開通21年目の“聖地”を探検しまなみ海道の新たな魅力を発見、1泊2日の女子自転車2人旅 初級者もe-BIKEで楽々ライド

  • 一覧

 瀬戸内海に浮かぶ島々を橋でつなぎ、愛媛県今治市と広島県尾道市を結ぶ「しまなみ海道」は、世界的に知られる日本のサイクリストの聖地の一つです。今回、愛媛県在住のあけだまきさんが、e-BIKEに乗って1泊2日のしまなみ海道サイクリングに出かけました。しまなみのメインルートから、少しマニアックな場所も通りつつ、離島の穴場スポットまで新鮮な目線で紹介します。

しまなみ海道を1泊2日の女子自転車旅。どの橋も自転車道が広くて走りやすい! Photo: Hiroyuki NAKAGAWA

◇      ◇

駅直結ストアで自転車レンタル

 わたしたち今治市民の自慢の観光地、しまなみ海道も、2019年で開通20年を迎えました! 皆さんは、海面から高いところで約78mにもなる橋の上を、自転車で走ったことはありますか? 橋の上の風の強さや気持ちよさ、そこから見下ろす瀬戸内海がどれほど美しいかご存知ですか? 橋の上じゃないとわからない気持ち良さや美しさがそこにはあります。

 またここ数年、新しいお店や施設がたくさんできいて、地元市民であるわたしも、知らない所がたくさん! 今回は、新たな魅力を皆さんにお伝えするべく、「乗ってるガール!EHIME」のメンバー、ゆきちゃんと、女子自転車2人旅をしてきました♪

乗り手に応じて店員さんが自転車を選択、設定してくださり、アドバイスもくださるので緊張も和らぎます。ジャイアントストアでは今治店と尾道店での乗り捨てプランを利用できる時期もあるそうです Photo: Hiroyuki NAKAGAWA

 今治駅構内にあるジャイアントストアで、e-BIKE (電動アシスト付きスポーツ自転車)をレンタルして、出発します。e-BIKEの電動アシストは4段階もあって、走る道や自分の体調次第で、ボタン一つでアシストの調節ができるんです。平坦な道はちょっとがんばってみたり、坂はスイスイ上ってみたり♪ 簡単に操作できて、心強いアシストがあるe-BIKEのレンタルが、わたしみたいな初心者を全長70kmあるしまなみ海道を走る旅に駆り立てた理由の1つです。

今治駅でe-BIKEをレンタルしてスタート! 駅から出発できるのはすごく便利 Photo: Hiroyuki NAKAGAWAGAWA

しまなみ海道は地元市民の生活の一部にも

 駅から海岸沿いを30分ほど走ると、しまなみ海道最初の橋、来島海峡大橋が見えてきます。

 しまなみ海道には広く大きな瀬戸内海、そこに浮かぶたくさんの島々、それをつなぐ橋が織りなす絶景があります。その景色はもうたくさんの方がご存知だと思いますが、実際に橋の上から見ると、さらに遠くにある小さい島や行き交う船、風に乗る鳥などがいて、瀬戸内海で繰り広げられるショートムービーを見ているような気分になるんです♪

海岸沿いや上り坂を30分くらい走るとご褒美みたいな景色が広がります。しまなみ海道からの景色は今治市の財産! Photo: Hiroyuki NAKAGAWA

 またどの季節に訪れても、その季節特有の美しさが楽しめるのも魅力の1つです。それは天気も同様。晴れの日は、太陽にキラキラと照らされる海が本当に美しいです。風の強い日は白い波が立ち、曇りや雨の日はそれぞれに雲が作る陰影が面白いです。何度も見ているはずのわたしも行くたびに見惚れちゃいます。

ココに来たら来島海峡大橋をバックにした撮影はテッパン Photo: Hiroyuki NAKAGAWA

 橋の上からその景色に見惚れていると、散歩中の年配の男性に声をかけていただきました。「20年間、毎日朝夕しまなみ海道をウォーキングしよるんよ」とお話してくださる表情はとっても柔らかくにこやか。しまなみ海道での生活が本当に穏やかで、そこに住む人は自然と優しくなって、この地域のすべてを愛でていることが、その表情や声色から伝わってきました。ほかにも散歩をしている地元の方はたくさんいて、とても愛されている場所ということがわかりました。

毎日歩いているしまなみ海道について、最高の笑顔で話してくださいました Photo: Hiroyuki NAKAGAWA
ありがとうございました! Photo: Hiroyuki NAKAGAWA

エレベーターで降りる島!

 笑顔で送り出してもらい、しばらく走ると、トンネルのようなモノが出現! それはなんと!橋の下に続く道! 走っている車の音が響いています! わたしもゆきちゃんも大興奮!

 そこから少し行くとエレベーターが出現! 降りること数秒。緑が囲む道を抜けると、目の前に大きな橋と海が広がります。

橋の下を歩けるとは! 知りませんでした! 橋からは車が行き交う音が響きます Photo: Hiroyuki NAKAGAWA
エレベーターには自転車ものせられます Photo: Hiroyuki NAKAGAWA

 ここは「馬島」という来島海峡大橋の真ん中辺りに位置する島。実はわたしも行くのは初めて。180度広がる海と、その場所から見上げる来島海峡大橋は、大迫力! そこにたどり着くまでの過程も含めて、穴場スポットに任命決定♪

来島海峡大橋をこの場所から見上げたのは初めて!迫力満点! Photo: Hiroyuki NAKAGAWA

 馬島の次にあるのが大島。大島のサイリングコースは上ったり下ったり、カーブが続く海岸沿いを進んだり。忙しくも楽しいサイリングコースが続きます。が、e-BIKEに乗っているわたしはどんなコースでもラクチン♪美しい海や景色を楽しむ余裕もありました♪

 そして、見えてくるのは村上海賊がいた能島。この日は中潮だったんですが、潮の流れがとても速く、ゴーゴーと流れの速い川のように音を出して流れていきます。「こんなに潮の流れが速いと敵も攻めて行けないな」と村上海賊が活動していた時代を想像しました。

大島の海岸沿いのコースはカーブがいっぱい。潮の流れの早さと音にビックリ Photo: Hiroyuki NAKAGAWA

コース周辺には美味しいお店もたくさん

 女子旅では、食事をするお店選びも、醍醐味の1つです♪

 この日わたしたちがお昼ご飯に選んだのは、伯方島のサイクリングコース沿いにある、たんぽぽというお好み焼き屋さん。たんぽぽの売りは、店主の府藤さんがずっとニコニコ楽しそうにお好み焼きを焼いていること。この日も府藤さんの笑顔で、お店全体があたたかい空間になっていました。そんななかでいただいたのは、お好み焼きは甘めのソースがかかったふわふわの大阪風♪ ついつい食べ過ぎちゃいます!

お店からの美味しそうな匂いにつられちゃいました(笑) Photo: Hiroyuki NAKAGAWA
広島風やモダン焼きなど、メニューもたくさん Photo: Hiroyuki NAKAGAWA

 ところで、皆さんは、造船所での作業風景を見たことはありますか? 今治は造船の街でもあるんです! 伯方島のサイクリングコースには伯方造船所に置いてある大型船舶の真横を通るコースもあり、それがまた大迫力。クレーンも船も規格外の大きさ。隣を走る際には、小人になってしまったような感覚に! それだけに、こんな大きな船も1つ1つ手作業で造られていることに驚くしかできません!

大きな音を響かせながらたくさんの人が作業をしています Photo: Hiroyuki NAKAGAWA

サイクリスト特化のゲストハウスはクセになる快適さ

 大三島で多々良しまなみ公園を上がると、とっても可愛い場所を発見。自転車旅は可愛い!と思ったところにすぐ寄れるのも魅力の1つですね。

眼下に広がる瀬戸内海が穏やかだから余計に心が休まります Photo: Hiroyuki NAKAGAWA

 ココは、土日祝の午前10時〜午後5時のみ営業している、しまなみコーヒーさん。目の前に広がる瀬戸内海、店長の戸田さんがプロデュースされた空間、全てが柔らかい。癒しの空間です。わたしたちがここに到着したのは閉店間際。西陽がこの場所の雰囲気をさらに良くしてくれていました。

 この日は、多々良しまなみ公園から坂道を下るとすぐの所にある、IKIDANE HOSTEL&CAFE SHIMANAMIへ宿泊しました♪ ここはしまなみ海道開通20年で、大三島に初めてできた、サイクリストに特化したホテル。客室はシングル、ツイン、ドミトリーと、メンバーや人数によって選択可能。とにかく建物も内装も可愛いくて、それだけで旅の疲れも吹き飛びます。洗面所やシャワールームもたくさん完備されていてありがたい!

働かれている下出さんや進藤さんは地元愛媛県のゲストハウスで働くのが夢だった方たち。観光業が盛んになることで地元の方たちの働き方にも変化がみられます。みなさんキラキラいいお顔をされていました Photo: Hiroyuki NAKAGAWA
共有スペースのカフェ&レストランは夜10時まで営業。宿泊客以外の方も利用可。Wi-Fiも繋がっているし、しまなみ海道周辺の情報もたくさん掲示されているので旅行プランにも役に立ちます Photo: Hiroyuki NAKAGAWA
しまなみの海の幸や郷土料理がずらりと並ぶ晩ご飯は2コースから選べます(2コースから選択できるのは宿泊客限定となっています) Photo: Hiroyuki NAKAGAWA

 また大三島には3月、WAKKAというサイクリストに特化した総合施設もオープンします。宿泊もキャンプも、船で行きたい島へ移動もできます。ここに行けばなんでも揃ってるし、なんでもできる! そんな施設になるそうです。

わたしが宿泊したのはドミトリー。ベッドはふかふか、館内着からタオルまで貸し出ししてくれるので最小限の荷物で宿泊できるのも嬉しいポイントですね Photo: Hiroyuki NAKAGAWA

「日本総鎮守」と呼ばれる大山祇神社

 2日目はホテルから自転車で約30分の場所にある大山祇神社からスタート!

 ここの境内中央には大楠が鎮座しているでんすが、なんとその大楠、樹齢約2600年のご神木なんだそうです! 加えて、神社内の楠群は日本最古の原始林社叢の楠群として、昭和26年に国の天然記念物に指定もされているそう。また国宝や国の重要文化財指定の甲冑の4割も、ここに奉納されているんだとか。

さすが柑橘王国愛媛。大山祇神社へ向かう道中にも柑橘畑を発見! Photo: Hiroyuki NAKAGAWA
早朝の大山祇神社は、空気も澄んでいて厳かな雰囲気が一層増しているように感じました Photo: Hiroyuki NAKAGAWA

 以前から、大山祇神社に1歩足を踏み入れると、とても厳かな高貴な雰囲気に飲み込まれそうになっていたんですが、こうやってたくさんの文化遺産に囲まれているからだったんですね。

朝陽に照らされた境内に一歩踏み入ると心身ともにシャキッとします Photo: Hiroyuki NAKAGAWA

 大山祇神社を後にし、上島町岩城島へ向かうため、生口島の柑橘畑を走っていると、地元の方が「道わかりますか?」と声をかけてくださいました。普段、観光客が通らないような道を走っていたから心配してくださったようでした。

 出発した昨日から、たくさんの方に声をかけていただき、地元の方達のそんなさりげない「おもてなし」に感動しました。それはやっぱりしまなみ海道を大切に思っているからこそ。改めて、たくさんの人達にこのわたしたちが誇るしまなみ海道と、優しい地元の人達を知ってほしいな、と思う出来事でした。

「これは文旦!」「これはみかん!」実った柑橘を見分けながら走ります(笑) Photo: Hiroyuki NAKAGAWA
生口島の洲江港から岩城島へは20分毎にフェリーが運行されていて、乗船時間約5分で到着できます Photo: Hiroyuki NAKAGAWA
岩城島は1周約12km。アップダウンの激しさも、景色の美しさが緩和してくれるように感じます Photo: Hiroyuki NAKAGAWA
岩城島に行ったら食べてもらいたいのがレモンポーク。岩城という穏やかな環境で育てられ、レモンの搾りかすを飼料として育てた豚は柔らかくてすごく食べやすい♪ Photo: Hiroyuki NAKAGAWA

離島をフェリーと橋で巡り、ゴールの弓削島へ

 弓削島を走っていると防波堤に可愛い絵が描かれているのを発見! わたしもゆきちゃんも、たくさんの色を使ったその絵にうっとりしました。

岩城島から佐島までフェリーで移動すると、そこから3島は橋で繋がっています。どの島も走りやすく、佐島、生名島、弓削島と勢いよく回れます! Photo: Hiroyuki NAKAGAWA
「天の花」(そらのはな)という作品。後ろの海の色が、この絵を引き立ててくれています Photo: Hiroyuki NAKAGAWA

 これは、2019年に上島町が企画したアートプロジェクトの作品の1つ「天の花」(そらのはな)。全国の若手アーティストへの公募で防波堤ペインティングコンペティションにおいて受賞された作品。上島町内にはあと2作品あります! ぜひ見つけてみてください!

 弓削島で最後に立ち寄ったのが、Kitchen313Kamiyuge。ここは、店長の宮畑さんのおじいさんが住まれていた登録有形文化財の蔵を改装したベーグル屋さん。焼きたてのベーグルや焼き菓子、自家焙煎されているコーヒーが自慢のお店です。店長の宮畑さんの人柄と、昔ながらの木の建物で、お店全体がとてもあたたかいんです。

油断してると通り過ぎちゃいそうな路地裏を入って行きます Photo: Hiroyuki NAKAGAWA
どれもこれも美味しそうで目移りしちゃいます Photo: Hiroyuki NAKAGAWA

 わたしたちが行った時間帯は夕方。西陽が気持ちよく、店内にも差し込んでいました。火木土曜の午前11時〜午後3時30分のみの営業となっているので、ぜひ営業時間に合わせて行ってみてほしいお店の1つです!

しまなみ海道、一番の魅力は人!

 2日間しまなみ海道を改めて走ってみて、しまなみ海道周辺には魅力がたくさんつまっていましたが、やっぱり一番の魅力は人の温かさだと感じました。

フェリーには自転車積み込み可能。積み込みやすくしてくれてるので初心者のわたしでも簡単に積み込めました Photo: Hiroyuki NAKAGAWA

 サイクリング中は、たくさんの地元の方に声をかけていただいたり、また地域活性化のためにキラキラ働く方たちの姿を目にしました。その方たちがどれだけしまなみ海道や観光客の方達を大切に思っているか。この女子旅を通して知ったことがたくさんありました。

 昨今、観光客の増加に伴い、危険な運転をしている人がいたり、地元市民が心ない声をかけられる事がある、という悲しい話を耳にします。

 開通20周年を機に、改めてしまなみ海道を訪れてくださる皆さんに「あ~楽しかった~!」と、ハッピーな気持ちになって帰ってもらいたい! わたしたち地元市民も、「来てもらえて嬉しい! また来てくれた時にはこんなおもてなしがしたい!」と思い合える。もっと愛と笑顔で溢れる観光地になるよう、チカラと愛情をたっぷり注いでいきます!

 観光客や地元市民関係なく、みんなが笑顔で過ごせる時間がもっともっと増えますように!

この女子旅中、穏やかで美しい瀬戸内海に何度も目を奪われました Photo: Hideyuki NAKAGAWA

この記事のコメント

この記事のタグ

e-BIKE サイクリング しまなみ海道 愛媛県

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

サイクリストTV

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載