パリ〜ニース2020 第4ステージクラーウアナスンが平均速度48kmで自身初の個人TT勝利 首位シャフマンも区間2位の好走

by 米山一輝 / Ikki YONEYAMA
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 フランスで開催中のUCIワールドツアー「パリ〜ニース」は3月11日、第4ステージが15.1kmの個人タイムトライアル(TT)で行われ、25歳のセーアン・クラーウアナスン(デンマーク、チーム サンウェブ)が区間優勝を飾った。総合首位のマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)も区間2位の好走を見せ、首位の座をキープしている。

25歳のセーアン・クラーウアナスン(デンマーク、チーム サンウェブ)が個人タイムトライアルで優勝 Photo: Yuzuru SUNADA

アラフィリップの地元でTT

 悪天候と波乱に満ちた序盤のスプリンターステージを終え、8日間の大会は折り返し地点へ。今大会唯一の個人TTは、前半が丘越えの上り基調、後半は下りと平坦基調でスピードが上がる構成。減速を要するコーナーが多く、TTとしては若干トリッキーなコース設定となった。舞台となるサン=タマン=モンロンは、フランスの星、ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)の出身地でもある。

長らく基準タイムとなったデヘントの走り Photo: Yuzuru SUNADA

 個人総合の最下位から順に、1分間隔で133人が出走。ラスト15人は2分間隔となる。序盤に好タイムを記録したのが41番目にスタートしたトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)だった。19分4秒のタイム、平均時速47.5kmでフィニッシュし、この記録が長く基準となった。

 出走順が後半となり、個人TTを得意とするヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、NTTプロサイクリング)、シュテファン・キュング(スイス、グルパマ・エフデジ)といった有力選手も出走するが、いずれもデヘントのタイムには届かない。トリッキーなコース設定がスペシャリストの走りを阻んでいるのか。ラスト37人で出走したペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・マクラーレン)が、中間計測でついにデヘントのタイムを上回るものの、後半は伸び悩んでフィニッシュタイムの更新はならなかった。

アワーレーコードホルダーのカンペナールツ。トップタイムには届かず Photo: Yuzuru SUNADA
地元期待のアラフィリップ。昨年ツールTTの再現とはならなかった Photo: Yuzuru SUNADA

 地元期待のアラフィリップは、昨年のツール・ド・フランスの個人TTでも勝利を挙げているだけに、この日の走りにも注目が集まった。序盤からテンポの良い走りでタイムを伸ばしたが、最終的には区間18位と上位進出はならなかった。

クラーウアナスンが平均時速48kmの大台

 ビッグネームの合間を縫って好走を見せたのが、ラスト28人から出走したカスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)。中間計測ではビルバオに及ばなかったものの、後半タイムを伸ばして、フィニッシュではついにデヘントのタイムを0.8秒更新することに成功した。

ただ一人平均時速48kmの大台に乗せたクラーウアナスン Photo: Yuzuru SUNADA

 そして、その9分後にゴールした総合19位のクラーウアナスンが、驚異的なタイムを記録した。中間計測でアスグリーンを上回るペースで走り、後半もさらに加速。ついに19分の壁を破る18分51秒のタイム、平均時速も48.0kmの大台に乗せ、トップタイムを大きく12秒更新した。

マイヨジョーヌを着て好走を見せたシャフマン Photo: Yuzuru SUNADA

 クラーウアナスンの記録は抜かれないまま、最終走者、個人総合首位のマイヨジョーヌに身を包んだシャフマンのゴールを迎えた。シャフマンは中間計測から好タイムを叩き出し、後半も失速せず19分を切る好走。しかしクラーウアナスンには6秒届かず、この瞬間にクラーウアナスンのステージ優勝が決まった。クラーウアナスンはプロキャリア5勝目、ワールドツアーでは一昨年のツール・ド・スイス第6ステージに次ぐ2勝目となった。個人TTでの勝利は自身初ということから、今回のコースのトリッキーさがうかがえる結果となった。

新人賞と個人総合5位をキープするセルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング)。山岳に強い有力勢では現在最も上位に付ける Photo: Yuzuru SUNADA

 個人TTの結果を受けて、個人総合順位は大きく入れ替わった。区間優勝のクラーウアナスンは総合2位にジャンプアップ。首位を守ったシャフマンは、2位との差を58秒に広げることに成功した。大会後半戦は本格的な山岳が待ち受ける中、好調のシャフマンがどこまでリードを守れるかが注目ポイントだ。

 翌第5ステージは、大会最長となる227kmで行われる。序盤に2級と3級の山岳、後半に2つの3級山岳がある。序盤は山岳ポイントを狙った逃げが生まれることは必至。終盤は平坦基調となるためにスプリントの可能性もあるが、逃げグループとの駆け引きが焦点となりそうだ。

第4ステージ結果
1 セーアン・クラーウアナスン(デンマーク、チーム サンウェブ) 18分51秒
2 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +6秒
3 カスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) +12秒
4 トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) +13秒
5 ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・マクラーレン) +15秒
6 ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、NTTプロサイクリング) +17秒
7 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ) +18秒
8 シュテファン・キュング(スイス、グルパマ・エフデジ) +26秒
9 トビアス・ルドヴィグソン(スウェーデン、グルパマ・エフデジ) +27秒
10 ローソン・クラドック(アメリカ、EFプロサイクリング) +29秒

個人総合 1 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) 13時間30分58秒
2 セーアン・クラーウアナスン(デンマーク、チーム サンウェブ) +58秒
3 フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) +1分1秒
4 ニルス・ポリッツ(ドイツ、イスラエル・スタートアップネイション) +1分5秒
5 セルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング) +1分6秒
6 ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・マクラーレン) +1分10秒
7 ティシュ・ベノート (ベルギー、チーム サンウェブ) +1分11秒
8 マッズ・ウルスシュミット(デンマーク、イスラエル・スタートアップネイション)
9 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、NTTプロサイクリング) +1分15秒
10 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ) +1分16秒

ポイント賞
1 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) 33 pts
2 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、NTTプロサイクリング) 24 pts
3 イバン・ガルシア(スペイン、バーレーン・マクラーレン) 16 pts

山岳賞
1 ジョナタン・イヴェール(フランス、トタル・ディレクトエネルジー) 22 pts
2 ホセ・ディアス(スペイン、NIPPO・デルコ・ワンプロヴァンス) 7 pts
3 ティシュ・ベノート (ベルギー、チーム サンウェブ) 4 pts

新人賞
1 セルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング) 13時間32分4秒
2 カスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) +1分10秒
3 ケース・ボル(オランダ、チーム サンウェブ) +3分27秒

チーム総合
1 ボーラ・ハンスグローエ 40時間35分35秒
2 チーム サンウェブ +49秒
3 EFプロサイクリング +1分3秒

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