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価格差の違いは? メンテナンスは?ロードバイク初心者が知っておきたいヘルメットの選び方と編集部オススメを紹介

by 中山順司 / Junji NAKAYAMA
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 交通法規上は自転車のヘルメットの着用義務はないのですが、義務化されていないからかぶらないってちょっと違うと思いませんか? 己の身を守るためにヘルメットがあったほうがいいのは当然です。

 とはいえ、ヘルメットの種類は多種多様で値段もピンきりですので、「どれを選べばよいのやら」と悩む初心者の方も多いでしょう。そこで、ロードバイクを始めるときにセットで購入することになるであろうヘルメットの選び方のポイントを解説します。

ヘルメット選びの方とポイントとは Photo: Shusaku MATSUO

ヘルメットの重要性

 1回目の記事でも書きましたが、自転車事故死傷者の損傷部位の傾向はダントツで頭部がナンバー1です。手足の怪我は生命にかかわることは少なくても、頭部は命取りになります。頭部損傷における死亡リスクを低減するためにヘルメットを着用することは議論の余地がありません。

 交通事故総合分析センターが発行する『ITARUDA INFORMATION 交通事故分析レポートNo.97』によると、「ヘルメットを着用しないと、頭部損傷の死者率は4倍」という結果が出ています。言い換えると、ヘルメットを着用するだけで死亡リスクは4分の1に抑えられる、ということです。

頭にフィットするかどうか

 ヘルメット選びは靴選びのようなものです。いくらかっこよくても、フィットしていなければ使い物になりません。ヘルメットの見た目も大切ですが、なにはともあれ頭にフィットするか、痛みや不快感はないか、大きすぎず小さすぎないか、まずは実際手にとってチェックしましょう。

 ちなみに、頭部の形状は大きく「アジア系(丸形)」と「欧米系(楕円形)」に分かれます。日本人でも欧米系の頭部形状の人がいますので、一概にはどちらかは決められません。そういう意味でも、見たことも触ったこともないヘルメットを買うのはややリスキーです。

①実際にかぶってみる

 ヘルメットを実際にかぶってみて、隙間がないか、グラつきがないかを確認します。ヘルメットが小さすぎるとそもそもハマりませんし、大きすぎるといざ頭部をぶつけたときにズレてしまって保護してくれません。かぶったときにへルメットの前端をまゆ毛の少し上にくるように調整します。

ヘルメットを被った時に違和感がないのは特に重要 Photo: Shusaku MATSUO

 初心者がやりがちなのが「おでこが広々と出てしまっている」パターン。これでは安全性が確保できません。ヘルメットは頭の奥(頭頂部)までしっかりと着用するよう意識してください。

②アジャスターを調整する

 たいていのメーカーのヘルメットにはフィット感を調整する機能が付いています。アジャスター(ダイヤル)を調整し、前後左右に動かしてズレがないかを確認します。もしもヘルメットがカクカク動くならサイズが合っていないか、アジャスターの調整が不十分な証拠。

 アジャスターの形状や取り付け位置はメーカーによってバラバラなので「パッと見でどこで調節するの?」と分からないことがあるかもしれません。そんなときは店員さんに訊いてみてください。

たいていは後頭部部分にアジャスター(ダイヤル)があります Photo: Junji NAKAYAMA

③顎のストラップを締める

 ヘルメットをかぶってみたとき、ストラップも締めてみること。指1本が入るくらいの隙間にした状態が最適で、ヘルメット初体験の人にとっては「かなりキツイ」と感じるかもしれません。しかし、事故や落車の衝撃でもヘルメットがずれないようにするにはこれくらいの締め付けが必要なのです。

ややタイトに締めるのがコツ Photo: Junji NAKAYAMA

 ですので、ヘルメットのストラップの材質も何気に大切です。顎に触れる部分が柔らかな皮革だと快適だったりします。

④デザインが好きになれるか

 ①~③をクリアしたものの中から、もっとも気に入ったデザイン&カラーを選びましょう。不思議なもので、デザインが気に食わないという理由だけでかぶることが億劫になり、いつの間にか自転車から足が遠のく…ということはあります。ウソみたいに聞こえますが、本当です。

 これはヘルメットだけではなく、自転車本体でもサイクルウェアでも同じ。人間の好き嫌いは行動に大きな影響をもたらすものです。逆に言えば、気に入ったアイテムを選ぶと自然と自転車に乗りたくなるという仕組みです。

「値段の差=安全性の差」ではない

 ヘルメットは価格差が意外に大きいものです。エントリーモデルなら1万円以下、ハイエンドモデルは3万円を超えたりしますが、単純に3倍頑丈というわけではありません。街乗りメインで時々乗る程度であればエントリーモデルで十分でしょう。

 ではなぜハイエンドモデルが高価かといいますと、頭部を蒸れないようにする通気孔(ベンチレーション)がたくさん開いており、空力に優れ、軽量だから。安全性を犠牲にすることなく、軽量化を突き詰めたモノがハイエンドということです。つまり、安全性はエントリーモデルと変わりありません。

軽量なモデルはガバっと大きなベンチレーションがあいています Photo: Junji NAKAYAMA

 さらに、最新ヘルメットには“MIPS”という安全機構が備わっているモデルもあります。「Multidirectional Impact Protection System」(多方向衝撃保護システム)の略で、内部に貼られた低摩耗シートが頭部への衝撃を緩和し、脳障害のリスクを軽減してくれる仕組みです。MIPSモデルのヘルメットを選ぶとやや高くなってしまいますが、安全性を優先したい方は検討してみてください。

ヘルメットのメンテナンス方法や交換時期は?

 ヘルメットは発泡スチロールでできており、外側をプラスティックのシェルで覆っています。硬さもあって一見頑丈に見えるものの、落下させたり手荒な扱いをしているといつの間にか破損させ、いざというときに効果を100%発揮しないこともありえます。家でヘルメットを保管するときは逆さまに置かず、中に物を入れたりせず、なるべく重みがかからないように注意しましょう。

 さらに、ヘルメットは消耗品です。落車しなくても、風雨や紫外線などの原因で自然と劣化するものです。無事故でも耐用年数は「最大で3年」と覚えておいてください。

内側のパッドも内側も時々掃除しましょう Photo: Junji NAKAYAMA

 なるべく寿命を伸ばすためにも、直射日光の当たらない場所に保管し、内側のパッドを取り外して水洗いしたり、ヘルメット表面の汚れを掃除をしてあげましょう。

中山順司(なかやまじゅんじ)

ロードバイクをこよなく愛するおっさんブロガー。ブログ「サイクルガジェット(http://www.cycle-gadget.com/)」を運営。徹底的&圧倒的なユーザー目線で情熱的に情報発信する”ことがモットー。ローディの方はもちろん、これからロードバイクを始めようかとお考えの方が、「こんなコンテンツを読みたかった!」とヒザを打って喜ぶ記事をつくります。勤務先はファベルカンパニー。
twitter: @Cycle_Gadget(https://twitter.com/Cycle_Gadget

編集部おすすめのヘルメット

松尾修作のおすすめ
オージーケーカブトの「AERO-R1」です。エアロ効果を高めるコンパクトな帽体で、いわゆる“キノコ”になりづらく、スマートなシルエットになるのがとてもいいですね。付属のエアロバイザーアイウェアのストレスから解放されるうえ、空気抵抗も削減してくれる優れモノ。重量もS/Mサイズで205gととても軽量なので、ヒルクライムからロードレースまで多くのシーンで活躍する万能ヘルメットです。

大澤昌弘のおすすめ
典型的なアジア人型の頭の形をした私には、アジアンフィットを標榜する「LAZER Blade+AF」がぴったり。すっぽりと違和感なくかぶることができ、アドバンスドロールシスというヘルメットの機構を使って、密着度も高めることができます。デザインもよく、1万円程度で買える手軽さもいい。重量の軽さはさすがに上位機種に譲りますが、初心者向けにどれがいい?と言われたら、私は迷いなくこれをオススメします。カラーも多種多様なのでウェアに合わせて選べるところも自由度が高くていいですね。

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