出場辞退を決めるワールドチームもストラーデビアンケが中止、パリ〜ニースは開催 新型コロナウイルスによる欧州レース影響まとめ

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 世界中で感染が拡大している新型コロナウイルス(COVID-19)の影響が、サイクルロードレース界にも波及し始めている。2月23日に開幕したUCIワールドツアー第3戦のUAEツアーは、大会期間中にチーム関係者の感染が確認され、レースは第5ステージ終了時点で中止となってしまった。さらに、3月7日開催予定だったワールドツアー第5戦のストラーデビアンケも中止・延期が決定された。(本稿の内容はすべて3月6日午前10時時点での情報に基づく)

イタリア語で「白い道」を意味するストラーデ・ビアンケは、60kmを越える未舗装路を走破するタフなレースなのだが、中止・延期となってしまった Photo: Yuzuru SUNADA

イタリア北部を中心に感染拡大中

 UAEツアーで最初に感染が確認されたチーム関係者はイタリアから入国したイタリア人だった。現在、イタリアのロンバルディア州(主要都市:ミラノ)、ヴェネト州(主要都市:ヴェネツィア)、エミリア=ロマーニャ州(主要都市:ボローニャ)など北部の一部地域で感染が拡大しており、イタリア全土で感染者数は3月5日時点で3000人を超えている。

 そのため、イタリア政府は4月3日まで全てのスポーツイベントについて、観客なしの実施しか認めないとの対策を発表した。このため、サッカー・セリエAは無観客試合で実施され、欧州チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグのイタリア国内で開催される試合についても無観客試合となる見込みだ。

 4月3日までにイタリア国内で開催される主なサイクルロードレースは、男子レースでは3月7日のストラーデビアンケ、3月11〜17日のティレーノ~アドリアティコ、3月21日のミラノ〜サンレモなど、女子レースでは3月7日のストラーデビアンケ、3月22日のトロフェオ・アルフレド・ビンダなど。

 ミラノ〜サンレモなどを主催するRCSスポーツは、イタリア政府の決定を受けて協議した結果、まずストラーデビアンケの3月開催は中止し、別日程での開催をUCIに要求していると発表した。ティレーノ~アドリアティコ、ミラノ〜サンレモは開催予定となっているが、「協議して近日中に最新情報をお伝えする」との発表に留まっている。トロフェオ・アルフレド・ビンダを主催するCSPは6月2日への延期を表明し、UCIからの承認を待っている状況だ。

自主的にレース欠場を決定するチームも

 一方で、自転車ロードレースを統括するUCIは3月5日にプレスリリースを公開し、「UCIとしてレースの中止は決定しない。中止の判断は各地域の保健当局が決めること。参加義務のあるレースを欠場しても、事前にUCIに通知していればペナルティはなし」との方針を打ち出した。

 このリリースが発表される前に、EFプロサイクリングやユンボ・ヴィスマなどは自主的にストラーデビアンケ欠場を決定していたが、チーム イネオスやミッチェルトン・スコットはイタリアのレースだけでなく3月8日にフランスで開催されるパリ〜ニースを含むあらゆるレース活動を3週間停止することを表明。ただし、イネオスはその理由に関して、新型コロナウイルスの流行だけでなく、チーム監督のニコラ・ポルタル氏の急逝も理由にあげている。

2019年パリ〜ニース総合優勝のエガン・ベルナルは欠場となった Photo: Yuzuru SUNADA
UAEツアー総合2位のタデイ・ポガチャルは、現在もUAE国内のホテルに隔離されているとのこと Photo: Yuzuru SUNADA

 またUAE・チームエミレーツ、グルパマ・エフデジはUAEツアーでの感染者発覚の影響のため、選手やスタッフは現在もUAE国内のホテルで隔離されている状況にある。そのため、UAE・チームエミレーツはパリ〜ニースを含む3レースの欠場を決め、グルパマ・エフデジも選手・スタッフが揃えられないという理由によりティレーノ~アドリアティコ(およびストラーデビアンケ)欠場を決めた。

レース欠場を発表したチームまとめ

◆パリ〜ニース(3月8〜15日)
チーム イネオス
ミッチェルトン・スコット
アスタナプロチーム
UAE・チームエミレーツ
CCCチーム
モビスター チーム

◆ティレーノ~アドリアティコ(3月11〜17日)
チーム イネオス
ミッチェルトン・スコット
アスタナプロチーム
UAE・チームエミレーツ
CCCチーム
ユンボ・ヴィスマ
アージェードゥゼール ラモンディアール
グルパマ・エフデジ
チーム サンウェブ
モビスター チーム

◆ミラノ〜サンレモ(3月21日)
チーム イネオス
ミッチェルトン・スコット
UAE・チームエミレーツ
ユンボ・ヴィスマ
アージェードゥゼール ラモンディアール
チーム サンウェブ
モビスター チーム

※アスタナは3月20日まで、イネオス、ミッチェルトン、モビスター チームは3月22日までの全てのレースを対象とするため、期間中にベルギーやオランダで開催されるワンデーレースなども欠場する

パリ〜ニースは開催、イタリア2レースは判断待ち

 そうしたなかで、パリ〜ニースは欠場するワールドチーム5チームに代わって、プロチームのサーカス・ワンティゴベール、B&Bホテルズ・ヴィタルコンセプトの2チームを新たなワイルドカード枠としてレースに招待。さらに通常は7人出場のところを8人出場を可能とし、全19チームで開催される見込みだ。

例年はイタリアのレースで調整を行うペテル・サガン(写真左)は、9年ぶりのパリ〜ニース参戦となる Photo: Yuzuru SUNADA
ジロ・デ・イタリア参戦を予定しているロマン・バルデは急遽フランスのレース出場を余儀なくされた Photo: Yuzuru SUNADA

 このため、イタリアのレースに参加予定だった選手の一部、例えばペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)、ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥゼール ラモンディアール)、ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード)、エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、コフィディス)らはパリ〜ニースへの出場を決めた。

 ティレーノ~アドリアティコ、ミラノ〜サンレモに関しては、半分近いワールドチームが欠場見込みとなっており、主催者による開催可否の判断が待たれるところだ。

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