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サイクリスト目線でピックアップ‟キャンプツーリングの達人”山下晃和さんが使って選んだおすすめソロテント3選 

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  最近のソロキャンプの流行を受けて、メーカー各社から1人用のキャンプギアが続々と登場しています。しかも登山ブランドを中心にウルトラライト(超軽量)なアイテムが増えており、自転車ツーリングにおいても積載荷物の軽量化が加速しています。その代表的アイテム「テント」について、Cyclistの人気連載『キャンプツーリングの達人』の執筆者である山下晃和さんが自ら使って選んだサイクリストにおすすめの3アイテムを紹介します。

キャンプツーリングの達人、山下晃和さんが自身で使って選んだ今季注目のソロテントを紹介 Photo: Akikazu YAMASHITA

ソロキャンプのブームを後押しするアイテムが急増

 ここ最近、自転車のキャンプツーリングが流行しています。アメリカでのムーブメントはもとより、日本でも「BIKE&CAMP」という自転車とキャンプをテーマにした旅イベントなどが東海地区で開催されたり、「OMM BIKE」などアウトドアを趣味とする方が多く参加するMTBイベントが開催されるなど、少しずつ広まっているように思います。

 また、ランドナー、シクロクロスといった車種よりも、さらにキャンプに向いているグラベルロード、グラベルバイク、アドベンチャーロードといった新しいジャンルの誕生と、それらの種類が増えたこと、低価格帯の自転車が出てきたことで、よりキャンプツーリングが身近な存在になってきたともいえます。

 一方で「ソロキャンプ」が新たなトレンドとなり、その波を受ける形で2019年からソロ用にターゲットを絞ったテント、タープ、調理器具、焚き火台が続々登場。女性でも簡単に扱えるようなコンパクトで軽量なものが一気に増えました。

 2000年代にアメリカのスルーハイカー(ロングトレイルを超軽量装備で縦走登山するスタイルのハイカー)達が生んだ「ウルトラライト」という概念とはまた違う、新たな角度でアウトドアギアの広がりを見せているのがここ最近の傾向です。そういった背景を踏まえながら、私が一押しするオススメのキャンプギアをご紹介していきたいと思います。それでは、まずはテントから。

モンベルの定番テントが軽くなって高コスパに

 自転車のキャンプツーリングの場合は積載量や人力で移動するため、軽量・コンパクトさを兼ね備えた縦走登山などで使う「山岳テント」にターゲットを絞ります。価格が安過ぎるテントは雨の時に漏れてくる可能性もあるので、耐水圧(生地に滲み込もうとする水の力を抑える性能数値)は1500mmを目安にしましょう。

 一つ目に紹介するのは、2020年にリニューアルされたモンベルの「ムーンライトテント1型」です。以前は2.3kgとやや重かったのですが、最新版ではテント本体とポールで1.44kgまで軽くなりました。

2020年にリニューアルされたモンベルの「ムーンライトテント1型」 Photo: Akikazu YAMASHITA

 張り綱、ペグ、スタッフサックを入れても1.65kgと軽量になっています。こちらはツーリングテントというジャンルだったのですが、これだけ軽くなったのであれば自転車ツーリングに使わない手はありません。また価格が2万7800円(税別)は非常にコストパフォーマンスが高いといえます。

旧型に比べれば圧倒的に軽くなったが、ポールがおよそ2倍の幅を取るため、自転車でのツーリングとなると少し工夫が必要 Photo: Akikazu YAMASHITA

 ただし、ポールを収納したときにスタッフサックが56cmと、やや長めです。これは大型サドルバッグに入れるには辛いので、フロントバッグに収納するか、サドルバッグの上のドローコードを使って収納するかで迷いどころでもありますが、逆にいうと積載の知恵の絞りどころでもあります。

 また、自転車のキャンプツーリングに関しては、キャリアを装着しなければ、積載量がバッグによって決まってしまいます。この53cmという長さのバッグがパニアバッグ以外ではそれほど出回っていない現状があるということを認識しておきましょう。

入り口の上部にあるベンチレーション。これがあることで、足下にあるベンチレーションまで風が通るので、かなり涼しく快適です Photo: Akikazu YAMASHITA

居住空間はそれほど広くありませんが、1人が横になる分には問題ありません。「前室」という前に飛び出ているスペースが想像以上に広く、料理やバッグ類を置くところとして使いやすかったです。自立式であれば地面がどんな状況でも立てられる安心感があります Photo: Akikazu YAMASHITA

軽量な山岳テントはクロスポールという二本のポールをクロスした形状のものが多いのですが、こちらは一本を軸に前後それぞれクロスするようにポールが付属しています。ポールを失くす心配もないですし、設営の際も幕体が引っ張られないので非常に楽です Photo: Akikazu YAMASHITA

軽量さを追求するサイクリストに「ニンジャタープ」

 次のタイプは「タープ」という1枚の幕体です。画像のアイテムは日本のブランド、パーゴワークスの「ニンジャタープ」といって、1本のポールで幕体を引っ張ることで屋根を作ります。

様々な形に変幻自在のパーゴワークス「ニンジャタープ」 Photo: Akikazu YAMASHITA

 ニンジャタープは様々な形に変幻自在で、これ以外にも何十通りもの立て方があります。これはお気に入りのオープンタイプで、自然の匂いや音を感じながら寝られるので解放感は抜群。寒い時は小さな焚き火台を近くに置いておけば暖かさを保てます。

サドルをこのポジションに載せれば、朝露で濡れることもありません。各先端にアンカーを打つ(ペグダウン)ことで風に飛ばされないようにします。バッグ類は足元に置いても良いですし、自転車に付けっぱなしでも大丈夫です Photo: Akikazu YAMASHITA
居住空間は想像以上に広いです。もちろんオープンエアということもありますが、床面積も寝返りが打てるほど。ただ、人が多いキャンプ場だと寝顔を見られてしまったり、人が活動するときの音が気になるので、プライベート空間はありません。また、夏は蚊や虫が襲ってくる可能性があるので、寝袋から露出する頭部はバグネットという蚊帳付きの帽子を被ったり、蚊取り線香を焚かないと大変なことになるのでご注意を Photo: Akikazu YAMASHITA

 普通のタープと違って四隅にアジャスターがあるので、ポールに引っ掛けるのも簡単です。サイズが280cm×280cmと正方形である点も、設営アイデアをイメージしやすいデザインです。重さは395g、ガイライン6本とスタッフサックを足しても500gと非常に軽量です。詳しくはパーゴワークスのWEBサイトでご確認ください。

機能も見た目も秀逸な簡易テント

 こちらはBIGSKYというアメリカのメーカーの「Wisp1」というモデルです。上記の国産メーカーに比べればやや大味ではあるものの、この武骨な感じが好みという方や、スルーハイカーのようなウルトラライトハイカーにとっては望んでいたヴィビー(簡易テント)です。

アメリカのブランド、BIGSKYのテント「WISP1」 Photo: Akikazu YAMASHITA

 このタイプは非自立式といって、ペグを打ってそこから引っ張るようにして設営します。本来はトレッキングポールを利用して屋根を作りますが、別売のポールだけを購入すればOKです。前室も広くてバッグ類を前に置くこともできます。

上部にはベンチレーションがあり、テント本体はほぼメッシュなので夏向けといえます。いうなれば「蚊帳+α」のような感じです Photo: Akikazu YAMASHITA
居住スペースは大柄な男性であればやや横幅が狭いですが、女性ならなんら問題ないでしょう。画像から分かるようにメッシュ部分が多いので、暑さが苦手な人はオススメです Photo: Akikazu YAMASHITA

 雨の時は、入り口から顔を出して料理を作ることも。横からのアプローチができるので、出入りしやすいのもポイントです。重量は589g。シェルターやヴィビーなどの簡易テントは1kg以下が当たり前になってきました。

テントを全部閉めるとこのようになります。自転車と並べても絵になるデザインです。機能的な面をスペックで見るのも大事ですが、見た目がカッコイイというのも最後の決め手になります。写真を撮った時にカッコイイに越したことはないですからね Photo: Akikazu YAMASHITA
Wisp1はここにギミックがあり、小さなポールが入っています。それによって足元の広さを確保しています Photo: Akikazu YAMASHITA
このようなヌンチャクみたいなポール(こちらは付属します) Photo: Akikazu YAMASHITA

 もう一つの特徴は、頭の上だけ開けられるホックがついていて、横になるとちょうど目の前に月明かりや夜空を眺めることができます。お隣の人に寝顔を見られずに星空を楽しめるなんていうのもロマンチックです。愛車を近くに置いて盗難予防にすることもできます。

フライシートに頭の部分だけ開けられるホックがついています Photo: Akikazu YAMASHITA

◇         ◇

 以上、特徴的なテントを3つご紹介しました。整ったキャンプ場で芝生の地面であれば、非自立式でも設営できますが、河原などの砂利の地面、木の板で作られているサイトなどでは自立式でないと設営ができません。そういった宿泊先の情報も予め調べておくと良いでしょう。もし、海外ツーリングなどで止むを得ず野宿などをすることが想定される場合は、自立式を選んだ方が安心です。

山下晃和(やました・あきかず)

タイクーンモデルエージェンシー所属。雑誌、広告、WEB、CMなどのモデルをメインに、トラベルライターとしても活動する。「GARVY」(実業之日本社)などで連載ページを持つ。日本アドベンチャーサイクリストクラブ(JACC)評議員でもあり、東南アジア8カ国、中南米11カ国を自転車で駆けた旅サイクリスト。その旅日記をもとにした著書『自転車ロングツーリング入門』(実業之日本社)がある。趣味は、登山、オートバイ、インドカレーの食べ歩き。ウェブサイトはwww.akikazoo.net

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