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進化するカラダに「アミノバイタル」スランプ中の猪野学さんが“生”輪生相談 栗村修さん「強くなりたければロードバイクを下りなさい」

by 後藤恭子 / Kyoko GOTO
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 「いくらトレーニングを頑張っても成果が出ない」と肩を落とし気味の坂バカ俳優・猪野学さん。本気で挑んだ昨シーズンの乗鞍( マウンテンサイクリングin乗鞍 )で思うような結果が出ず、ついに自分の伸びしろを疑い始めた。腰痛、加齢…さまざまな悩みを抱えた猪野さんが駆け込んだのは、迷えるサイクリストを導く栗村修さんのCyclist連載「輪生相談」。猪野さんの悩みに静かに耳を傾けた栗村さんの口から出た言葉は、「強くなりたければロードバイクを下りなさい」という予想だにしないアドバイスだった。

「強くなりたければロードバイクを下りなさい」と栗村さんに指南され、なぜかハンドバイクに乗る猪野さん Photo: Shusaku MATSUO

坂という“恋人”と距離を置いてみる

猪野 まあ、ずっと伸び悩んでいる人生なんですけどね…(苦笑)、現在47歳にしていよいよ“老い”というものと向き合っていかなきゃならない時期に差し掛かってきたのかと思っています。昨シーズンは乗鞍で自己ベストを出すという目標に向けて本格的に臨みましたが、頑張った割に結果が伸びなくて。これはもう年齢的に無理なのかな…と思いつつ、日々トレーニングを続けている状態です。

栗村 なるほど。まずは猪野さんのロードバイクのキャリア、これまでのトレーニング遍歴を教えてください。

自分の伸びしろに限界を感じ、栗村さんの「輪生相談所」のドアを叩いた猪野さん Photo: Shusaku MATSUO

猪野 36歳から乗り始めて、ロードバイク歴は約10年ほど。ずっと自己流でトレーニングをしていましたが、4年目くらいにNHK『チャリダー★』が始まって出演者の竹谷賢二さんから指導を受けて、毎日ローラー20分走を3本ずつ乗るようになりました。

 最近は2日の回復走を含めて1週間のスパンでメニューを組んでいて、 20分走、10分走、6分走、2分走をそれぞれギヤの重さを変えながら、本数を決めてインターバルトレーニングをしています。

栗村 伸び悩んでいるとはいえ、それだけこなせるならヒルクライムの能力としては10年間の中でいまが一番良い状態だと思います。ただ、少し頭打ちになっちゃってると。では、いまが「100」とした場合、 どういう経緯があって100になっているのか、10年間の遍歴はありますか?

猪野 徐々に 筋持久力が上がり始め、2014~15年頃に一度ぐんと上がって自己ベストを量産した時期がありました。そこが一つ伸びたポイントですが、芝居の舞台があると自転車に乗れなくなるので、そこで一気に落ちる。それでまたもう一回上げる、の繰り返しです。 さらに最近は腰痛も抱えてしまって…。いまは100より少し下がってる感じです。

昨シーズンは満足のいく結果が得られず、さらには腰痛も抱えてしまった猪野さん。半ばスランプ気味な表情… Photo: Shusaku MATSUO

栗村 もう一つ聞きたいのが、例えば仕事をやめて自転車だけに専念できる環境ができて、好きなだけトレーニングできる時間を得たとしたら、体と気持ちはトレーニングに耐えられそうですか?

猪野 内容にもよりますが、体力、気力的にそこまで追い込めないようにも思います。

栗村 お話を伺っていると、おそらく猪野さんはトレーニング時間を確保できたからといってパフォーマンスが上がるフェーズではないように感じます。これから年齢とともに回復力も下がってきますから、集中的なトレーニングで劇的に フィジカルを変えることは正直言って難しいでしょう。

 一方で、少し坂という“恋人”に対してちょっとマンネリ感も出ているように思うので、一度距離を置いて離れてみるというのはありかもしれません。

栗村修さん。一般財団法人日本自転車普及協会主幹調査役、ツアー・オブ・ジャパン 大会ディレクター、スポーツ専門TV局 J SPORTS サイクルロードレース解説者。選手時代はポーランドのチームと契約するなど国内外で活躍。引退後はTV解説者として、ユニークな語り口でサイクルロードレースの魅力を多くの人に伝え続けている。著書に『栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング』『栗村修の100倍楽しむ! サイクルロードレース観戦術』(いずれも洋泉社)など Photo: Shusaku MATSUO

猪野 恋人…(苦笑)。でも、たしかにそうですね。昨シーズンはほぼマンネリの頂点だったので、僕自身もちょっとアプローチを変えようと思い、最近はタイムにこだわらずに上るようにしたんです。そしたら最近は割と楽になってきたように思います。

栗村 「楽になった」というのは具体的にどんなところに現れましたか? 例えば踏んだとき体が軽く感じたとか。

猪野 軽く感じたのもありますし、とにかく疲れたらやめるとか無理をしなくなったことで楽しめるようになってきたのかもしれません。その成果なのか、最近また数値も上がってきました。

トレーニングとは「体とのばかし合い」

栗村 やはり、猪野さんの場合は「マンネリ」というのがキーワードになっていると思います。僕がよくいう言葉なんですが、トレーニングって「体とのばかし合い」なんです。実際、恋愛とすごく似ています。

猪野 えっ??

栗村 恋愛って追われると逃げたくなるじゃないですか。

猪野 はい…(苦笑)。

「トレーニングは恋愛に似ている」といわれ、腑に落ちていない様子の猪野さん Photo: Shusaku MATSUO

栗村 あ、猪野さんもそういうタイプですね?(笑) それはさておき、人間の身体にはもともと本能的に命を守る“安全装置”が備わっています。それに対してトレーニングはある種「命を守る機能」の逆を行く行為なのです。

 トレーニングの基本概念をわかりやすくいうと、筋肉を痛めつけて体を若干“壊す”ということ。痛めつけられた体は、回復時に痛めつけられる前の状態より少し強い状態にして復活します。これが「超回復」です。トレーニングは「生存本能」と「超回復」の綱引きによって成り立っていると理解してください。

 体にきつい負荷をかけ過ぎた状態、すなわち「オーバートレーニング症候群」といわれる状態がありますが、あれは能力の限界を感じた体が「生存本能スイッチ」を入れた状態のことです。「この人はこのままだと死んでしまう」と思った体が強制的に活動を抑制するのです。

 人間は持っている能力の大体6~7割ほどしか出せないと言われています。というか、それが自分の意識で追い込める人間の限界なんです。それを振り切って、ものすごい精神力で高出力を連発し続けると体が「このままだと死ぬ」と警鐘を鳴らします。その結果、本来なら6~7割までいける能力を4割くらいにまで下げてしまうのです。

「トレーニングは生存本能と超回復の綱引き」と栗村さん Photo: Shusaku MATSUO

猪野 ずいぶん下げられますねぇ…。

栗村 その状態を世間ではオーバートレーニング、常態的に続くとマンネリ、スランプともいわれます。僕も監督時代に様々な選手を見てきましたが、常にギリギリの状態でいる選手たちの中には簡単にスランプに落ちる選手がいます。そうなったら1~2週間自転車に乗ることをやめさせて、自分の好きなように行動させます。

猪野 1~2週間も! その対処法は栗村さん自身の経験によるものなんですか?

栗村 僕もスランプの経験はありますよ。まぁ、僕はどちらかというとキャリア終盤にちょっと弾け過ぎて、そのまま戻ってこれなくなった感じで…。その話は置いておいて (笑) 。

 骨折とか大きなケガをした選手が回復後に強くなるという話を聞いたことはありませんか? その理由は、体に継続的にかかっていたトレーニングのストレスがケガによって突然中断したことで、体がケガに反応する自己治癒スイッチを入れるのです。これがものすごい超回復を促します。

 同時に回復のために栄養豊富な食事を摂り、体をゆっくり休める。そしてケガを治すために、スランプのスイッチをオフにして体をリセットする作業に入ります。例えるならデトックスとか断捨離みたいな感じです。仕事辞めて、引っ越しして、彼とも別れて─みたいなね。ライフスタイルを丸ごと変えるようなことが体内で起きる。それが通常の超回復とは異なる、ケガによる超回復です。

 とはいえ、スランプに陥った選手に「ケガをしろ」とは言えないので、突然トレーニング生活と真逆なことをして、あたかも身体に「ケガをした」と思わせるような状況を作り出すというわけです。

体をマンネリ化させない「ピリオダイゼーション」

猪野 その間に筋肉は落ちないんですか?

栗村 もちろん落ちます。ですが、すぐに戻れる程度の期間なのでトレーニング再開後はさらに上昇します。実はこれは「ピリオダイゼーション」といわれている手法で、最近は選手たちのトレーニングプログラムにも積極的に組み込まれています。

 ピリオダイゼーションとは「期分け」を意味する言葉。文字通り年間のトレーニングをいくつかの期に分け、期ごとのトレーニングを体系的に組み合わせて行う方法です。

栗村さんによる「ピリオダイゼーション」のイメージ。自転車に乗らない休息期間を突然1~2週間とることで負荷に慣れた体をいったんリセットし、 オーバートレーニングやマンネリ化を防いでパフォーマンスアップを図る

 練習を毎日同じ内容、同じ強度で行っていると、最初のうちは体力的に向上しますが、ある程度の期間を過ぎると練習の効果が得られなくなります。その壁を越えるために練習内容や強度を変えたり、またピークに達した時点でしっかりと休息を与えることで、より効果的に身体能力を引き出すという考え方です。

 僕が選手だった時代は、とにかく自転車に乗らない日を作るなと教えられていたので、どんな日でも最低1時間は自転車に乗っていました。しかし最近の選手はケガをしてなくてもシーズン中に突然1~2週間、自転車に乗らない期間を設定されます。僕らの時代からしたら恐怖すら覚えますが、いまは強制的に休息をとらせ、体の超回復を促すようにしています。

 体にしてみたらわけわかんないですよね、高負荷でストレスかけられて、急に甘やかされて。そんな女の子がいたら完全に小悪魔じゃないですか。好きになっちゃいますよね(笑)。

”栗村節”に翻弄されつつ納得してしまう猪野さん Photo: Shusaku MATSUO

猪野 …なりますねぇ(笑)。要は自分の身体に対してツンデレになって飽きさせないようにすると?

栗村 例えるなら自分の身体と心がいわゆるお客さんで、自分がホスト。同じサービスしてたらお客さんに飽きられちゃうじゃないですか。体に飽きられる、すなわちこれがスランプという状態であることを肝に銘じておきましょう。 

「ルーティーン」はスランプの入り口

栗村 ここまでフィジカルについて話をしてきましたが、これはメンタルについても言えます。毎日同じ時間に同じトレーニングを続けていると、その行為に対して精神的なストレスがなくなると同時に、行動パターンが読まれるようになります。実はこの「読まれる」ことこそが“スランプ”の入り口なんです。

「トレーニングはフィジカルとメンタルの騙し合い」と栗村さん Photo: Shusaku MATSUO

 そうならないためにはトレーニング内容を少しずつ変えてみること。例えば極端な話、ダンシングだけで坂を上る、あるいはシッティングで重たいギヤだけで上るとか。これも体にとって裏をかくという行動になります。

 もちろんいつも裏をかいてちゃだめですよ。 基本的にはルーティーンの積み重ねが最良の方法で、飽くまで規則正しいトレーニングを続けている人が「ルーティーンの罠」にはまらないようにするための方法です。

猪野 僕は長いことルーティーンしかやっていないように思います(苦笑)。

「ルーティーンの罠」という栗村さんの言葉に思わず苦笑 Photo: Shusaku MATSUO

栗村 猪野さんも体が悲鳴(腰痛)をあげたいまが、いままでのルーティーンを壊してみるタイミングなのかもしれません。

猪野 やり方次第では僕にもまだ伸びしろがあるのでしょうか?

栗村 おそらく「ルーティーンの罠」にはまっているだけだと思うので、そこから抜け出せればまだ何クールか行けると思います。あるいは1年は筋トレに費やして土台をもっと大きくするとか、色々方法はあります。

「アミノバイタル」で頑張らないカラダづくり

栗村  猪野さんと同じ世代のホビーライダーで伸び悩みを感じている人って多いですよね。自己実現欲を追求する方は、高い意識とまじめにトレーニングするところがあるので、そういう皆さんは猪野さんと同様、「ルーティーンの罠」にはまりやすい傾向があるといえます。

 選手は休みたかったら休めますが、ホビーライダーこそ仕事とトレーニングとレースと、家族がいれば家族との時間もある。限られた1日の可処分時間の中でトレーニングとリカバー。その結果、ルーティーンをこなすことだけが目的となり、罠にはまる。そんな猪野さんと同じ心境の方は1億人はいるんじゃないですかね(笑)。

仕事の合間を見つけては、自宅で必死にトレーニングを行う猪野さん(本人提供)

猪野 ヒルクライム会場に行くと同世代の人に「調子どうですか?」と聞かれることが多いですね。「練習頑張ってるんですけど、勝てないんですよ」といいながら、お互い傷をなめ合う感じです。

栗村 限られた時間内でできることを考えると、鍛える方ばかりにフォーカスされ、リカバーが疎かになりがちです。例えば食事一つとってもそう。普段の食事からバランスよく栄養素を摂るのが一番望ましいですが、栄養価の高い食事を摂るとなると準備にも食べるのにも時間がかかるので、正直面倒なときもありますよね。

「アミノバイタルは時間を買う商品」と栗村さん Photo: Shusaku MATSUO

 そんなときのために、必要摂取量を効率的に摂取できる「アミノバイタル」のようなサプリメントがあるのだと思います。これを僕は「時間を買う商品」だと考えていて、 時間があるときは基本的に普通の食事を摂り、満足な食事がとれないときはこれで補うという形で取り入れると良いと思います。

 「時間がないからやらない」ではなく、買える時間なら買いましょう。手を抜けるところは抜きつつ、でもケアすべきところはしっかりケアすることが大切です。

画像左から、スポーツ時のコンディションをサポ―トするアミノ酸サプリメント「 アミノバイタル® プロ」。運動前摂取で理想のコンディションづくりにおすすめ。そしてロイシン高配合必須アミノ酸配合で、ハードな運動後のリカバーにおすすめの「 アミノバイタル® GOLD」と「 アミノバイタル® GOLDゼリー」 Photo: Kyoko GOTO

 トレーニングは強くなるための手段ではありますが、鍛えることだけではありません。リカバーバランスを欠いたトレーニングは端的にいうと体を追い詰めているだけ。「トレーニングは生存本能とリカバーの綱引き」という考え方を忘れずに、自分で自分の体をコントロールしていきましょう。

猪野 たしかにいままで記録更新にとらわれて、焦る気持ちと体の乖離に僕自身が疲れていたように思います。色々と目から鱗が落ちました!

栗村 これからもトレーニングを楽しんでください。大丈夫、伸びしろはあります! たぶん…。

猪野 たぶん…(苦笑)。

Photo: Shusaku MATSUO

2020年3月11日取材

(撮影協力:自転車文化センター)

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アミノバイタル 猪野学のパワーアップ奮闘記

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