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つれづれイタリア~ノ<147>ダミアーノ・クネゴ直伝「コロナ太り対策」 ポイントは食事とトレーニングの可視化

by マルコ・ファヴァロ / Marco FAVARO
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 やっとヨーロッパでロードレースシーズンがスタートします。少しずつ新型コロナウイルス拡散防止への対策がわかってきたので、レースも解禁となりました。移動制限が厳しかったイタリア、フランス、スペインへの移動も自由になり、多くのサイクリストたちが街へ山へ、自由に自転車を楽める環境が戻ってきました。ここに来てサイクリストたちが悩んでいるのが、運動不足による体力低下と“おなか周り”問題です。今回、日本との関わりが深く、絶大な人気を誇る自転車界のスーパースター、ダミアーノ・クネゴ氏にその解消法を聞いてみました。

山岳でトレーニングをするクネゴ。引退しても現役ばりの力を温存。グランフォンドも含め、厳しい上りが多いため、体重の増減に常に気を配る Photo: Damiano CUNEGO

在宅でも工夫をすればコロナ太りを解消できる

 クネゴ氏によると、長く続いた移動制限の影響で「コロナ太り」と呼ばれる現象が発生しており、特に「食事制限をしているにも関わらず、体重が減らない」という相談がサイクリストからよく寄せられるそうです。確かにヒルクライムを重視する最近の自転車レースでは、体重の増加は大天敵です。

現役引退後、スポーツ科学を勉強するために大学に入学したダミアーノ・クネゴ氏。元選手としての実体験に基づき、より効率的なトレーニング方法を研究中。現在はトレーナーとしても活躍中で、世界各国から彼にトレーニングを受けたいという人が後を絶たない Photo: Damiano CUNEGO

 クネゴ氏は、「在宅勤務や移動制限の影響で運動する機会が減ったことは仕方のないこと。逆に工夫すれば家にいながらでもできる対策が多い」と指摘します。ただ、三日坊主はだめで、長期戦であることを意識してほしいとのことです。以下に、クネゴが提唱するコロナ太り対策を紹介します。

1)食事のスケジュールと内容を徹底的に管理

⁣⁣ 最初は厳しいかもしれませんが、食事のスケジュールを決めることでどれだけ無駄なカロリーを摂取しているかを可視化する必要があります。まずは一週間の食事をもれなくノートに記します。

 自宅で仕事をすると、無意識のうちにスナック菓子やスイーツに手が伸びます。コーヒーに砂糖やクリームを入れたりします。それらを全てノートに記録してください。実はこの記憶に残らない「間食」が体重を減らしたい人の努力を全部無駄にしています。ノートに記すことで間食の回数がわかり、次に生かすことができます。次のステップは、ノートに一週間ごとの食事のスケジュールを決めることです。

 それでは、どうしてもお腹が空いたらどうすべきか。イタリアでは、生のフルーツまたはドライフルーツをよく食べます。血糖値の上昇は緩やかで空腹を抑えることができます。そして食べるときはよく噛むようにしてください。

2)夕食の量を控えめに

 朝・昼をしっかりとることが体に良いと言われていますが、その通りです。長い1日のエネルギーを早いうちに取っておく必要があります。炭水化物のほか、筋肉の素となるタンパク質も意識して食べてください。

イタリアの「エロイカカフェ」で注文できる理想的な夕食の量。外食でもおしゃれに食事療法が楽しめる Photo: Marco Favaro

 逆に夕食には疲れた体をリカバリーするため、ビタミンが豊富に含まれている野菜を食べ、消化を助けるためにパン、ライス、白味魚またはチキンなども取ってください。生サラダが苦手な人は、野菜を焼くか、蒸すのも良いです。味付けは低カロリーのものを。食後のスイーツはもちろんお控えください。

3)脂肪燃焼向上のためよく寝る

 十分に睡眠を得ることで、脂肪燃焼能力が向上します。ベッドに横になっても携帯を触っているあなた! それはやめた方がいいです。睡眠時間を削ることで脂肪燃焼効率が悪くなります。これは体本来の仕組みで、誤魔化すことはできません。

4)トレーニングをサボらない

外でのトレーニングを再開したクネゴ。マスクをするエチケットも浸透しつつあります Photo: Damiano CUNEGO

 体重を減らすことが目的ではなく、強い体を作ることが目標であることを忘れてはいけません。体が軽くても筋肉がなければ、何の意味もありません。

 食事ノートの管理のもう一つの重要な役割は、トレーニングの記録をつけることです。食事と同じようにトレーニングの量と質がわかるようになります。成果は頑張った分しか現れないので、しっかりと、気長に頑張ってもらいたいものです。

5)体重計の“呪文”からの脱却

 最後に、体重計からの脱却です。体重計に乗ることは誰もがストレスを感じます。気になる気持ちはわかりますが、頻繁に測ることは変化がないように感じられ、精神的に逆効果です。本当の体重の変化がわかるには3〜4日ごとに乗るのがベストですが、どうしても我慢できない人は朝、トイレの後に乗ると良いでしょう。

ダミアーノ・クネゴとは

1981年9月21日、自転車強豪国イタリア、ヴェローナ生まれ。「リトルプリンス」と呼ばれ、2018年に選手を引退した天才的なヒルクライマー。現在パーソナルトレーナーとしての活動。日本との関わりを深め、日本人選手のサポートや、自身がプロデュースするオリジナルロードバイクも展開。

■主な成績
・ジロ・デ・イタリア 総合優勝(2004)
・ジロ・デ・イタリア 通算4勝
・ツール・ド・フランス 新人賞(2006)
・ブエルタ・ア・エスパーニャ 通算2勝
・ジロ・ディ・ロンバルディア優勝(2004, 2007, 2008)
・アムステルゴールドレース 優勝(2008)
・ジャパンカップサイクルロードレース優勝(2005, 2008)

■所属チーム
2002〜2004 サエコ
2005〜2014 ランプレ
2015〜2018 NIPPO・ヴィーニファンティーニ

Marco FAVARO(マルコ・ファヴァロ)

東京都在住のサイクリスト。イタリア外務省のサポートの下、イタリアの言語や文化を世界に普及するダンテ・アリギエーリ協会や一般社団法人国際自転車交流協会の理事を務め、サイクルウエアブランド「カペルミュール」のモデルや、欧州プロチームの来日時は通訳も行う。日本国内でのサイクリングイベントも企画している。ウェブサイト「チクリスタインジャッポーネ

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