パリ〜ニース2020 第7ステージキンタナが“最終日”山頂ゴールを独走で制す 首位シャフマンは区間6位でまとめ総合優勝

by 平井久美子 / Kumiko HIRAI
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 フランスで開催のUCIワールドツアー、パリ〜ニースは3月14日、最終となる第7ステージが行われ、ナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック)が山頂フィニッシュを独走で制してステージ優勝した。前日まで総合首位につけていたマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)は6位でゴールし、首位の座をキープ。今大会は当初8ステージ争われる予定だったが、13日、新型コロナウイルスの影響を考え主催者側が第7ステージで大会を打ち切るとしたため、シャフマンが個人総合優勝となった。

移籍後、ワールドツアー初優勝を飾ったキンタナ Photo: Yuzuru SUNADA

アラフィリップ、デヘントらが入る強力な逃げ

 第7ステージはニースからヴァルドゥブロール・ラ・コルミアーヌまでの166.5km。レース前半に1級山岳と2つの2級山岳をこなした後にも上りや下りが続き、最後は距離16.3km、平均勾配6.3%の1級山岳にフィニッシュする。今大会のクイーンステージであり、最終ステージ。この日で全てが決まる。

 スタート後、アントニー・ペレス(フランス、コフィディス)やブノワ・コヌフロワ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)が飛び出すも逃げは決まらず。

逃げ切ってもおかしくない豪華な逃げメンバー Photo: Yuzuru SUNADA

 さらにキンタナやティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ)、ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)、ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)、トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)といった、有力選手によるアタック合戦が繰り広げられる。

 結局、逃げに入れたのは6人。メンバーは、アラフィリップ、デヘント、ペレス、山岳賞争いで首位に立つニコラ・エデ(フランス、コフィディス)、オレリアン・パレパントル(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)、アルベルト・ベッティオル(イタリア、EFプロサイクリング)と強力な逃げとなった。

総合ジャンプアップを狙ったニバリ Photo: Yuzuru SUNADA

 レースはこの6人の逃げとメイン集団でしばらく展開される。残り132km、87km、74.5kmのカテゴリー山岳を通過する際も、この構図だった。その山岳ポイントはエデが全て1位通過。護衛役でチームメイトのペレスとともに、山岳賞ジャージキープのミッションを遂行した。

 一方メイン集団は、トム・スクーリー(ニュージーランド、EFプロサイクリング)やパトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)が牽引。タイム差は3分程でコントロールされていた。

勝負どころに向け、逃げに迫る集団

 ゴールまで残り44km、ペレスが逃げから脱落する。その後も逃げ5人とメイン集団という形は変わらなかったが、残り35kmで2分30秒、25kmで2分、20kmで1分30秒とボーラ・ハンスグローエのアシスト選手が牽引するメイン集団が徐々に逃げとのタイム差を縮めていく。もちろんシャフマンはそれに守られるように走っていた。

地元フランスの期待を背負って走ったピノ Photo: Yuzuru SUNADA

 集団は勝負に備え脚をためながらも前とのタイム差をを絶妙にコントロールする。前を行くのはアラフィリップやデヘントがいる強力な逃げ、油断はできない。

 残り15km、最後の1級山岳を前に、逃げ集団、メイン集団共にそれぞれ動きがでる。逃げからはエデ、ベッティオール、
、パレパントル、アラフィリップが脱落し先頭はデヘント一人に。また、メイン集団ではマイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ)といった仕事を終えた選手が後ろに下がっていった。また、この頃、そのメイン集団はキンタナのチームメイトであるウィネル・アナコナ(コロンビア、アルケア・サムシック)、ダイエル・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック)が牽引していた。

 集団に残った総合勢も大きく動く。アナコナ、続いて、ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)が飛び出す。だが、この2人はその後ろから来た、リッチー・ポート(オーストラリア)、セルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング)、ティシュ・ベノート (ベルギー、チーム サンウェブ)、ニバリ、そしてシャフマンら、約10人の総合系の選手に飲み込まれる。やはり勝負は総合エースらの戦いに絞られた。

前日は落車のアクシデントに見舞われたが、見事総合優勝を果たした Photo: Yuzuru SUNADA

 残り7km、デヘントとこの集団のタイム差は約1分半となる。ここで一早く仕掛けたのはバルデだった。しかし、バルデはあえなく吸収され勝負は振り出しに戻る。その後決定的な動きとなったのが、残り3.9kmでのキンタナのアタックだった。500m程走った後にデヘントを捕まえ、ついに単独で先頭に躍り出る。

 一方、後方ではニバリが動く。その動きにはピノ、シャフマン、ベノート、イギータが反応。総合勢によるガチンコ勝負の展開となる。攻撃は収まらず、残り2.2kmではピノ、1.2kmではボーナスタイムも獲得して逆転優勝を狙うベノートがアタックをする。先頭を走るキンタナが総合での逆転は難しいため、追走グループ内での総合争いにシフトした形だ。ペースの落ちなかったキンタナはそのまま2位以下に差を付け、独走でステージ優勝を手にした。

チーム総合はサンウェブが獲得。一人一人が仕事を全うした Photo: Yuzuru SUNADA

 2位は最後単独で抜け出したベノート、3位はピノの順でゴール。シャフマンはキンタナから遅れること58秒、ベノートとは12秒差でゴールした。

 ベノートはボーナスタイムも獲得したが、前日までのシャフマンとのタイム差36秒を逆転とはならず。シャフマンが見事リーダージャージをキープし、今大会の総合優勝を飾った。個人総合逆転はならなかったベノートだが、ポイントではシャフマンを逆転し、総合ポイント賞を獲得した。

 新型コロナウイルスの影響で、欠場や途中リタイア、ステージのキャンセルなど、例年とは異なるものとなったパリ~ニース。今大会以外にも延期、キャンセルとなったレースが続出するなど、サイクルロードレース界にも大きな影響を及ぼしている。いち早くこのウイルスが収束し、笑顔でサイクルロードレースを楽しめる日が来ることを願う。

第7ステージ結果
1 ナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック) 4時間27分1秒
2 ティシュ・ベノート (ベルギー、チーム サンウェブ) +46秒
3 ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ) +56秒
4 セルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング)
5 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード)
6 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +58秒
7 ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス) +1分19秒
8 タネル・カンゲルト(エストニア、EFプロサイクリング) +1分22秒
9 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +1分32秒
10 ルディ・モラール(フランス、グルパマ・エフデジ)

個人総合
1 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) 27時間14分23秒
2 ティシュ・ベノート (ベルギー、チーム サンウェブ) +18秒
3 セルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング) +59秒
4 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード) +1分16秒
5 ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ) +1分24秒
6 ナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック) +1分30秒
7 ルディ・モラール(フランス、グルパマ・エフデジ) +2分3秒
8 タネル・カンゲルト(エストニア、EFプロサイクリング) +2分16秒
9 フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) +3分39秒
10 セーアン・クラーウアナスン(デンマーク、チーム サンウェブ) +4分36秒

ポイント賞
1 ティシュ・ベノート (ベルギー、チーム サンウェブ) 43 pts
2 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) 38 pts
3 セルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング) 28 pts

山岳賞
1 ニコラ・エデ(フランス、コフィディス) 53 pts
2 ティシュ・ベノート (ベルギー、チーム サンウェブ) 19 pts
3 トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) 18 pts

新人賞
1 セルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング) 27時間15分22秒
2 オレリアン・パレパントル(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +15分28秒
3 カスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) +25分57秒

チーム総合
1 チーム サンウェブ 81時間52分39秒
2 グルパマ・エフデジ +3分25秒
3 トレック・セガフレード +9分19秒

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