パリ〜ニース2020 第2ステージ横風による波乱のレースをニッツォーロが制す チーム力に支えられたシャフマンが首位堅守

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 UCIワールドツアー第6戦「パリ〜ニース」の第2ステージが3月9日に開催され、相次ぐ横風による集団分断の末、生き残った小集団によるスプリントを制したジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、NTTプロサイクリング)がステージ優勝。総合首位のマクシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)はチームメートに守られながら先頭集団でフィニッシュし、有力総合勢の多くがタイムを失うなか総合首位を堅守した。

カオスなサバイバルな展開を制し、ツアー・ダウンアンダー以来となる今季2勝目を飾ったジャコモ・ニッツォーロ Photo: Yuzuru SUNADA

シンプルな平坦ステージ 序盤は穏やかに展開

 第2ステージはシュヴルーズからシャレット=シュル=ロワンに至る166.5kmで争われた。細かいアップダウンはあるものの、全体的には平坦ステージに分類される難易度で、通常であれば集団スプリントになりやすいステージだった。

スタート前のヴィンチェンツォ・ニバリ(左)とリッチー・ポート(右) Photo: Yuzuru SUNADA

 しかし、強風と雨に見舞われた前日ステージは落車や横風分断が相次いだ荒れたレースとなったように、この日も雨と風の予報があったため、天候次第では再びサバイバルな展開も考えられていた。

 スタート後に強い雨が集団を襲ったり、雨が止んだかと思えば太陽が顔を見せるような不安定な天気のなか、ジョナタン・イヴェール(フランス、トタル・ディレクトエネルジー)、ホセ・ディアス(スペイン、NIPPO・デルコ・ワンプロヴァンス)が集団から抜け出し、2人の逃げが決まった。山岳賞ジャージを着用するイヴェールが、道中3ヶ所ある3級山岳をすべて先頭通過を果たし、この日も山岳賞ランキング首位をキープした。

序盤から逃げたイヴェール(左)とディアス(右) Photo: Yuzuru SUNADA

 天候は不安定ながら、レースは穏やかに展開した。メイン集団では大きな動きはないものの、逃げを完全に容認することはなく、最大3分程度にコントロール。残り62km地点で、早くも2人の逃げを吸収することになった。

 2つ目の中間スプリントポイントに向けて、リーダーチームのボーラ・ハンスグローエが集団をコントロール。すると、ペテル・サガン(スロバキア)がリードアウトしながらマクシミリアン・シャフマン(ドイツ)を発射し、先頭通過に成功。ボーナスタイム3秒を獲得した。

横風によるサバイバルレースに急変

 残り30kmを切ったところで、本格的なペースアップによる横風分断が発生した。

 有力スプリンターであるカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)、サム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ)が脱落し、タイミングの悪いことに総合3位のジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)がパンクで失速。さらに総合優勝候補のナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック)が落車に巻き込まれ、総合2位のティシュ・ベノート(ベルギー、チーム サンウェブ)、総合4位のディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・マクラーレン)も遅れるなど波乱の連続。

広大な草原のなかを走る集団。遮るものがないため、横風の影響を非常に受けやすい Photo: Yuzuru SUNADA

 30人程度まで人数を減らした先頭集団にはボーラ・ハンスグローエ、トレック・セガフレード、グルパマ・エフデジが主力選手の多くを残していた。なかでも献身的な世界王者であるマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)は、チームメートのアレックス・キルシュ(ルクセンブルク)と共に積極的に集団をけん引。遅れたグループとの差を開きにかかった。

 残り11km地点、先頭集団で再び横風分断の動きが生まれた。このなかでシャフマン、サガン、パスカル・アッカーマン(ドイツ)を含むボーラ・ハンスグローエと、ピーダスン、ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー)、ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア)を含むトレック・セガフレードに加え、イスラエル・スタートアップネイションも3人選手を残しており、セルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング)とニッツォーロを含む12人程度の先頭集団が形成された。対してティボー・ピノ(フランス)を含むグルパマ・エフデジを含む20人近くが取り残されてしまい、結局最後まで先頭に追いつくことはできなかった。

 その先頭集団はトレック・セガフレードとボーラ・ハンスグローエが積極的にけん引。残り3km地点の最終コーナーを曲がったところで、ピーダスンがけん引終了すると、フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)がペースアップした。

 ラスト1kmを切ると、シャフマン自ら先頭を引く姿も見られた。そして、サガンがアッカーマンを引き連れてリードアウトを開始。ラスト200mの好位置でアッカーマンを発射するも、一連のカオスな展開に疲弊していたためかスピードが伸びない。そのアッカーマンの背後から飛び出たニッツォーロが差し切ってフィニッシュラインに先着。今季2勝目となるステージ優勝を飾った。

 総合勢では首位のシャフマン、イギータ、ニバリも先頭集団内でフィニッシュ。ピノが18秒遅れの第2集団でフィニッシュし、ベノートとトゥーンスは36秒遅れ。アラフィリップとキンタナは1分25秒遅れとなり、総合順位も大きく入れ替わる結果となった。

第2ステージ結果
1 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、NTTプロサイクリング) 3時間49分57秒
2 パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +0秒
3 ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)
4 ニルス・ポリッツ(ドイツ、イスラエル・スタートアップネイション)
5 セルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング)
6 マッズ・ウルスシュミット(デンマーク、イスラエル・スタートアップネイション)
7 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード) +3秒
8 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
9 フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)
10 クリスツ・ニーランズ(ラトビア、イスラエル・スタートアップネイション)

個人総合
1 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) 7時間22分6秒
2 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、NTTプロサイクリング) +15秒
3 ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード) +21秒
4 セルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング) +23秒
5 ニルス・ポリッツ(ドイツ、イスラエル・スタートアップネイション) +25秒
6 マッズ・ウルスシュミット(デンマーク、イスラエル・スタートアップネイション)
7 フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) +28秒
8 クリスツ・ニーランズ(ラトビア、イスラエル・スタートアップネイション)
9 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード)
10 ティシュ・ベノート (ベルギー、チーム サンウェブ) +38秒

ポイント賞
1 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
2 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、NTTプロサイクリング)
3 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)

山岳賞
1 ジョナタン・イヴェール(フランス、トタル・ディレクトエネルジー)
2 ホセ・ディアス(スペイン、NIPPO・デルコ・ワンプロヴァンス)
3 ティシュ・ベノート (ベルギー、チーム サンウェブ)

新人賞
1 セルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング) 7時間22分29秒
2 ケース・ボル(オランダ、チーム サンウェブ) +1分27秒
3 カスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) +1分46秒

チーム総合
1 イスラエル・スタートアップネイション 22時間7分36秒
2 ボーラ・ハンスグローエ +3秒
3 EFプロサイクリング +51秒

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