自転車の魅力を満喫した100kmライド世界自然遺産・屋久島のおもてなしに感激 ポタガール埼玉が走った「サイクリング屋久島」

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 鹿児島から南へ60km、世界自然遺産に登録されている屋久島を自転車で1周するイベント「2013サイクリング屋久島」が2月17日に開催されました。

世界遺産を走った! 2013サイクリング屋久島開催

 このイベントに参加した「ポタガール埼玉」の岩崎雅美さんと後口沙織さんが、体験レポートを「Cyclist」に寄稿してくれました。今回は、岩崎さんによるサイクリングイベントの完走記をお届けします。

間近に迫った海をバックに記念撮影する岩崎雅美さん間近に迫った海をバックに記念撮影する岩崎雅美さん

◇      ◇

豪華すぎる抽選会と仲間の運の強さ

受付を済ませて受け取った参加記念品受付を済ませて受け取った参加記念品

 イベントは、2月16日に行なわれた前夜祭からスタートしました。参加記念品の中には、屋久島産杉でできた箸など地元の特産品をはじめ、スポーツ後にうれしいエアーサロンパスやボディシート(体を拭く大判のウェットティシュ)、日焼け防止に重宝するキャップ、エネルギーチャージにぴったりなアミノ系サプリなども入っていましたよ!

 受付を済ませると、さっそく郷土料理のおもてなし。プレートには、長命草の天ぷら、安納芋・ニンジン・たまねぎ・スナップエンドウのかき揚げ、飛び魚のさつま揚げ「ツキアゲ」(「屋久島揚げ」ともいう)、たんかんゼリー、白玉団子が盛られて色とりどりでした。

 この献立の中で衝撃的だったのは、お吸い物に入った「カメノテ」でした。貝の一種なのだそうですが、初めて目にしたカメノテを本当の“亀の手”だと思い込んだ私は、思わず逃げ出したほど。屋久島ではスタンダードな食べ物のようで、宿泊した宿でも供されていました。インパクトの強い見た目とは異なる上品な薄味で、岩のりの磯の香りたっぷり。とてもおいしかったですよ。

前夜祭で郷土料理のおもてなし前夜祭で郷土料理のおもてなし
抽選会でホイールが当選した仲間は大喜び抽選会でホイールが当選した仲間は大喜び

 前夜祭では大会ゲストの安田大サーカス・団長安田さんが司会を務め、抽選会も行なわれました。今回のイベントには、ポタガールだけでなく、自転車をつうじて知り合った8人の仲間と参加したのですが、抽選会でなんと全員が当選! 景品は「黒糖ドーナッツ」「焼酎 三岳」「きび酢」といった屋久島の特産品や、団長安田さん執筆の自転車本などさまざま。一番豪華だったのは、なんと鹿児島~屋久島間往復航空券でした。仲間は「来年もまた参加します」と宣言していましたよ。

屋久島町民のおもてなし でも「あとちょっと」は…

 「サイクリング屋久島」の開催は今年で3年目ですが、今回初めて好天に恵まれたそうです。約250人の参加者が、気持ちのいい朝日を浴びながら、島の南に位置する尾之間から反時計回りにスタートしました。

夜明け前の出発で仲間と記念撮影夜明け前の出発で仲間と記念撮影
屋久島の大自然の中を走る「サイクリング屋久島」屋久島の大自然の中を走る「サイクリング屋久島」

 スタート地点の尾之間から宮之浦までは、比較的緩やかなアップダウンが続き、景色をのんびり眺めたり、写真を撮ったりしながらのんびり走ることができました。いなか浜は、花崗岩(かこうがん)でできたベージュの砂浜と、透き通るブルーの海が広がり、とてもきれいでした。 天気がいい日には黒島、硫黄島、竹島を見ることができるそうです。

 沿道では、家の前に出て家族総出で応援してくれる町の人や、仕事中にお店の前に出てきて手をふってくれるユニフォーム姿の人が絶え間なく「がんばってー」「気をつけてー」と応援してくれました。後から聞いた話ですが、イベント中にライダーが到着した地域では、それぞれ町内放送で「いらっしゃいましたよ」と住民にお知らせしていたそうです。

 おじいちゃん、おばあちゃんが軒先に並んで座って「えらいね~」とニコニコ笑顔で手を振ってくれると、つらい坂を上っていたはずの私も笑顔で「がんばります」とはりきってしまいました。

 また、車とすれ違う時、ほとんどの人が窓を開けて応援してくれました。いたるところで“屋久島町のおもてなし”を感じることができる大会です。

 元気におしゃべりをしながら走っていたメンバーも、ウミガメ産卵地で有名な永田・いなか浜あたりに来ると口数が少なくなってきました。吉田で急こう配の坂に出遭い、そのあとはアップダウン、アップアップ、ちょっとフラットが入ってアップアップ…。

サポートのマヴィックカーにお世話になる仲間サポートのマヴィックカーにお世話になる仲間
アップダウン、アップアップ…のきつい道アップダウン、アップアップ…のきつい道

 国立公園の後半は、ひたすら上り坂が続きます。「一体いつになれば下りで休めるの?」と叫びながら必死にペダルを回し続けました。もうダメ~と思っていると、町の人やスタッフが「あとちょっと。がんばれ!」と応援してくれるので、「よし」となるのですが、その次の人も「あとちょっとだよ!」。またその次も「あとちょっとで天国だよ!」、それからその次も「あと400mくらいだよ!」。下り坂はどこに…。

 ゼイゼイ言いながら、「もう400m過ぎたんですが、ほんとにあとちょっとですか?」と町のおばちゃんに聞いてみたら、「みんなにあとちょっとって言われたでしょ」とにんまり顔。屋久島町民の「あとちょっと」ほど恐いものはないと、メンバーともども悟った瞬間でした。

生き物の気配の中を走り、心のこもったエイドステーションで癒される

 そんなやりとりも、国立公園・西部林道に入ると一気にもののけの雰囲気が満ちてきます。いつ屋久鹿や屋久猿が現れるのかと、そわそわ・キョロキョロ・どきどき・ワクワクが入り混じった気持ちで走ることができました。

走行中に屋久鹿と遭遇。しばし見つめ合った走行中に屋久鹿と遭遇。しばし見つめ合った

 10分くらい走ったところで、ついに屋久鹿とご対面! 思わず声を潜めて見つめ合ってしまいました。屋久鹿は、おとなでも体が小さく大きな目がとってもかわいいんです。みんなのんびり食事していましたよ。

 生き物を探しながらゆったり坂を上ったり、キツツキが木をつつく音に驚いたり、動物の鳴き声に耳を澄ませたり…自転車ならではのテンポで、太古の森を全身で満喫することができました。

 自転車の大会やイベントでは、食べ物や飲み物を補給するためのエイドステーションと呼ばれる休憩所が設けられますが、サイクリング屋久島のエイドステーションでは、地元の特産品が提供されていました。種類が豊富で、“屋久島の味”を楽しめるとともにお土産選びの参考にもなりました。

 食べ物や飲み物の中には、町の人が朝、早起きして参加者のために作ってくれた郷土料理もありました。それに、食べ放題で持ち帰り放題だというのです。屋久島町のお母さんたちは優しく、元気で、おもしろい人たちばかりで、「持っていけるものはどんどん持って行って」とポケットに詰め込まれました。

屋久島町民の手作りのお菓子などが並んだエイドステーション屋久島町民の手作りのお菓子などが並んだエイドステーション
エイドステーションで補給をとり、休憩しながらサイクリングエイドステーションで補給をとり、休憩しながらサイクリング

 私のオススメは、旬のフルーツ「たんかん」。水分と糖分がおいしく補えるたんかんは、口の中がさっぱりして、汗をかいた体にぴったりの風味です。「黒糖ロールケーキ」も、女子には大好評でした。心のこもったエイドステーションに、身も心も癒されました。

自転車だからこそ実感できた世界自然遺産・屋久島

 屋久島は隆起によって形作られ、平らな道はほとんどありません。また、標高の高いところでは年間雨量8000mmを超え、豊富な水と独特の自然を有する世界自然遺産です。サイクリング屋久島は、タイムを競うレースではなく、参加者が自分のペースで自然と一体になるイベントなのだと実感することができました。

 また、森の中から感じ取れる生き物の気配、自力で必死に坂を上ったからこそ見える景色、全身で風を受け止めたときの気持ちよさは、やはり自転車で走ることでしか得られないものです。それに、一緒に参加した仲間と100km走りきったという思い出は、かけがえのない宝物。今回は、あらためて自転車の魅力を感じるイベントとなりました。

屋久島のゆるキャラ「まるりん」とゴール後の記念撮影屋久島のゆるキャラ「まるりん」とゴール後の記念撮影
ヒヨコとニワトリに扮した地元・屋久島町民の森田さん(左)と梅本さんヒヨコとニワトリに扮した地元・屋久島町民の森田さん(左)と梅本さん

 ちなみに参加者のほとんどは、島の外から家族や友人と来ていたそうです。そんな中、地元・屋久島町民の梅本章雅さんと森田裕子さんは、それぞれニワトリとヒヨコ姿で目立っていました。「町のかわら版に写真で取り上げられるのが目標」とおどけながら、参加者に卵を配っていた姿が印象的でした。来年はこの卵が“孵って”ヒヨコ姿が増えているかも?

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