■イタリアにおけるディズニーキャラクターの名前
・ミッキーマウス:Topolino(トポリーノ)
・ミニーマウス:Minny(ミンニー)
・グーフィー:Pippo(ピッポ)
・ドナルドダック:Paperino(パペリーノ)
・デイジーダック:Paperina(パペリーナ)
・ヒューイ・デューイ・ルーイ:Qui Quo Qua(クィ・クォ・クァ)
・スクルージ・マクダック:Paperon de Paperoni(パペロン・デ・パペローニ)
今回のお話は、ディズニーワールドとジロ・ディタリアの夢のコラボ企画をご紹介します。イタリア独自の文化を反映させたミッキー、ドナルドの物語に注目。イタリアの自転車好きなディズニーの担当者にもインタビューしました。いつか日本でも目にしたい素晴らしいコンテンツです。
いきなりですが、問題です。ミッキーマウスはどんな仕事をしているでしょう。ジャーナリスト、探偵、発明家? それとも探検家? 正解はこの記事の最後でお伝えします。
あれ、ディズニーランドでゲストを迎えるホストではないの? 長編映画「ファンタジア」に出てくるおっちょこちょいな魔法使いでもない…陽気な船乗りでもないの?
困惑している人は多いはずです。実はウォルトディズニーのペンから生み出された陽気なキャラクターたちは各国で独自の進化を果たし、日々成長しています。これがディズニーの凄みだと思います。国やその文化に合わせて絶妙に変化します。特にイタリアでは日本で想像しがたい独特な世界が作られているのです。
ミッキーをはじめとするディズニーのキャラクター達はイタリアでも不動の人気を誇っています。アニメもありますが、どちらかというと漫画版の方が圧倒的に人気です。
日本でよく見られる週刊の漫画雑誌はほとんどなく、昔から1カ月に1回、月刊の漫画雑誌兼単行本というかたちでキオスクに並びます。イタリア人漫画家による作品もあれば、日本の漫画もあります。唯一、例外的に毎週販売されているのが、「TOPOLINO」(トポリーノ)という週刊漫画誌で現在、イタリアで一番読まれる漫画雑誌です。
トポリーノ誌は1949年に創刊され、年間で52号発行されています。170ページに渡りウォルト・ディズニーに登場するキャラクターの読み切りストーリー(5話分ぐらい)や時事コラムなどが掲載されています。読者層も子供から大人まで幅広いです。
実はイタリアにおいて、アメリカ発祥のキャラクターの名前はほとんど使われません。「トポリーノ」とは、実はミッキーマウスのことで、「パペリーノ」はドナルドダック。海外の名前をイタリア語にするという戦前の風習がいまだに継続されています。
■イタリアにおけるディズニーキャラクターの名前
・ミッキーマウス:Topolino(トポリーノ)
・ミニーマウス:Minny(ミンニー)
・グーフィー:Pippo(ピッポ)
・ドナルドダック:Paperino(パペリーノ)
・デイジーダック:Paperina(パペリーナ)
・ヒューイ・デューイ・ルーイ:Qui Quo Qua(クィ・クォ・クァ)
・スクルージ・マクダック:Paperon de Paperoni(パペロン・デ・パペローニ)
もう一つ、信じがたい特徴があります。トポリーノ誌に掲載される全ての物語のシナリオと絵の制作は全てイタリア人によるものです。脚本と絵を担当する人は200人以上いるそうです。出来上がった作品はディズニー本社のデータベースに入れられ、各国の出版社が自由に作品を選び、自国で出版する形です。世界で読まれているディズニー漫画の半分以上がイタリアで生まれたものです。さらにイタリア生まれのオリジナルのキャラクターもあり、日本人が持っているディズニーのイメージとだいぶ異なります。
また、キャラクターの言葉遣いも特徴的です。使われている言葉は非常に上品かつ知的です。子供が理解しがたい単語がしばしば登場しますが、これも子供の好奇心を引き立たせるための工夫だそうです。
私も小さい頃にトポリーノ誌をよく読んでいました。大人になってから読み返してみても非常に面白い話が多い。
トポリーノ誌には、架空の話が多いですが、時事的な話がよく登場します。特にサッカーワールドカップや記念すべき自転車競技レース、オリンピックの時期には特集が組まれます。2017年にジロ・ディタリア100回記念大会を機に、大きな特集が掲載され話題を集めました。そして今年もジロ・ディタリアが再びトポリーノ誌のページに戻ってきました。
今年は3週間に渡りPAPERINO(パペリーノことドナルドダック)はジロに参加するという読み切りストーリーが掲載されています。舞台のスタートはジロ・ディタリアと同じく、ハンガリーの首都・ブダペストです。本来、ジロが開催される同時期に漫画も進行するはずでしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響でレースは延期になりました。しかしトポリーノ誌では掲載が決定され、多くの自転車ファンの間に感動を呼んでいます。
トポリーノ誌の編集長、Alex Bertani(アレックス・ベルターニ)氏にインタビューして、今回の連載について聞いてみました。
――この企画はどのように実現しましたか?
今回の企画は、ジロ・ディタリアを主催するRCSスポーツ とガゼッタ・デロ・スポルト紙から提案されたことがきっかけでした。でも今回が初めてではありません。以前にも共同企画でトポリーノ誌にて自転車競技の話が登場していました。記念すべきイベントがあれば、この雑誌に関連づけて登場させています。ジロ・ディタリアやツール・ド・フランスは何度か登場しました。自転車を題材にした物語はこの雑誌のDNAに含まれている物ですね。個人的にも自転車競技が好きで、自転車にもよく乗ります。
――ストーリー展開は誰が構成したのですか?
ストーリーは、オリジナルで我々のスタッフが考えました。イタリアが誇るディズニーストーリーライターの一人、ブルーノ・エンナが執筆し、有能なデザイナー、マルコ・マザレロがデザインしました。トポリーノ誌が一押しするペアです。
――作成者とデザイナーが今回の物語のために、どのような資料を使用しましたか?
今回の物語を準備するため、入念なリサーチが行われました。実際、今までディズニーキャラクターが登場したロードレースの設定は割と一般的なものでしたが、今回はジロ・ディタリアが実際に走るコースを物語の舞台としました。綿密な資料調査に踏み切っています。実際に走るはずだったブダペストのプロローグも登場します。
物語は実際のレースと連動する予定でしたが、この緊急事態宣言の影響で、ジロが延期になりました。とても残念です。掲載の変更や中止という話もありましたが、ジロを祝うために予定通り掲載が決定されました。
――なぜトポリーノ(ミッキーマウス)ではなく、パペリーノ(ドナルドダック)が主人公なのですか。
イタリアで昔からパペリーノはもっとも愛されているキャラクターで、スポーツを題材とするストーリーに適しています。昔も自転車競技の物語に出ていたので、自然な選択でした。
――トポリーノでは「ジロ・ディタリアとはどんなレースか」をどのように子供たちへ説明しましたか
本来ならレース展開やステージの特徴、名選手などの豊富な情報を載せるはずでした。しかし今は緊急事態の最中です(※インタビュー当時)。外出禁止令が発令されており、トポリーノ誌を読むことで、間接的に子供たちを刺激する可能性がありました。自転車で家から出ることを刺激しないように今回は掲載を見送りました。とても残念なことです。
— 日本から雑誌を購入するにはどうすればよいですか?
残念ながらイタリア国内でしか売っていませんが、日本からはデジタル版(3カ月また1年間)の定期購読ができます。ぜひお楽しみください。
正解は「全て」。
イタリアではミッキーマウス(現地でトポリーノ)は小高い声を発生し、ミニーマウスと軽快なダンスを披露することはありません。優等生で都会指数と偏差値が高いキャラクターです。ジャーナリストであり、時には探偵、発明家、探検家にもなれます。どちらかといと、シャーロックホームズの観察力とインディアナジョーンズの体力を持ち合わせた頭脳派キャラクターです。
東京都在住のサイクリスト。イタリア外務省のサポートの下、イタリアの言語や文化を世界に普及するダンテ・アリギエーリ協会や一般社団法人国際自転車交流協会の理事を務め、サイクルウエアブランド「カペルミュール」のモデルや、欧州プロチームの来日時は通訳も行う。日本国内でのサイクリングイベントも企画している。ウェブサイト「チクリスタインジャッポーネ」
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