総勢459人が回答ヒルクライマー実態調査結果発表<後編> バイクの重量分布、こだわりの軽量化パーツが明らかに

by 後藤恭子 / Kyoko GOTO
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 『Cyclist』が459人のヒルクライマーから回答を得たアンケートの結果発表<後編>は、愛車の軽量化について。ヒルクライマーがフィジカルの次にこだわる車体の軽量化問題ですが、果たして隣のヒルクライマーたちは愛車の総重量を何kgまで削ぎ落し、そして軽量化を図る上でどのようなパーツ選びをしているのでしょうか? バイクインプレッションの記事を担当する編集部員・松尾修作と自称“パーツおたく”な編集部員・石川海璃がアンケート結果を分析します。

前を走るあのクライマーのバイクの重量は?パーツは何を使っている? Photo: Naoi HIRASAWA

全体の4分の1が「7kg未満」

 完成車の総重量で最も多かったのは「7kg台」で36.8%。このクラスがボリュームゾーンとなることはある程度予想できたかと思うが、一方で「6kg未満」と「6kg台」を合計すると25.7%となり、「7kg以下」が2番目に多いという結果になった。

完成車の総重量は7kg台が36.8%と最多。一方で6kg台と6kg未満を合わせると25.7%で、「6kg以下」が2番目の多さという結果に ©Cyclist

石川:アンケートの結果6kg未満~7kg台のいわゆる“軽量”の自転車が62.5%を占める結果になりました。今回のアンケートでは細かい数値までは出していませんが、100g単位で算出した場合はどの様な結果になるのか興味深いところです。
 軽量化の傾向はある程度予想していましたが、この結果は予想以上。ミドルグレード以上の完成車に高級パーツを投入していたり、こだわりぬいたパーツで構成されるハイエンドモデルを購入したり、色々と工夫をされている様子が目に浮かびます。

松尾:中でも「6kg台」が20%を超えているというのはすごいよね。 フレームサイズにもよるけれど、おそらく各メーカーの最上級グレードのフレームに、ハイエンドコンポーネント、カーボンホイールを組み合わせての数字でしょう。「6kg未満」となると、クランクをシングル仕様にしたり、バーテープを巻かない…などスペシャルな試みをされているのでしょうか。この両者の合計で全体の4分の1以上を占めたという結果は、ヒルクライマーを対象としたアンケートとはいえ、想像以上の結果でした。
 もう一つ驚きだったのは「7kg台」も30%を超えたという点。感覚的な数字だけれど、ミドルグレードの完成車だと8kg台が一般的という印象なので、7kg台に減量するために、恐らく軽量なホイールなど比較的大きく重量を削れるパーツを別途追加していると思われます。安くはない買い物なので、いかに読者の皆さんが自転車に情熱を注いでいるのかが表れている結果だと思います。

こだわりパーツは「足回り」

 軽量化を図る上で、「フレーム以外にこだわっているパーツ」をたずねたところ、ホイールが57.1%と堂々のトップに。次いでタイヤが30.5%、サドルが18.5%、4番目にはタイヤと同じく走行感に多大に影響を及ぼすチューブがランクインした。

フレーム以外で、軽量化において最もこだわっているパーツは圧倒的にホイールが多いという結果に(複数回答可) ©Cyclist

松尾:回転・動力部分の重さを削ることは非常に効果的とされているので、ホイールは実際の重さ以上に軽量化を実感できるパーツです。そういう点で、最もこだわっているパーツに挙げられたのがホイール、次いでタイヤというのは正しい選択だし、違いを実感されている方が多いのだと思います。
 3番目に多かったサドルは、重量に違いがあることはもちろん、上部に装着されるパーツで、車体を振った際の重さ・軽さに影響を及ぼすパーツなので、これも納得のこだわりポイントだと思います。

石川:個人的に2番目にタイヤがランクインしたことが興味深かったです。大幅な軽量化の次は、やはり走行感が重要なようですね。ヒルクライムですから転がり抵抗の軽さは重要。使われているブランドの詳細を見ると、クリンチャー、チューブラーどちらでも展開しているビットリア・コルサシリーズが一番多い結果でした。
 4位にランクインしたチューブは、ラテックスチューブもしくは軽量のブチルチューブを使う方が多いようです。日本メーカーのチューブをチョイスしているユーザーが多い(ラテックスはSOYO、ブチルはパナレーサーのR’AIR)のも印象的でした。

ホイールブランドはフルクラムとカンパニョーロが2トップ

 「こだわりパーツ」として最も多かったホイールについて、回答があった205人の使用機材をブランド別に見ると、フルクラムとカンパニョーロが同数を獲得してトップに。その後、マヴィック、シマノと続く結果になった。

軽量化にこだわっているパーツとして多かったホイールで、支持が高かったブランドはフルクラムとカンパニョーロ、その後マヴィックと続く ©Cyclist

松尾:シマノではデュラエースグレードの「C24」という回答が目立ちました。ローハイトリムで振りも軽く、走行抵抗の軽いデュラエースのハブが選ばれた理由でしょうか。国内ブランドのハイエンドモデルという安心感と、コストパフォーマンスの高さが魅力的なホイールですね。
 カンパニョーロは「ボーラワン」が人気でした。特に35mmハイトがほとんどを占めていました。ミドルハイトですが、上りでも大活躍するホイールです。いまは販売されていませんが、ローハイトの「ハイペロン」をお使いの方も多く、ハイペロンファンの松尾としてはうれしい結果でした。渋いルックスがヒルクライムスペシャリスト感を醸し出してくれるアイテムですね。 

石川:技術の進化でホイールの軽量化が進み、いまや「ハイペロン」は劇的に軽いホイールではなくなってしまいましたが、かつてグランツールの山岳ステージやクラシックレースの石畳対策でプロ選手が愛用していました(Bboxブイグテレコム時代の新城幸也選手も使っていましたね!)。僕以外にも「ヒルクライムレースとえばハイペロン!」という方がいらっしゃるようで、アンケートを見ていて嬉しくなりました。
 フルクラムやマヴィックではアルミホイールの使用者が多い印象ですね。

松尾:フルクラムでは特に「レーシングゼロ」の支持が目立ちました。アルミホイールの最高峰として何年もラインナップされ続け、人気を博しています。「赤いホイール」といえば“レーゼロ”のイメージも定着しています。
 一方のマビックはキシリウム系のアッセンブルが目立ちました。こちらもレーゼロと同じく、カーボンホイールに負けない軽やかさをヒルクライムでも演出します。どちらもクリンチャーモデルが主力なので、練習と本番を一緒にしたいという方が多かったのではないでしょうか。
 アルミだけでなく、カーボンホイールのクリンチャーモデルはどんどん軽量になり、精度も増しています。高性能なタイヤも増えましたし、チューブレスも進化しています。俗にいう“決戦用”という言葉は死語になってきたのかもしれません。
 そしてヒルクライムは上った後、当然下ります。ずーっとブレーキを握り続けるわけですが、このようなシチュエーションだとアルミリムの方が安心できるかもしれません。特にマビックのエグザリット仕様のリムだと雨でも利きが良いので、ヒルクライム用として選ばれる理由になっているのかもしれません。
 また、「AXライトネス」や「ライトウェイト」などの超軽量(超高額)ホイールや、こだわりの仕様に手組したという回答も見受けられました。このあたりのホイールを付けているだけで、実際の軽さのメリットの享受はもちろん、「こんな軽いホイール付けてるんだぞ!」とモチベーションも上げてくれそうですね(笑)。
 最新ロードバイクのトレンドはディスクブレーキですが、ホイールのチョイスを見るとまだリムブレーキ仕様のバイクに乗っている方がほとんどに見受けられます。ディスクロード向けのカスタムホイールは今まさに新作が生まれている最中なので、広く浸透しきっていないのかもしれません。
 しかし、ディスクブレーキ仕様のロードは今後さらに増加していくことは確実です。その時に国内のヒルクライマーたちのパーツチョイスはどのようなものになっていくのでしょうか。とても興味深く注視していこうと思います。

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