パリ〜ニース2020 第3ステージ混戦のスプリントで伏兵ガルシアが優勝 ユアン、ベネットは落車でチャンスを逃す

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 UCIワールドツアー第6戦「パリ〜ニース」の第3ステージが3月10日に開催され、集団スプリント勝負を制したイバン・ガルシア(スペイン、バーレーン・マクラーレン)がステージ優勝を飾った。有力スプリンターのサム・ベネット(ドゥクーニンク・クイックステップ)、カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)はフィニッシュ直前に落車に巻き込まれて勝利をあげられなかった。総合首位のマクシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)はメイン集団内でフィニッシュし、総合首位をキープした。

有力スプリンターが落車で機会を逸するなか、元・世界王者のサガンを振り切って勝利したイバン・ガルシア Photo: Yuzuru SUNADA

単独逃げを容認し、落ち着いたペースで進行

 第3ステージはシャレット=シュル=ロワンからラ・シャトルに至る212.5kmで争われた。道中は3級山岳が1つのみ、フィニッシュはやや上り勾配ながら通常であれば集団スプリントになりやすいコースレイアウトだった。というのも、スプリンター向きステージと思われていた第1、第2ステージとも、雨と強風によって横風分断が多発するサバイバルな展開となり、総合成績も大きく揺れ動く荒れたレースになっていた。

190km近くに渡って単独逃げを見せたトム・デヴリーント Photo: Yuzuru SUNADA

 この日は200kmを超えるロングステージであり、さらに道中は向かい風基調ということで、逃げにとって旨味の少ないステージだったため、レーススタート後も逃げる選手がしばらく現れず。そうしたなかで、トム・デヴリーント(ベルギー、サーカス・ワンティ・ゴベール)がようやく単独逃げを開始。タイム差が最大9分程度まで開いたが、その後は7分前後にコントロールされていた。

 平均時速36km程度のゆったりとしたペースでレースが展開され、時折集団がペースを上げて集団分断を狙うシーンも見られたものの、いずれも決定的な動きには繋がらず。終盤に向けて、徐々に先頭とのタイム差を縮めていった。

ガルシアのパワーが炸裂し、混戦を制す

 2回目の中間スプリントを目前とした残り26km地点で、デヴリーントはメイン集団に吸収。だが、ボーナスタイムを巡っての総合勢によるスプリント争いは発生せず、マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)が先頭通過を果たした。

一日中小雨が続き、気温は11〜12度と肌寒い天候のなかレースは行われた Photo: Yuzuru SUNADA

 集団前方に位置取りしているドゥクーニンク・クイックステップ、グルパマ・エフデジ、チーム サンウェブあたりは、隙あらば集団分断を狙おうと開けた場所に出ると加速を繰り返していたものの、いずれの動きも実らなかった。

 残り6kmを切ったところで、再びドゥクーニンク・クイックステップ、チーム サンウェブが加速して集団分断を狙う。総合勢への影響は無かったものの、有力スプリンターの一人であるパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が遅れてしまった。

 ラスト1km、アシストを揃えているドゥクーニンク・クイックステップが集団先頭をキープ。しかし、フィニッシュ直前の上り区間に入ったところで少しペースが落ちてしまい、後続選手たちの追い上げを許し、先頭付近は各チームのアシスト・エーススプリンターが入り混じるカオスな展開に。

昨年までチームメートのジュリアン・アラフィリップ(左)とフィリップ・ジルベール(右) Photo: Yuzuru SUNADA
カレブ・ユアンと新コンビネーションを披露したジョン・デゲンコルプ Photo: Yuzuru SUNADA

 すると、ユーゴ・オフステテール(フランス、イスラエル・スタートアップネイション)がユアンに引っかかるような形で落車。ユアンは落車は免れたものの、オフステーテルのバイクがリアホイールに引っかかってしまい、停車を余儀なくされスプリント戦線から脱落してしまう。さらに2人の真後ろを走行していたベネットがオフステーテルに押し出されるような形で落車してしまい、道路右側の柵に激突しながら、右肩・右腕から激しく地面に叩きつけてしまった。

 2人の有力スプリンターがいなくなったことで、先頭付近はどのチームもトレインを組めないまま、残った選手たちがそれぞれスプリントに挑む展開となり、先頭から5番手付近に位置していたガルシアが一気に加速。先頭に飛び出すと、大柄な体格を生かしてパワーあふれるスプリントを披露。背後についたペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)の追い上げを振り払って、フィニッシュラインに先着し、今季初勝利となるステージ優勝を飾った。

 ガルシアはプロ4年目のシーズンを迎える24歳。2017年のツアー・オブ・ジャパンに来日し、一時は新人賞ジャージを着用する活躍を見せていたこともある。昨シーズンはツアー・オブ・カリフォルニアでプロ初勝利を飾った経験はあるものの、この日のような本格的な平坦ステージの集団スプリントでの勝利は初めてのことだった。

 ユアンは無傷でフィニッシュしたものの、ベネットは右手から出血を伴う怪我を負い、かなり大きなダメージを受けてしまった様子だ。また、シャフマンは区間13位となり、リーダージャージを防衛。総合勢にとっては、翌日の個人タイムトライアルに向けて比較的落ち着いた一日となった。

第3ステージ結果
1 イバン・ガルシア(スペイン、バーレーン・マクラーレン) 5時間49分55秒
2 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) +0秒
3 アンドレア・パスクアロン(イタリア、サーカス・ワンティ・ゴベール)
4 ケース・ボル(オランダ、チーム サンウェブ)
5 ナセル・ブアニ(フランス、アルケア・サムシック)
6 ルディ・バルビエ(フランス、イスラエル・スタートアップネイション)
7 アントニー・テュルジス(フランス、トタル・ディレクトエネルジー)
8 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、NTTプロサイクリング)
9 マッズ・ウルスシュミット(デンマーク、イスラエル・スタートアップネイション)
10 オリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール ラモンディアール)

個人総合
1 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) 13時間12分1秒
2 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、NTTプロサイクリング) +13秒
3 ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード) +21秒
4 セルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング) +23秒
5 ニルス・ポリッツ(ドイツ、イスラエル・スタートアップネイション) +25秒
6 マッズ・ウルスシュミット(デンマーク、イスラエル・スタートアップネイション)
7 フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) +28秒
8 クリスツ・ニーランズ(ラトビア、イスラエル・スタートアップネイション)
9 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード)
10 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) +36秒

ポイント賞
1 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、NTTプロサイクリング)
2 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
3 イバン・ガルシア(スペイン、バーレーン・マクラーレン)

山岳賞
1 ジョナタン・イヴェール(フランス、トタル・ディレクトエネルジー)
2 ホセ・ディアス(スペイン、NIPPO・デルコ・ワンプロヴァンス)
3 ティシュ・ベノート (ベルギー、チーム サンウェブ)

新人賞
1 セルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング) 13時間12分24秒
2 ケース・ボル(オランダ、チーム サンウェブ) +1分27秒
3 カスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) +1分44秒

チーム総合
1 イスラエル・スタートアップネイション 39時間37分21秒
2 ボーラ・ハンスグローエ +3秒
3 EFプロサイクリング +51秒

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