JPマッサ勢が1-2フィニッシュ渡仏目前の高校生・小橋勇利が大人と真っ向勝負 「きらら浜サイクルミーティング」山口市で開催

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 山口市阿知須のきらら博記念公園で2月24日、山口県自転車競技連盟が主催する「きらら浜サイクルミーティング 2月大会」が開催された。同会場で年に複数回開催されている、中国地方では貴重なロードレース。県内はもちろん、近隣県や九州などから、のべ200人を超える選手が出場した。

公園のシンボル的建物である多目的ドームを背に走る集団公園のシンボル、多目的ドームを背に走る集団
マスターズ(40歳以上)のレースマスターズ(40歳以上)のレース
小学生のレース小学生のレース

 会場は公園の大駐車場を区切り、2.2kmの周回コースを設定。完全に平坦で走りやすいが、海のそばの干拓地で風が強いこともあって、位置取りや仕掛けるタイミングなど、想像以上に駆け引きが重要となるコースだ。レースは年齢別とレベル別に計9カテゴリーで実施された。

天才少年 vs 大人たち 

白石真悟(シマノドリンキング)と小橋勇利(ボンシャンス飯田)白石真悟(シマノドリンキング)と小橋勇利(ボンシャンス飯田)

 最高カテゴリーのエリートクラスで、この日の注目選手は、この大会初出場となる高校3年生の小橋勇利(ボンシャンス飯田)。高1でインターハイを制し、高2でジャパンカップオープン、高2・高3とツール・ド・おきなわジュニア国際で優勝している、現在ジュニア世代最強選手の一人だ。1週間後には、卒業式を終えてフランスに渡り、プロロードレーサーを目指すことが決まっている。

 迎え撃つのは、手強い“大人”たち。地元の強豪でツール・ド・おきなわ市民200キロ元王者の白石真悟(シマノドリンキング)や、この大会での優勝経験豊富な伊藤翔吾(JPスポーツテストチーム・マッサ・アンデックス)など、きらら浜のレースを知り尽くした一癖ある選手が顔を並べる。

 20周のレースで序盤に動いたのはJPマッサ勢。伊藤がチームメートの佐藤信哉らと逃げを作る。静観していた小橋は5周目に猛然と追走。レース前半でメーン集団は大きく崩れ、4人の逃げが形成された。伊藤、佐藤、小橋と、神野勝(エスペランススタージュ/ウェイブワン山口)の先頭集団は、規則正しい先頭交代を繰り返して、後続との差を着々と広げていく。

序盤から攻撃を仕掛ける伊藤翔吾(JPスポーツテストチーム・マッサ・アンデックス)序盤から攻撃を仕掛ける伊藤翔吾(JPスポーツテストチーム・マッサ・アンデックス)
逃げの3人を後ろから小橋が猛然と追走する。メーン集団はバラバラに逃げの3人を後ろから小橋が猛然と追走する。メーン集団はバラバラに

 中盤を淡々と過ぎたレースが動いたのは残り5周、周回後半の横風区間で伊藤がアタック。小橋が追走して半周で追い付くが、今度は佐藤がカウンターアタックを仕掛ける。ここで神野は脱落し、勝負は小橋とJPマッサの2人という構図となる。淡々と逃げ続ける佐藤に、前を追いたい小橋と、それをマークする伊藤。小橋は単独で追い付こうと波状攻撃を仕掛けるが、伊藤もそれを逃さない。

伊藤が捕えられた後、今度はチームメートの佐藤がカウンターアタックを仕掛ける伊藤が捕えられた後、今度はチームメートの佐藤がカウンターアタックを仕掛ける
完全な2対1で、小橋は一気に不利な状況になった完全な2対1で、小橋は一気に不利な状況になった

 この終盤のせめぎ合いに勝ったのは、数に優るJPマッサの2人だった。最終周回にも猛烈に追い込む小橋から逃げ切った佐藤が優勝。ゴール前で小橋をかわした伊藤が2位に入り、JPスポーツテストチーム・マッサ・アンデックスが1-2フィニッシュを飾った。手強い小橋に対し、早めに仕掛けて先手を取った戦術が功を奏した。

最終周回に入る追走。小橋をがっちり伊藤がマークする最終周回に入る追走。小橋をがっちり伊藤がマークする
独走で3周を逃げ切った佐藤が優勝。積極的な走りが光った独走で3周を逃げ切った佐藤が優勝。積極的な走りが光った

言い訳ナシの小橋 夢は「ツールでステージ優勝」

ゴール後、悔しさをにじませる小橋。あくまで勝ちにこだわるが、激しいレースに「気持ち良かった」ともゴール後、悔しさをにじませる小橋。あくまで勝ちにこだわるが、激しいレースに「気持ち良かった」とも

 ゴール後「悔しいなぁ」とこぼす小橋。数的に不利な戦いだったが、高1でインターハイを制して以降、国内ジュニアのレースでは常に包囲網を敷かれてきており、「こういう(数的に不利な)状況には慣れている。チーム戦は言い訳にできない」と話す。その中でも最後まで勝利を諦めずに、様々な攻撃を仕掛け続けた姿が印象的だ。

 勝ったJPマッサ勢の2人も、小橋の強さに舌を巻く。それぞれのアタック時にはもう一人が小橋の追撃をマークしたが、それぞれ小橋に千切られそうになる場面があったという。優勝の佐藤はこの大会初制覇。「今まできらら浜では辛い思いしかなかったので、勝てて嬉しい」と喜びをあらわにした。

エリート表彰台。左から2位の伊藤翔吾、優勝の佐藤信哉、3位の小橋勇利エリート表彰台。左から2位の伊藤翔吾、優勝の佐藤信哉、3位の小橋勇利
フランス出発を1週間後に控え、会場で挨拶をする小橋勇利フランス出発を1週間後に控え、会場で挨拶をする小橋勇利
後援会の案内を受け取りに集まる子供たち。「がんばってください」の声も後援会の案内を受け取りに集まる子供たち。「がんばってください」の声も

 表彰式の後、小橋からフランス遠征に向けての挨拶と、後援会設立のお知らせが行われた。「自分でこういうこと(後援会設立)をするのもどうかと思った」というが、プレッシャーをモチベーションに変える高いプロ意識を作るために、あえて早い段階から多くの人と自ら関わる道を選んだ。将来の夢を「ツール・ド・フランスでステージ優勝」と公言する18歳に、会場では大きな声援が送られた。

(文・写真 米山一輝)

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