パリ〜ニース2020 第5ステージボニファツィオがスプリントで抜け出し勝利 トラトニクは紙一重で逃げ切りならず

by 米山一輝 / Ikki YONEYAMA
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 フランスで開催中のUCIワールドツアー「パリ〜ニース」は3月12日、第5ステージが行われ、集団スプリントの先頭で抜け出したニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、トタル・ディレクトエネルジー)が区間優勝を飾った。個人総合はマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が首位を堅守し、後半の本格山岳ステージへと駒を進めた。

集団スプリントで抜け出したボニファツィオがステージ優勝 Photo: Yuzuru SUNADA

4人が逃げ、テュルジス奮闘

 個人タイムトライアルを終えた大会は後半戦へ。この日はガナからラ・コート=サン=タンドレに至る227km。今大会最長のステージとなる。序盤に2級と3級山岳、後半に2つの3級山岳があり、逃げと集団の駆け引きが焦点となった。

 集団スプリントで決着する可能性も高かったが、前日にサム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ)、この日もパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)といった有力スプリンターが未出走となり、スプリント戦線も顔ぶれが変化しそうだ。

逃げの4人 Photo: Yuzuru SUNADA

 レースはスタートからの攻防で4人の逃げが先行した。ライアン・ミューレン(アイルランド、トレック・セガフレード)、アレクシー・グジャール(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)、ヤン・トラトニク(スロベニア、バーレーン・マクラーレン)、アントニー・テュルジス(フランス、トタル・ディレクトエネルジー)からなる逃げは、メイン集団に最初の50kmで最大7分のタイム差を付け、両者の長い攻防戦が始まった。

 逃げの中では、唯一ワールドチームではないテュルジスが奮闘。4つある山岳ポイントを全て先頭で通過し、この日19ポイントを荒稼ぎ。地元フランスチームの面目躍如とともに、山岳賞ランキングでは2位に急浮上した。

前半のメイン集団は落ち着いたペースで展開 Photo: Yuzuru SUNADA

ウッズが落車でリタイア

 ラスト50kmを切り、逃げとメイン集団のタイム差は3分少々まで縮まっていた。メイン集団がスピードを上げて追い込む中、下りコーナーでマイケル・ウッズ(カナダ、EFプロサイクリング)が落車するアクシデントが発生。ウッズは起き上がれずそのままリタイアとなった。ワンデーレースではチームの主軸を担うウッズ。東京五輪を含むビッグレースに意欲を見せていたが、病院の検査では右大腿骨の骨折が明らかになった。

 逃げとメイン集団の差は、ラスト30kmで2分、20kmで1分へと縮まり、ゴールまで19kmを切ったところでテュルジスとミューレンが逃げから脱落。先頭はグジャールとトラトニクの2人となった。

首位を守ったシャフマン Photo: Yuzuru SUNADA

 直後に通過したスプリントポイントでは、メイン集団で3番手通過のボーナスタイムを巡って、総合6位のディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・マクラーレン)、総合5位のセルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング)の2人が、横並びのスプリントを展開した。先行していたトゥーンスがわずかの差で先着し、1秒のボーナスタイムを獲得した。

 さらにメイン集団では、スプリントとは違う決着を目指す動きが勃発。エーススプリンターを失ったドゥクーニンク・クイックステップが、ジュリアン・アラフィリップ(フランス)でアタック。これが吸収されると、今度はボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク)が攻撃を仕掛け、5人の追走グループを形成した。

 スピードに優れる追走グループは一時メイン集団を振り切るかに見えたが、完全な協調体制とはならず失速。ラスト10kmを切って吸収された。

ユアンはまたも勝負に加われず

 逃げとメイン集団のタイム差は20秒にまで縮まっていたが、ラスト7kmを前にトラトニクがグジャールを振り切って単独先頭に立つと、その差が減らなくなった。200kmを過ぎてなおも脚を残していたトラトニク。20秒の差をキープしたままラスト5km、4kmと残り距離を減らしていく。

 思わぬ粘りにメイン集団が苦戦するなか、ラスト3kmを切ったところでメイン集団では、トップスプリンターの一人であるカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)が、チェーントラブルで遅れてしまうアクシデント。今大会ここまで不運が続き、一度もスプリントに絡めていないユアンだが、この日も勝負から脱落してしまった。

今季2勝目を挙げたボニファツィオ Photo: Yuzuru SUNADA

 粘るトラトニク。ラスト1kmでも10秒差と、逃げ切りも十分あり得る状況だったが、ラスト900mの鋭角コーナーを抜けると、一気にスプリント体勢で速度を上げたメイン集団に対して旗色が悪くなってしまう。

 必死でペダルを踏み続けるトラトニクの後ろで、メイン集団はスプリントを開始。トラトニクに襲いかかる。集団の隙間から飛び出したボニファツィオが、ラスト50mを前にトラトニクを一気に抜き去ると、そのまま2位以下に差を付けたまま先頭でフィニッシュした。かつてツアー・オブ・ジャパンの東京ステージでプロ初勝利を飾ったボニファツィオ。自身通算18勝目、4年ぶりのワールドツアー2勝目となった。

総合有力と見られる選手の中では最も上位に付けるイギータだが、アシストが3人欠けたのは不安材料 Photo: Yuzuru SUNADA

 翌第6ステージは、本格山岳ステージがスタートする。1級山岳は無いものの、161.5kmのコースに合計6つのカテゴリー山岳が組み込まれ、序盤から終盤までほぼ上りと下りで構成。山岳で総合成績を上げたい有力勢にとって、まず落とせない一日となる。上りに強いイギータの走りが注目されるが、ウッズに加えてローソン・クラドック(アメリカ)、ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ)までがこの日レースを去っており、少ないアシストでどれだけ戦えるかがカギとなる。

第5ステージ結果
1 ニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、トタル・ディレクトエネルジー) 5時間18分2秒
2 イバン・ガルシア(スペイン、バーレーン・マクラーレン) +0秒
3 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
4 ナセル・ブアニ(フランス、アルケア・サムシック)
5 ユーゴ・オフステテール(フランス、イスラエル・スタートアップネイション)
6 アンドレア・パスクアロン(イタリア、サーカス・ワンティ・ゴベール)
7 ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、ロット・スーダル)
8 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、コフィディス)
9 ブライアン・コカール(フランス、B&Bホテルズ・ヴィタルコンセプト)
10 マルク・サロー(フランス、グルパマ・エフデジ)

個人総合
1 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) 18時間49分0秒
2 セーアン・クラーウアナスン(デンマーク、チーム サンウェブ) +58秒
3 フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) +1分1秒
4 ニルス・ポリッツ(ドイツ、イスラエル・スタートアップネイション) +1分5秒
5 セルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング) +1分6秒
6 ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・マクラーレン) +1分9秒
7 ティシュ・ベノート (ベルギー、チーム サンウェブ) +1分11秒
8 マッズ・ウルスシュミット(デンマーク、イスラエル・スタートアップネイション)
9 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、NTTプロサイクリング) +1分15秒
10 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ) +1分16秒

ポイント賞
1 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) 33 pts
2 イバン・ガルシア(スペイン、バーレーン・マクラーレン) 28 pts
3 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、NTTプロサイクリング) 24 pts

山岳賞
1 ジョナタン・イヴェール(フランス、トタル・ディレクトエネルジー) 23 pts
2 アントニー・テュルジス(フランス、トタル・ディレクトエネルジー) 19 pts
3 ヤン・トラトニク(スロベニア、バーレーン・マクラーレン) 11 pts

新人賞
1 セルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング) 18時間50分6秒
2 カスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) +1分10秒
3 ケース・ボル(オランダ、チーム サンウェブ) +3分27秒

チーム総合
1 ボーラ・ハンスグローエ 56時間29分41秒
2 チーム サンウェブ +49秒
3 イスラエル・スタートアップネイション +1分4秒

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