自転車業界トップが考える“ウィズ・コロナ”①購買様式は変化も、実店舗の重要性は増すと予測 ブリヂストンサイクル川端真澄執行役員

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 「自転車業界トップが考える“ウィズ・コロナ”」の第1弾は、ブリヂストンサイクルの販売部門担当、川端真澄執行役員にオンラインインタビュー。同社は東京五輪で日本選手団に機材を提供し、スポーツサイクル部門からサイクル文化の醸成を図っている。今後のユーザーと販売店との関係性など、コロナ禍をきっかけとした業界の変化や展望について話を聞いた。

ブリヂストンサイクルの川端真澄執行役員にアフターコロナにおける変化を聞いた(提供写真)

高まる“ジテツウ”への期待感

――コロナ禍の前と後で変わったことはありますか?(全体的な売り上げの傾向や、業界の雰囲気、国内外の様子など)

 まず、緊急事態宣言を受け、テレワークの導入など働き方の変革が進んだことがあげられると思います。営業活動においても、外出自粛や都府県跨ぎでの移動禁止により対面での営業活動を自粛していたため、これまでの電話、FAX以外にも、一部でWEBを活用した技術講習会、商談等新たな取り組みも実施できました。これは今後の営業活動でも活用できる手法であると考えています。

 また、新しい生活様式の一例として自転車が取り上げられたり、“3密”を回避する移動手段として、自転車への興味・関心の高まりを感じます。街中で移動手段としてのクロスバイクを中心としたスポーツバイクを見かける頻度も上がったように思います。

TOKYO2020の自転車競技日本代表選手向けにトラックバイクの供給を発表した川端真澄執行役員(提供写真)

 家に保管されていた自転車を久しぶりにメンテナンスしに販売店に持ってくる人も増えたと聞いていますし、移動手段としての再活用のほか、一人で行う健康維持のためのスポーツとして、また気分転換のアイテムとして注目を浴びているのではないでしょうか。さらに、国土交通省の自転車通勤推進企業の認証制度のスタートも相まって“ジテツウ”への期待感も高まっているように感じます。

――通勤での活用やサイクリングの有効性が見直されクロスバイクの販売が伸びていると聞きます。ロードバイクやクロスバイク、マウンテンバイク(MTB)など各ジャンルの割合に変化はありましたか?

 公共交通機関からの移行需要も若干見られ、クロスバイクを中心としたエントリースポーツ車の領域で通勤を目的とした需要の伸びが見て取れますが、ロードバイク、MTBに関しては昨年からの需要の減退も継続しているとみられ、まだ動きは感じられません。

ユーザーと販売店の繋がりを強化したい

――一般サイクリストの間で自転車の役割が見直されている傾向を今後、商機としてどう捉えていますか。

 移動手段としての自転車だけでなく、サイクルスポーツを楽しみ、さらに競技への興味関心が高まり、広がっていくことでサイクル文化が発展・定着し、スポーツ自転車の需要も再喚起できると考えます。当社としては自社で保有するプロチーム「チームブリヂストンサイクリング」の選手たちと一緒になり、「乗る」「駆る」楽しさをユーザーに伝え、スポーツバイクブランド「アンカー」と紐づけてブランドイメージの最大化を図ることが、これまで以上に重要になってくると感じます。

――オンライン化が進んでいますが、実店舗の役割、ショッピングスタイルは変わると思われますか

 ユーザーそれぞれの環境に合わせ様々な購買スタイルが普及するのは業界の活性化につながるのではないでしょうか。

「ユーザーと販売店のつながりを創出したい」と述べた川端真澄執行役員(提供写真)

 しかしながら、自転車は他のモビリティと同様に、きちんと整備、メンテナンスを行い使用していただくものですので、その中でリアル店舗の役割が重要なことに変わりはなく、むしろ重要性は増していくと考えます。

 買って終わり、売って終わりの関係ではなく、その後のユーザーと販売店の繋がりを創出できるよう地域の販売店との連携を強化していきたいとも考えています。

――コロナ禍をきっかけとしたライドスタイルの変化について感じていることがあれば教えてください

 外出自粛が要請される中、サイクリストの皆さんが「STAY HOME」を実践し、バーチャルライドを積極的に楽しんでいる姿は、自転車の楽しみ方の広がりを感じます。また、プロ選手も積極的に参加し、選手との距離が近づいたように思います。

チーム ブリヂストンサイクルの孫崎大樹をはじめ、所属選手たちがズイフトを使った室内トレーニングを行っていた

――メーカーとしての売り方は今後、どう変化していくしてものと考えますか

 コロナ禍では、幸いにも自転車が持つ魅力をユーザーの皆さんに再認識していただくことができました。自転車の持つ魅力を伝えながら、より自転車を楽しんでいただけるように、チーム選手を活用した訴求も実施し、購入前後のスポーツバイク体験機会をさらに充実させていきながら、ユーザーにとって価値のある商品を届けていきたいと思います。

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