バーチャル・ツール・ド・フランス2020 第3ステージ男子はラリーサイクリングのダルシンが下剋上 女子は医学部からプロ入りのエラスが勝利

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 バーチャル・ツール・ド・フランス第3ステージが7月11日に開催され、男女ともに集団スプリントの展開となり、男子はマッテオ・ダルシン(カナダ、ラリー サイクリング)、女子はターニャ・エラス(イギリス、キャニオン・スラム)がそれぞれ勝利した。

実在するフランスの景勝地を再現したコースで争われたバーチャル・ツール・ド・フランス。第3ステージはポン・デュ・ガールも登場 ©Zwift

 第3ステージは新コース「R.G.V.」にて開催された。バーチャル・ツール・ド・フランスのために開発されたコースで、世界遺産の「モンサンミッシェル」「ポン・デュ・ガール」が登場する。

バーチャル・ツール・ド・フランス第3ステージ コースプロフィール ©ASO
画面奥にはモンサンミッシェルが登場。ヘリコプターからの空撮映像も再現されている ©Zwift

 1周24kmの周回コースを2周して争われた。周回コースには2つのスプリントポイント、1つの山岳ポイントが設定されている。ラスト7kmは非常に細かなアップダウンが続くものの、獲得標高は2周合計266mと控えめで、スプリンターに有利な平坦ステージだった。

 ズイフトを使ったバーチャルレースでは、スプリント・山岳ポイントの通過時、または周回終了時に獲得できるパワーアップアイテムが鍵となる。集団スプリントが予想される本ステージでは、計7回アイテムを獲得するチャンスがあるため、スプリントに有利な「エアロブースト」(一定時間、空気抵抗を軽減)を入手しやすい。その使いどころが勝負の分かれ目になると思われていた。

UCIプロチーム所属のダルシンが勝利

 男子レースは2019年ツール・ド・フランス総合優勝のエガン・ベルナルが参戦。とはいえ、クライマーのベルナルは平坦ステージで活躍することは難しく、レース中盤で集団から脱落。リラックスした表情で残りのライドを楽しむ姿が見られた。

コロンビアの自宅から参戦したエガン・ベルナル ©Zwift

 何度か集団から飛び出しを図る選手は見られたものの、大勢には影響を与えず集団スプリントへと持ち込まれる。するとNTTプロサイクリングが組織的な動きを見せた。

レース後に苦悶の表情を浮かべているボアッソンハーゲン ©Zwift

 残り500mを切ったところで、エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー)がエアロブーストを使用して加速。集団スプリントにおけるリードアウトの動きを見せていた。ところが同様にエアロブーストを使用して加速したキルシュが前に出て、ボアッソンハーゲンはあまり効果的なリードアウトはできず。

 それでも第1ステージ勝者のライアン・ギボンズ(南アフリカ、NTTプロサイクリング)が3番手付近に位置取りしており、残り200mを切ったタイミングでスプリント開始。しかし、エアロブーストを持っていなかったギボンズは伸び悩み、代わりにカラム・スコットソン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)、ジェイク・スチュワート(イギリス、グルパマ・エフデジ)がエアロブーストを使って加速し、先頭に出た。

画面下部、オレンジ色のジャージがダルシン。後方から一気にまくって勝利を掴んだ ©Zwift
自宅のガレージと思わしき場所から参戦したダルシン ©Zwift

 スチュワートのスプリントが伸びる一方、突然後方から現れたのは同じくエアロブーストで加速していたダルシン。ごぼう抜きのスプリントで猛烈に追い上げると、スチュワートと横並びでフィニッシュ。ほんのわずかな差でダルシンが勝利した。

 29歳のダルシンは2017年にカナダチャンピオンに輝くなど、キャリアのすべてをアメリカまたはカナダのチームで走っている選手。世界的には無名な選手ではあるものの、デジタルスイス5でも好走が光るなどバーチャルレースを得意としており、ワールドチームの強豪たちを下剋上する見事なスプリントを見せた。

 なお、チーム単位で争われるマイヨジョーヌ(チーム総合)はNTTプロサイクリングが首位をキープした。

ズイフト・アカデミー出身の医学部卒エラスが勝利

 女子レースは2周目の山岳ポイント争いを通じて4人が抜け出したものの、すぐに集団に吸収。その後の細かいアップダウンも大きな動きには繋がらず、20人以上による集団スプリントに持ち込まれた。

 残り400mを切って、先頭に立ったのは第1ステージの勝者であるエイプリル・テイシー(イギリス、ドロップス)だ。エアロブーストも使用してスプリントを開始すると、ほぼ同じタイミングでエアロブーストを使用して加速したマイヨジョーヌを着るクリスティン・フォークナー(アメリカ、ティブコ・シリコンバレーバンク)がテイシーをかわして先頭に立った。

集団スプリントではエアロブーストの使用タイミングが鍵となる ©Zwift

 そのようなライバルたちから少し遅らせたタイミング、残り200mを切ったあたりでエラスがエアロブーストを使用。溜めていた力を解き放ち、テイシー、フォークナーを一気にかわしてフィニッシュラインに先着し、第3ステージを制した。30歳のエラスは2018年のプロ転向後、初めての勝利を飾った。

プロ入り後、初勝利を飾ったターニャ・エラス ©Zwift

 エラスは才能発掘プログラムであるズイフト・アカデミーを通じて、2018年にキャニオン・スラムとプロ契約。元々は医学部に通って医師免許の取得に勤しむ傍ら、トライアスリートとしても活動していた。大学を卒業するタイミングでプロ契約を勝ち取ったため、病院ではなくスペイン・ジローナに移住して、28歳にてプロ転向を決意したという変わった経歴の持ち主だ。

 なお、チーム総合はティブコ・シリコンバレーバンクが首位をキープしている。

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