自転車界トップが考える“アフターコロナ”③サイクリング人口の拡大がミッションに トレック・ジャパン田村芳隆社長

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 世界中で拡大したコロナウイルスによる生活の変化で、自転車を取り巻く環境がいかに変化したのか、自転車業界を牽引する各社長へオンラインインタビュー。今回はトレック・ジャパンの田村芳隆社長に需要の変化や、ブランドとしての方針を聞いた。

コロナ禍前後の変化についてインタビューに答えたトレック・ジャパンの田村芳隆社長(トレック・ジャパン提供)

クロスバイクの出荷がロードを上回る

――コロナ禍の前と後で変わったことはありますか?

 直営店の実績などを分析すると、緊急事態宣言後は来店客数が減っているものの、売上は大きく落ちていません。つまり、どのモデルを買うかネットで調べて決めて、後は店で実車を見て最終判断するだけ、というお客様が圧倒的に増えています。何度も来店のために外出したくない人が多いのでしょう。

――通勤での活用やサイクリングの有効性が見直されクロスバイクの販売が伸びていると聞きます。ロードやクロスバイク、MTBなど各ジャンルの割合に変化はありましたか?

 クロスバイク、特に低価格なモデルの出荷台数が圧倒的に増加しました。昨年のこの時期はロードの出荷台数の方が多かったのですが、今やクロスバイクがロードを大きく上回っています。また自粛を強いられているお子様の手軽なアクティビティとしてキッズバイクが非常に人気になっています。

――一般サイクリストの間で自転車の役割が見直されている傾向を今後、商機としてどう捉えていますか

自転車の利用で地球環境への負荷を軽減させるキャンペーンを打ち出した「#GoByBike」(トレック提供)

 トレックは気候変動に対して自転車がどのように貢献できるのかを考え続けています。世界各国でコロナによるロックダウンで車が減り、大気汚染のレベルが低下したという報告があります。ロックダウンを永遠に続けるわけにはいきませんが、多くの人が団結して自動車から自転車に乗り換えることで世界を変えられる可能性を感じました。

 このテーマにフォーカスした#GoByBikeというキャンペーンを立ち上げました。コーポレートミッションという意味でも、ビジネスという意味でも、コロナ終息後はまったく違う世界が広がっており、自転車がより良い世界を作ることを多くの人に認識していただく絶好の機会であると思います。

ハイエンドだけのイメージから変化を

――オンライン化が進んでいますが、実店舗の役割、ショッピングスタイルは変わっていくのでしょうか

 消費者が選びやすいスタイルを常に追求していくことは、終わりのない使命であると考えています。オンライン化が進む中で、実店舗の役割は重要さを増すでしょう。実店舗にはEコマースにない人と人の繋がりや、ライドイベントを通じた出会い、またコミュニティとしての役割がより強く求められるのではないでしょうか。そしてサイクリストが安心・安全にサイクリングを楽しめるように、サービスを提供することも実店舗にしかできないことでしょう。

トレックはアクセサリーブランド「ボントレガー」へ高い技術と新しいプロモーションを投入し続けている。エントリーユーザー向けのアイテムも豊富だ Photo: Shusaku MATSUO

――コロナ禍をきっかけとしてライドスタイルの変化について教えてください 

 e-BIKEは以前より好調でしたが、コロナの自転車通勤需要で大きく伸びています。時間や気温を問わずライドできるバーチャルライドは今後も間違いなく伸びる分野だと思いますし、コロナをきっかけにより一層注目を集めました。様々な機能を持った機種が出ていますが、今後どのように発展し、リアルライドとの関係性がどうなるのか、注目しています。

――御自身はコロナ禍の中でどのような行動をされていましたか 

 引きこもり過ぎるのではなく、週末は人込みを避けながらライドを楽しみ、太陽を浴びてリフレッシュしていました。また家族との行動の中で自転車が活躍してくれたことも嬉しい変化でした。

――メーカーとしての売り方は今後どう変わっていくと考えますか

 トレックはレースバイク、ハイエンドバイクのイメージが強かったかもしれませんが、「より多くの人に自転車に乗ってもらうことで、世界を変える」というミッションのために、クロスバイクやキッズバイクを求めるお客様にも選んで頂きやすい環境作りを推進し、一人でも多くの方が自転車の楽しさと喜びを感じられるようにしたいと考えています。

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