショートレースということもあって序盤から激しいアタックの応酬となったが、2周目になると2人ずつ飛び出していった選手たちが6人の逃げ集団を形成。その逃げがレース中盤に吸収されると、一時はカウンターアタックの仕掛け合いが続いたが、最終的に7人の逃げ集団が再編成されることになった。

第2戦はレース序盤から激しいアタック合戦に。序盤に形成された逃げ集団もレース中盤には吸収される Photo: Nobumichi KOMORI

 一方のメイン集団は、集団ゴールスプリントでの勝利を狙う宇都宮ブリッツェンが先頭に立ってペースメイクを開始。残り周回数を意識しながら逃げ集団とのタイム差をじわじわと縮めていき、最終周の残り4kmというところで逃げ集団を吸収した。

ゴールスプリントで勝利を狙う宇都宮ブリッツェンが隊列を組んで逃げ集団吸収を試みる Photo: Nobumichi KOMORI

 その後、2人の選手に先行を許す場面はあったものの、アシストの枚数をしっかりと残していた宇都宮ブリッツェンは焦ることなく先行選手を捕らえ、きれいな隊列でスピードを維持したままゴールスプリントへ。最後は、その隊列から発射された鈴木龍、大久保陣、小野寺玲(すべて宇都宮ブリッツェン)が他チームを寄せ付けずにフィニッシュ。完璧なレースを見せた宇都宮ブリッツェンがワンツースリーフィニッシュで表彰台を独占した。

表彰台を独占する宇都宮ブリッツェン。左から2位の大久保陣、優勝した鈴木龍、3位の小野寺玲 Photo: Nobumichi KOMORI

東日本ロードクラシックDay-2 リザルト(60km)

1 鈴木龍(宇都宮ブリッツェン) 1時間24分39秒
2 大久保陣(宇都宮ブリッツェン) +0秒
3 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン) 
4 大前翔(愛三工業レーシングチーム) 
5 横塚浩平(チームUKYO) 
6 岡本隼(愛三工業レーシングチーム) 

有利な展開から増田が勝負を決める

 3日目の第3戦は、開幕3連戦で最長となる132kmでの争い。連戦の疲労が残る中でスタートしたレースは、序盤からそれを感じさせないアタック合戦が続き、しばらくの間は出入りの激しい展開が続いた。そんな中、7周目になると11人の逃げ集団が形成され、増田に加え鈴木譲と西村大輝のエース級の選手3人が入った宇都宮ブリッツェンが有利にレースを進める状態になった。

第3戦、7周目に形成された逃げ集団が逃げ続ける展開が続く Photo: Nobumichi KOMORI
トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム)の強烈なペースアップで猛追のスイッチが入ったメイン集団だが、逃げ集団を捕らえることはできなかった Photo: Nobumichi KOMORI

 一方のメイン集団は、終盤に入るとトマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム)の強烈なペースアップを契機に逃げ集団の追走が激化。だが、人数を削りながらも追走の手を緩めないメイン集団と、宇都宮ブリッツェンを中心に逃げ切りを狙う選手たちでローテーションする逃げ集団との攻防は逃げ集団に軍配。第1戦に続き、逃げ集団の逃げ切りとなった。最終局面を迎えると、逃げ集団内でも牽制の動きが出始めようになったが、その隙を突いて増田が単独アタックを仕掛けるとこの動きにホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)が追従しマッチレースの展開に。最後は勝負に徹した増田がスプリントを制して優勝を飾った。

ホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)とのマッチスプリントを落ち着いて制した増田成幸(宇都宮ブリッツェン)が勝利 Photo: Nobumichi KOMORI
今回特別に設定された3日間総合特別賞の表彰式。左から2位の織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)、優勝の増田成幸(宇都宮ブリッツェン)、3位の小野寺玲(宇都宮ブリッツェン) Photo: Nobumichi KOMORI

 この結果、増田は今回特別に設定された3日間総合特別賞でも優勝。2位は織田、3位は小野寺という結果だった。また、年間個人ランキングは初日に2位、3日目に優勝と高いレベルで安定してポイントを積み重ねた増田が首位に立ち、ツアーリーダーの証であるプロリーダージャージを獲得。チームランキングは、全日にわたって優勝争いに絡み、3戦中2戦で勝利を収めた宇都宮ブリッツェンがトップ。チーム力の高さを見せた宇都宮ブリッツェンの活躍が光った3連戦になった。

■東日本ロードクラシックDay-2 リザルト(132km)

1 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) 3時間17分47秒
2 ホセビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) +0秒
3 大前翔(愛三工業レーシングチーム) +7秒
4 石原悠希(ヒンカピー・リオモ・ベルマーレ レーシングチーム) 
5 小出樹(JCF強化指定選抜チーム) 
6 小石祐馬(チームUKYO) +8秒

 次戦のJプロツアーは、8月8日(土)に栃木県宇都宮市の清原工業団地で開催される「宇都宮クリテリウム」と翌9日(日)に同市の宇都宮市森林公園で開催される「宇都宮ロードレース」で争われる宇都宮ラウンド。個人、チームランキングで首位に立つ宇都宮ブリッツェンがホームレースで首位固めをするのか、それとも、ライバル勢が宇都宮ブリッツェンの勢いを止めるのかに注目が集まる。レースは無観客での開催になるが、インターネットでのライブ中継が予定されているので、ぜひ熱戦の行方を見守ってほしい。

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