ギリシャとトルコを転戦MTB・フカヤレーシング 欧州行脚でUCIポイント獲得も新型コロナで無念の帰国

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 マウンテンバイク(MTB)選手の竹内遼と松本佑太に、新たに 19歳の新人、川口うららが加わったMTBプロチーム「FUKAYA RACING」(フカヤレーシング)が、UCIポイントの獲得を狙って2月上旬からギリシャ・トルコ遠征へと向かいました。海外レースの経験がない川口選手がいきなりステージレースで総合優勝を果たすなど幸先の良いスタートでしたが、チームの行く手にも次第に新型コロナの暗雲が…。同チームの選手兼マネージャーの松本佑太のリポートで紹介します。

2~3月にかけてギリシャ・トルコを転戦し、ステージレースで総合優勝を果たすなど健闘を見せた「フカヤレーシング」の川口うらら(写真右) ©Velo Alanya

◇         ◇

 竹内遼、川口うららが出場したアジア選手権が終わり、「ドリームシーカー」の選手2人、そして「スコットジャパン」の選手と同じ便でギリシャのサラミナ島に向かった。

メンバー3人で元気に移動中 ©FUKAYA RACING

 今回の遠征で出場するのは昨年度も出場したギリシャのレースと、初参加となるトルコのレース。ギリシャのレースは、2週間にわたって2回の1Dayレースと2回の4日間ステージレースの計10レースが行われるシリーズだ。その後、トルコでのレースでUCIポイントの獲得を目指す。これらの国々にはヨーロッパのトップライダーが訪れるため、彼らと走る経験をより多く積むことが今の自分たちにできる‟ヨーロッパで戦う準備”だ。

スタート地点近くの海岸で脚慣らし ©FUKAYA RACING

 今回はドリームシーカーの方々にお世話になり、同じ宿で過ごすことになった。アテネに到着した翌日にはバイクを組み立て、コース確認がてら選手全員で脚を回した。

ヨーロッパで戦う準備を着々と

 2月9日、最初のレース「Salamina(サラミナ) Epic #1」を迎えた。同レースに出場したのは竹内と松本。川口は今後の参戦スケジュールを考慮し、出走を控えることにした。

レース前の竹内遼 ©FUKAYA RACING

レース前の松本佑太  ©FUKAYA RACING

 竹内はレース中盤まで第3パックでレースを展開。最終2周回でパックが崩れて29位でゴールした。松本は1周回の下り区間でパンク。大きくタイムを失い、43位でレースを終えた。

コールアップを待つ川口 ©FUKAYA RACING

 その翌々日には次のステージレース「Salamina Epic #2」へと移動。4日間のステージで、構成は個人タイムトライアルXCT(約10km)、ポイントトゥーポイントXCP(約30km)、ショートトラックXCC(25分走)、マラソンXCM(約60km)というレイアウト。次のステージ「Salamina Epic #3」はこの順番を入れ替える形で開催された。

ゴール前の直線を走る川口 ©FUKAYA RACING

 男子は竹内、松本共に大きなトラブルはなく、ベストを出し切る結果に。シーズン初めのレースとあり、レースペースに順応することと日本では経験できないパック走行になれることもでき、得るものが多いレースとなった。

 一方、川口にとっては初めてのステージレースで、マラソンの距離のレースを走るのも初めて。そのため結果こそ振るわなかったが、今後のステージレースに向けてどう戦えば良いのか、新たな経験を積むことができたようだ。

川口、2度目のステージレースで優勝

 翌々日に竹内をギリシャに残し、松本と川口はトルコに移動。残った竹内は一人、引き続きステージレース「Salamina Epic #3」に出場した。

コース中のドロップを下る竹内 ©Velo Alanya

 初日のタイムトライアルで木に衝突するアクシデントで大きくタイムを失うも、その後のステージではベストを出し、全ステージで集中力を切らすことなく前回のレースよりも良い順位でレースを終えた。

 トルコへ移動した川口は4日間のステージレース「VELO ALANYA STAGE RACE」に出場。初日のXCTで優勝を飾ると、その後の4日間全てのステージで優勝し、総合優勝も獲得し、チームに今シーズン初優勝をもたらした。

2日目のステージ優勝で表彰台に上がる川口(写真中央) ©FUKAYA RACING

 強豪国の選手の参加はなかったものの、勝てるレースにおいてもれなく全日程で優勝することができたのは今後につながる走りとなった。

川口うららのコメント

リーダージャージを着て走る川口 ©FUKAYA RACING

 レースのレベルはそれほど高くはありませんでしたが、久しぶりに優勝という形で終わることができてとても嬉しいです。

  今まで、体力が相手より上手だと全力でどこまで差が開けるかという走りをしていましたが、今回はXCOのコースが平坦基調のシクロクロスのようなあまり差がつきにくいコースでした。

  2位の選手とパックになって走り、相手の息づかいや走り方を見ながらイーブンペースで走ったり、コーナーの立ち上がりでペースアップをしたり、相手より少し余裕があったからこそ、ベストなレース展開に持ち込めるように考えながら走りました。今までとは違う走りが出来始めているので、この調子で1つ1つのレースを大切に積み重ねていきます!

相次ぐ連戦に疲労の色も

 その後、竹内がトルコに合流し、チーム合宿を開始。ここアランヤでは、大会オーガナイザーでツアー会社の「Velo Alanya」がホテルとパートナーシップを結び、選手たちに理想的な環境を提供してくれていた。

ジムでトレーニングする竹内 ©FUKAYA RACING

 ジムやプールに加え、サウナやマッサージやローラー台専用ルームまで完備され、トレーニングに最適。また、アランヤでは毎週ロードかMTBのレースが開催されていた。

 1週間後の3月5日に迎えたマナブガットでの4日間のステージレース。前回と同じ構成のステージレースで、竹内と川口が出場した。

ゴール直後の竹内 ©Velo Alanya

 しかし竹内は2月からのレース疲労が抜けきれず、DNF。この時点では1カ月先までのレースを予定していたため、無理をせず、次に生かす走りを心掛けて4日間を終えた。

 一方、川口も絶好調の走りとはいかなかったが、 それでも全ステージで3位を獲得し、総合3位となった。 

新型コロナウイルス感染拡大でやむなく帰国

 そして3月14日に開催される「Justiniano Hotel MTB Cup」が開催される町へと移動した。この時点で、遠征先の候補だったイタリアやスイスでのレース中止が相次いで発表され始めた。新型コロナウイルスが猛威を振るい始めたのだ。

 今後のスケジュールを再考する日々が始まった。レースで竹内、川口ともに調子を合わせきれず、レース後に翌日の話をしていたそのとき、大会オーガナイザーから翌日のレース中止が知らされた。その翌日にUCIのポイント付与凍結の知らせを受けた。後ろ髪引かれる思いだったが、日本自転車競技連盟(JCF)からの帰国要請もあり、3人揃って帰国の途につく決断をした。

  追い上げムードで、メンバーの五輪の出場枠獲得が現実味を持ってきていただけにとても残念な思いだが、いまはとにかくこの社会的な危機が過ぎ去るまで、できる範囲のことでトレーニングを続けていきたい。

これからも引き続き応援よろしくお願いします! ©FUKAYA RACING

ギリシャ~トルコ遠征レース結果 (開催日/レース/大会クラス/開催国)

2月9日 Salamina Epic #1/C1/ギリシャ

 竹内遼 29位
 松本佑太 43位

2月11日~14日 Salamina Epic #2/S1/ギリシャ

 竹内遼  27位
 松本佑太  39位
 川口うらら 15位

2月17日~20日 Salamina Epic #3/S1/ギリシャ

 竹内遼 27位

2月23日 Salamina Epic #4/C1/ギリシャ

 竹内遼 25位

2月20日~23日 VELO ALANYA STAGE RACE/S2/トルコ

 川口うらら 優勝

3月5日~8日 Manavgat Stage Race/S2/トルコ

 竹内遼 DNF
 川口うらら 3位

3月14日 Justiniano Hotel MTB Cup/C2/トルコ

 竹内遼 30位
 川口うらら 11位

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