動画で進化した技術を解説ジャイアントの「TCR」がフルモデルチェンジ 更なる重量剛性比とエアロを追求

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 ジャイアントのロードバイク「TCR」シリーズがフルモデルチェンジを果たした。スローピング形状をそのままに、全体のデザインを刷新。クラス最高の重量剛性比を維持しつつ、エアロ化を遂げた。このほど神奈川県で行われたプレゼンテーションでの説明を動画とともにお届けしよう。

フルモデルチェンジを果たした9代目「TCR」が発表された Photo: Shusaku MATSUO
2000年のミラノ~サンレモでTCRを駆るジャラベール兄弟 Photo : Yuzuru SUNADA

 TCRは登場から20年以上の歴史を誇るジャイアントの“顔”だ。トップチューブが水平のホリゾンタルフレームが当たり前の時代に、スローピングフレームの先駆けとして登場。フレームの小型化による軽量化と、動力伝達効率を求めた結果の形状である。 登場当時は異形として捉えられていたが、数々のグランツールやクラシックレースで勝利を収めた。ジャイアントはその後も結果に甘んじることなくアップデートを繰り返し、TCRは今作で9代目となった。

 新TCRは今作も大きく3つのグレードに分けれれている。ハイエンドグレードの「ADVANCED SL」、セカンドグレードの「ADVANCED PRO」、そしてエントリーモデルの「ADCVANCED」だ。それぞれ使用しているカーボン素材や、フォークのスペックが異なっている。詳しく違いを説明しよう。

新型TCRのプレゼンテーションをするジャイアントの斎藤朋寛さん Photo: Shusaku MATSUO

剛性はそのままに軽量化

 最上級グレードのADVANCED SLはジャイアントの技術の粋を集めたモデルだ。シリアスライダー向けのインテグラルシートポストが採用されたストイックなモデルである。クラス最高の重量剛性比(重量に対する剛性の割合)を実現するため、素材や製法までも一つ一つこだわり抜いて開発された。

ドイツの風洞実験設備を用いて空力向上を図った ©GIANT
ADVANCED SLグレードは最小の塗料に抑えることで最大50gの軽量化に貢献 ©GIANT

 新たに採用されたカーボン素材を生かし、先代よりも軽量で高剛性なフレームを作るため、カーボンは自社工場で編みこまれている。さらにカーボンナノチューブテクノロジーによるレジンを採用。出来上がったカーボンシートは、レーザーカッティングで正確に切り出され、ロボットによる精密な配置を経て、人の手では実現不可能な無駄を極限まで削ったフレームを完成させた。ディスクブレーキ仕様のフレームの重量は765g、フロントフォークは330gに仕上げられ、全世代比で140gの軽量化を果たした。この結果、競合他社製品比で秀でた重量剛性比を実現したという。

ヘッドチューブ裏やコラムスペーサーもエアロデザインが取り入れられた Photo: Shusaku MATSUO
フォーク裏もカムテール構造となり、左右対称のデザインを採用 Photo: Shusaku MATSUO

 また、近年はオールラウンダーモデルにも求められるエアロ性能も突き詰められている。ヘッドチューブ裏、フォークのブレードなどにカムテール構造が用いられたほか、ホイールやハンドルバーなどパッケージでエアロ化が図られた。計算流体力学(CFD)だけでなく、実際にペダリングをするマネキンを乗車させた風洞実験を行うことで、より実走に近いデータをもとに設計が施されている。

CADEXの技術を取り入れて刷新された「SLR1」。エアロ化だけでなく、踏み込んだ際のダイレクトさも飛躍的に向上 ©GIANT
ダイレクト感を左右するシートステー長を405mmから変えることなく、ディスクブレーキを装着 Photo: Shusaku MATSUO

 他社のハイエンドモデルはディスクブレーキ仕様に移行しつつあるが、TCR ADVANCED PROはディスクブレーキ、リムブレーキの両仕様をラインナップしている。タイヤ幅はディスクブレーキ仕様で32mm、リムブレーキ仕様で28mmとワイドなクリアランスに設計。タイヤの選択肢を増やすとともに、コントロール性と快適性も向上させている。

上位グレードを踏襲した高コスパモデル

 セカンドグレードのADVANCED PROも妥協はない。上位グレードの基本設計を踏襲しつつ、調整幅の大きいシートポストを採用するなど、より幅広いサイクリストにマッチするスペックとなった。

素材と製法のコストを見直しつつ、上位グレードのデザインやスペックを踏襲した「ADVANCED PRO 0 DISC」グレード ©GIANT

 主に上位グレードと異なるのは素材と製法だ。レーザーカッティングなどの手間がかかる製法を省き、コストが抑えられている。しかし、エアロデザインやOver Drive2の大径テーパーコラム、シンメトリーなフロントフォークデザインは上位モデルと同じ。コストパフォーマンスに優れたレーシンググレードがこのADVANCED PROだ。

シマノ105の完成車で税抜21万円と優れたコストパフォーマンスを誇る「TCR ADVANCED 2 KOM」 ©GIANT

 ADVANCEDはトレーニングからレース、サイクリングまで幅広く挑戦できるグレードだ。エントリーモデルながら、上位グレードと基本的には同一のデザインを採用。異なるのは素材と製法、また、コラムがOver Drive( 上側 が1-1/8インチ径、下側が1-1/4インチ径 )規格が用いられている点だ。フォークはコラムまでフルカーボンとなる。

 次回のバイクインプレッションコーナーでは、ハイエンドモデル「TCR ADVANCED SL0 DISC」を実走した模様をお届けする。

■TCR ADVANCED SLラインアップ (税抜価格)

TCR ADVANCED SL DISCフレームセット:360,000円
TCR ADVANCED SL(リムブレーキ)フレームセット:330,000円
TCR ADVANCED SL 0 DISC(スラム Red e-tap AXS):1,200,000円
TCR ADVANCED SL 1 DISC KOM(シマノ アルテグラDi2):740,000円

■TCR ADVANCED PROラインアップ (税抜価格)

TCR ADVANCED PRO 0 DISC(シマノ アルテグラDi2):620,000円
TCR ADVANCED PRO 1 DISC(シマノ アルテグラ):450,000円
TCR ADVANCED PRO TEAM DISC (シマノ アルテグラ):450,000円
TCR ADVANCED PRO 1 (シマノ アルテグラ ※リムブレーキモデル ):400,000円

■TCR ADVANCEDラインアップ (税抜価格)

TCR ADVANCED 2 DISC SE(シマノ 105):265,000円
TCR ADVANCED 1 KOM(シマノ アルテグラ※リムブレーキモデル):260,000円
TCR ADVANCED 2 KOM(シマノ 105 ※リムブレーキモデル ):210,000円

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