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福光俊介の「週刊サイクルワールド」<344>UCIワールドツアー日程が更新 レース再開に向け新スポンサーやチームカラーの新装も

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 7月からのロードレースシーズン再開、さらには8月からリスタートとなるUCIワールドツアーに向け、有力チームや選手たちの動きが慌ただしくなってきた。これに呼応するかのように、UCI(国際自転車競技連合)も同ワールドツアーのレース日程を更新。新型コロナウイルスの世界的な影響は今もなお予断を許さない状況だが、そんな中でも競技関係者の足並みがそろいつつある。今回も、世界のレースシーンの現況をおさらい。シーズン再開に向けて新たな動きを示したチームの様子もご覧いただこう。

UCIワールドツアーの日程調整が行われ、イル・ロンバルディアが8月15日に開催日を変更することとなった(写真は2019年大会) Photo: Yuzuru SUNADA

UCIワールドツアーが日程調整

 UCIは6月12日、同ワールドツアーのカレンダーを調整し、新たなレース日程を発表した。

 8月1日に再開される同ワールドツアーのレース日程については5月5日に発表されていたが、今回は部分的な調整を施し、より多くのレースを組み込めるようにしたものといえる。

2019年大会はバウケ・モレマが制したイル・ロンバルディア。秋の深まりを告げるクラシックだが、2020年大会は夏開催となる Photo: Yuzuru SUNADA

 トピックは、10月31日開催予定だったイル・ロンバルディアが8月15日へと大幅に前倒しとなった点。前週(8月8日)にはミラノ~サンレモも予定されており、2週連続でのイタリアンクラシック開催となる。元来、ミラノ~サンレモは春の訪れを、イル・ロンバルディアは秋の深まりをそれぞれ告げるレースであるが、今年はともに「真夏のクラシック」へと様変わりする。

 レース日程の移動では、ツアー・オブ・グアンシーが10月15日から11月5日へ開幕日を変更。全6ステージでの実施は変わらず、大会最終日の11月10日が2020年シーズンのUCIワールドツアーの閉幕となる。加えて、同大会の女子レースも11月10日に移る。

 このほか、日程未定となっていたユーロアイズ・サイクラシック・ハンブルクが10月3日開催に。同様にドイツで行われ、スプリンターズクラシックにも数えられるエッシュボルン・フランクフルトは中止。女子では、ポストノルド・UCIウィメンズワールドツアー ヴォーゴーダ・ウェストスウェーデンのチームタイムトライアルとロードレース、レディース・ツアー・オブ・ノルウェーの北欧3大会が中止と決まった。

UCIワールドツアー2020(6月12日日程調整分)

8月1日 ストラーデビアンケ(イタリア)
8月5~9日 ツール・ド・ポローニュ(ポーランド)
8月8日 ミラノ~サンレモ(イタリア)
8月12~16日 クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ(フランス)
8月15日 イル・ロンバルディア(イタリア)※
8月25日 ブルターニュクラシック・ウェストフランス(フランス)
8月29日~9月20日 ツール・ド・フランス(フランス)
9月7~14日 ティレーノ~アドリアティコ(イタリア)
9月11日 グランプリ・シクリスト・ド・ケベック(カナダ)
9月13日 グランプリ・シクリスト・ド・モントリオール(カナダ)
9月20~27日 ロード世界選手権(スイス)
9月29日~10月3日 ビンクバンク・ツアー(ベルギー、オランダ)
9月30日 ラ・フレーシュ・ワロンヌ(ベルギー)
10月3日 ユーロアイズ・サイクラシックス・ハンブルク(ドイツ)※
10月3~25日 ジロ・デ・イタリア(イタリア)
10月4日 リエージュ~バストーニュ~リエージュ(ベルギー)
10月10日 アムステル・ゴールド・レース(オランダ)
10月11日 ヘント~ウェヴェルヘム(ベルギー)
10月18日 ツール・デ・フランドル(ベルギー)
10月20日~11月8日 ブエルタ・ア・エスパーニャ(スペイン)
10月21日 AGドリダーフス・ブルージュ~デパンヌ(ベルギー)
10月25日 パリ~ルーベ(フランス)
11月5~10日 グリー・ツアー・オブ・グワンシー(中国)※

※日程調整が行われたレース

UCIウィメンズワールドツアー2020(6月12日日程調整分)

8月1日 ストラーデビアンケ(イタリア)
8月26日 グランプリ・ド・プルエー(フランス)
8月29日 ラ・クルス・バイ・ル・ツール・ド・フランス(フランス)
9月1~6日 ブールス・レディースツアー(オランダ)
9月11~19日 ジロ・デ・イタリア・インテルナツィオナーレ・フェミニーレ(イタリア)
9月20~27日 ロード世界選手権
9月30日 ラ・フレーシュ・ワロンヌ・ファム(ベルギー)
10月4日 リエージュ~バストーニュ~リエージュ・ファム(ベルギー)
10月10日 アムステル・ゴールド・レース・レディース(オランダ)
10月11日 ヘント~ウェヴェルヘム(ベルギー)
10月18日 ロンド・ファン・フラーンデレン(ベルギー)
10月20日 ドリダーフス・ブルージュ~デパンヌ(ベルギー)
10月23~25日 ツアー・オブ・チョンミンアイランド(中国)
10月25日 パリ~ルーベ(フランス)
11月6~8日 セラチジット・マドリードチャレンジ・バイ・ラ・ブエルタ(スペイン)
11月10日 ツアー・オブ・グアンシー・ウィメンズワールドツアー(中国)

ミッチェルトン・スコットが新スポンサーと契約 チーム名も変更に

 ミッチェルトン・スコットを運営するグリーンエッジサイクリングは12日、新スポンサーとしてスペインのマヌエラ財団と契約したことを発表。チーム名とレースジャージの変更も明らかにし、シーズン再開からは「チーム マヌエラフンダシオン」として活動することになった。

チーム マヌエラフンダシオンのジャージ。7月以降はこのチームキットでレースを走ることになる ©︎ GreenEDGE Cycling

 同日配信されたチームからのリリースによれば、「長期的な合意は、レース中止や延期、失業や給与の削減など、サイクリングはもちろんのことNFLからオリンピックまで、新型コロナウイルスの影響を受け困難な時期を迎えている世界中のスポーツ界にあって大歓迎すべき事柄だ」と述べられている。

 マヌエラ財団はスペイン南部のグラナダを拠点とし、フランシスコ・フエルタス氏と妻であるマリア・アンガスティアス・ゴンサレス氏が運営する非営利団体。その活動はすべて自己資金で賄われ、「より協力的な世界の創造を支援する」ことを主な目的としながら、ソーシャルネットワークなどを中心に10月4日から活動を開始するという。

 チームオーナーのゲーリー・ライアン氏はリリースの中で、「特にここ最近の数カ月間、不安定かつ不確実な期間を過ごしていたが、2021年以降の私たちの将来を確実にしてくれたフランシスコ・フエルタス氏とマヌエラ財団のサポートに興奮している」とコメントする。

 チーム発足の2012年から一貫してオーストラリアをチームベースとし、2018年からは同国のワインメーカーであるミッチェルトン社がメインスポンサーを務めてきた。この新たな契約によって、チームがどのような方向性となっていくか見もの。シーズン再開日である7月1日に詳細が発表される予定となっており、そこで全容が明らかになるはずだ。

チーム サンウェブはニューカラーでシーズン再開へ

 チーム サンウェブはこのほど、白を基調とした新デザインのジャージ「サマーキット」を発表した。

チーム サンウェブのサマーキット © Team Sunweb | Patrick Brunt

 これまではサンウェブ社のコーポレートカラーである赤をベースとしたデザインだったが、夏に向けてさわやかなカラーへと変更。同社が旅行会社であることも関係し、「夏の始まりを祝って、新しい現実に適応しながら、これからの機会を楽しもう」とのコンセプトが込められている。

 チーム サンウェブの象徴ともいえる、胸部・腹部・背部のストライプは引き続き見るものにインパクトを与える。若い選手が多く、果敢な走りが特徴の“赤の軍団”は当面、“ホワイト軍団”となってさらなる飛躍を目指していくことになる。

チーム サンウェブはシーズン再開から白基調のジャージでレースに臨む © Team Sunweb | Patrick Brunt

今週の爆走ライダー−ブランドン・リベラ(コロンビア、チーム イネオス)

「爆走ライダー」とは…

1週間のレースの中から、印象的な走りを見せた選手を「爆走ライダー」として大々的に紹介! 優勝した選手以外にも、アシストや逃げなどでインパクトを残した選手を積極的に選んでいきたい。

 今年からチーム イネオスに加わったコロンビア人ライダー。チームメートのエガン・ベルナルは、彼にとって同じ街で育った“直属の後輩”にあたる。

今季チーム イネオス入りしたブランドン・リベラ(左から2人目)。子供の頃から一緒に走ってきたエガン・ベルナル(左から3人目)とプロでもチームメートになった =ツアー・コロンビア2020チームプレゼンテーション、2020年2月9日 Photo: Yuzuru SUNADA

 ロードでの経験はまだまだ浅いが、マウンテンバイクでは年代別のトップを走ってきた。9歳でオフロードを走り始めると、最下部カテゴリーから着々とステップアップ。2014年にはユース五輪で金メダルを獲得し、世界的に名が知られる存在となった。この頃にはベルナルと活動をともにしていて、そろって世界にチャレンジしていた。

 大学進学によって一度はペースを緩めた自転車のキャリアだったが、3年前にロードに完全転向。フランスでのアマチュア活動を経て、自国に戻った昨年は個人タイムトライアルでアメリカ大陸王者に。ツール・ド・フランスを制した“後輩”ほどの出世ではないにせよ、実力をつけて現チーム入りをつかんでいる。

 リベラやベルナルが育った街・シパキラは、同国でも特に才能豊かなサイクリストが生まれる土壌にあるという。街を挙げて応援する態勢も整っていて、大陸王者獲得時には市長表彰が一大イベントになったほど。

 シーズン再開を見据える現在は、普段通りベルナルのトレーニングパートナーを務めながら鍛練を重ねる。街のヒーロー2人が走っているとあれば、ファンが車から声をかけてくる、なんてことは日常茶飯事。国境封鎖が続いているため、ヨーロッパへ渡る時期は不透明だが、もう少し地元の明るいムードの中走るつもりでいる。

2月のツアー・コロンビアを走ったブランドン・リベラ。シーズンが中断する現在は地元コロンビア・シパキラでエガン・ベルナルとトレーニングに励んでいる =2020年2月13日 Photo: Yuzuru SUNADA
福光俊介福光俊介(ふくみつ・しゅんすけ)

サイクルジャーナリスト。自転車ロードレース界の“トップスター”を追い続けて十数年、今ではロード、トラック、シクロクロス、MTBをすべてチェックするレースマニアに。現在は国内外のレース取材、データ分析を行う。UCIコンチネンタルチーム「キナンサイクリングチーム」ではメディアオフィサーとして、チーム広報やメディア対応のコントロールなどを担当する。ウェブサイト「The Syunsuke FUKUMITSU

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UCIワールドツアー UCI女子ワールドツアー ロードレース 週刊サイクルワールド

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